週刊文春との裁判に注力するためとして、今年1月から芸能活動を休止している松本人志のレギュラー番組は、すべて継続。このうち、『人志松本の酒のツマミになる話』(フジ)はセンター席に大悟が座って『酒のツマミになる話』に、『まつもtoなかい』(同)は二宮和也→ムロツヨシと代役がリレーされて『だれかtoなかい』に改題している。

松本がアンバサダーを務めていた5月の『THE SECOND~漫才トーナメント~2024』(フジ)は、くりぃむしちゅー・有田哲平が「ハイパーゼネラルマネージャー」、博多華丸・大吉が「スペシャルサポーター」として参加して、その役割をカバーした。今後、これまで全大会に出演して長年審査員を務めてきた『キングオブコント2024』(TBS)は、10月12日に決勝生放送が控えており、どのような対応がとられるのか注目が集まる。

「個人・コア3冠再目標化」「オールターゲット」「LTV40-59」「共視聴」

番組の評価数値が多様化する中、各局で様々な重点指標が掲げられている。今回は、どのような意識のもとで改編を行っているのか。

今年春に編成戦略目標を「個人全体視聴率・コアターゲット視聴率両方3冠」から「コア」に振り切った日テレは、これを見直し、再び「個人全体視聴率・コアターゲット視聴率両方3冠」に戻す。4月クールでコア・個人全体共に「大変厳しい結果」(江成部長)だったことを踏まえ、「それぞれの番組が、自分たちのカラーを生かしながら面白さを追求し、多くの視聴者の支持を得るという本来の姿を取り戻す」と意気込む。さらに、“配信から地上波への回帰・送客”を促進する方針を示した。

23年度に2年連続の個人全体視聴率2冠(全日・プライム)と、世帯3冠(全日・ゴールデン・プライム)を獲得したテレ朝は「オールターゲット戦略でファミリー層に加え、あらゆる世代のニーズに応えるタイムテーブルを追求」。朝の情報番組『グッド!モーニング』ブランドを週7日の完全ベルト編成にする一方、こちらは週7日編成してきた夜の“ステーション”ブランド『サンデーステーション』から『有働タイムズ』に改編し、日曜の強化を図っている。

TBSは10月から、重点指標を従来の「新ファミリーコア」(4~49歳)から「LTV4-59」(4~59歳)に変更。「2030年に日本で一番人口が多くなる層が団塊ジュニア世代の55歳から58歳となります。その“50代の親”と“同居する20歳前後の子ども”という家庭が一番多くなるというデータもあります。60歳以上は対象としないという意味ではなく、“より多くのファミリー層”に観ていただいていることを分かりやすくする指標です」と解説する。

60周年イヤーが終盤に差しかかったテレ東は「もちろん“人と同じことはやらず”“トガッたこと”を仕掛けるスタンスは変わりません。視聴者・ユーザーに全力で寄り添い、ここまでの60年で耕した土壌と種蒔きが61年目以降に実をつけられるようドラマもアニメもバラエティも報道もあらゆる人に見ていただけるようパワーアップさせます」と強調。

フジは、改編テーマを4月から変えず「一緒に笑えるだけで、しあわせ」に設定。中嶋室長は、7月に放送された『FNS27時間テレビ 日本一たのしい学園祭!』の例を挙げて「世帯の約7割が複数の人で視聴するいわゆる共視聴となっており、そのうちの4割がキッズやティーンの若者というデータがありました」と明かし、引き続き「“共視聴”No.1のテレビ局を目指します」と意気込んでいる。