女優の安達祐実が、2025年放送のNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』に出演することが27日、発表された。『元禄繚乱』(1999)以来26年ぶりの大河ドラマ出演で、吉原の女郎屋「大黒屋」の女将・りつ役を演じる。
大河ドラマ第64作となる本作の主人公は、“江戸のメディア王”として時代の寵児になった快男児・蔦屋重三郎。天下泰平、文化隆盛の江戸時代中期に、喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴を見出し、日本史史上最大の謎のひとつ“東洲斎写楽”を世に送り出した人物の波乱万丈の生涯を描く。横浜流星が主人公の“蔦重”こと蔦屋重三郎を演じ、脚本は、大河ドラマ『おんな城主 直虎』、NHKドラマ『大奥』シリーズなどの森下佳子氏が務める。
安達が演じるりつは、吉原の女郎屋・大黒屋の女将として、駿河屋(高橋克実)、松葉屋(正名僕蔵)、大文字屋(伊藤淳史)、扇屋(山路和弘)らとともに吉原を取りまとめ、蔦重(横浜流星)の後見となる。のちに女郎屋を廃業し、芸奴の見番となった後は、蔦重が手掛けた「富本本」や「浄瑠璃本」の出版に大きな影響を与えることになる。
安達は「大河ドラマは、高校生の時に出演した『元禄繚乱』以来になります。大人になってから、もう1度大河ドラマに出演したいという思いが強くなっていたので、オファーを頂いた時は本当に嬉しかったです」と喜び、「横浜流星さんとは、数年前にドラマで共演経験があり、ご本人の真面目さやひたむきな姿勢が素敵だなと思っておりましたので、今作でまたご一緒させて頂けるのが楽しみです」と期待。
「今作では女郎屋の女将という役どころで、私も牛耳る立場の役をやれるようになったんだな、年齢を重ねてきたんだな、と改めて感慨深い気持ちです。りつのさっぱりとした性格や、それでいて可愛らしいところもある人柄を伝えられるように演じたいと思います。そして、浅草は私が生まれ育った街です。昔ながらの文化もあり、最近は再び活気付いている様子もあり、とても楽しい街です。このようなご縁をいただき、嬉しく思います」と意気込んでいる。
安達のほか、大奥総取締・高岳役に冨永愛、百姓から田沼意次(渡辺謙)の側近となった三浦庄司役に原田泰造、江戸市中の“地本問屋”のリーダー的存在・鶴屋喜右衛門役に風間俊介、蔦重に本の世界を教えた女郎・朝顔役に愛希れいか、平賀源内の相棒であり戯作者・狂歌師の平秩東作役に木村了、誰袖(福原遥)のお目付け役・しげ役に山村紅葉が決定した。
【編集部MEMO】
“べらぼう”とは、そもそも「たわけ者」「バカ者」という意味で、それが時を経て、「甚だしい」「桁外れな」という「普通を超える」さまを表す言葉に変化。江戸の言葉の「べらんめえ」の語源ともいわれている。