西武鉄道は26日、小田急電鉄から譲受した「サステナ車両」の車両デザインと車両形式について発表した。西武鉄道のコーポレートカラー「ブルー」「グリーン」をベースに、市松模様にアレンジしたデザインを採用。車両形式は「8000系」とする。
「サステナ車両」は、他社から譲受したVVVFインバータ制御車両に対する西武鉄道独自の呼称。昨年9月、西武鉄道は小田急電鉄の8000形、東急電鉄の9000系を「サステナ車両」として譲受することを発表した。このうち小田急電鉄の8000形1編成(6両編成)が今年5月、西武鉄道の小手指車両基地に到着。整備・改修の後、国分寺線での運行開始をめざすとしていた。
環境負荷の少ない「サステナ車両」の導入にあたり、西武鉄道は車両の整備、点検や管理を行う社員を対象に、サステナビリティを重視しつつ「西武らしさ」「地域との共生」「環境負荷低減」のアプローチができるデザインを募集。社員38名から全75作品の応募があり、検討の結果、同社のコーポレートカラーである「ブルー」「グリーン」をベースに、「永遠」「発展」「繁栄」を表す市松模様にアレンジしたデザインが採用された。
このデザインは西武鉄道の車両所で列車の点検、整備を行う入社3年目の若手社員が発案したという。発案者の思いとして、「入社のころから自分のデザインした車両が営業線を走ることを夢見ていました。自分の家族は勿論、たくさんのお客さまにご利用いただき、市松模様に思いをはせていただけると嬉しいです」とコメントしている。
車両形式は、小田急電鉄の車両が「8000形」であることを踏まえ、「8000系」とすることを決定。2024年度末の運行開始を予定している。西武鉄道は新造車両の導入に加え、「サステナ車両」を並行して導入することで省エネルギー化を加速させ、2030年度までに車両のVVVF化100%達成をめざす。安全・快適かつ時速可能な社会づくりに貢献するとしている。
なお、西武鉄道の公式YouTubeチャンネルにて、「サステナ車両」のデザインを検討している場面や、改修工事に密着した様子を動画にまとめ、公開している。「サステナ車両の営業運転まであともう少し。来春、お会いしましょう」とのこと。