俳優の大泉洋が、主演を務めるテレビ朝日開局65周年記念ドラマプレミアム『終りに見た街』(21日21:00~)のクランクアップを迎え、コメントを寄せた。

  • 大泉洋=テレビ朝日提供

■主演・大泉洋×脚本・宮藤官九郎『終りに見た街』

戦争体験者の1人として厳しい体験を次世代に伝えることをテーマに脚本執筆され、過去に2度ドラマ化された山田太一氏原作の『終りに見た街』が、約20年の時を経て3度目となるドラマ化。主演・大泉洋×脚本・宮藤官九郎のタッグで令和によみがえる。令和に生きる大泉洋演じるテレビ脚本家・田宮太一の家族が、ある日突然、太平洋戦争真っただ中の昭和19年6月にタイムスリップ。時同じくして過去の世界に迷い込んだ知り合いの父子と共に、過酷な戦時下を懸命に生き抜いていく。吉田羊、奥智哉、當真あみ、今泉雄土哉、勝地涼、三田佳子、そして堤真一が出演し、特別出演には神木隆之介、田辺誠一、塚本高史、西田敏行、橋爪功という豪華なキャストたちが勢ぞろいする。

■大泉洋、吉田羊のサプライズに驚き

大泉は、物語の最重要シーンの撮影をもって、真っ黒な姿でクランクアップの時を迎えた。「ただいまのシーンをもちまして、田宮太一役、大泉洋さん全編終了です!」と声がかかった瞬間、その姿のまま大泉は「やーーーっ!」という声と共に両手を突き上げ、喜びを全身で表現した。そして、「(撮影期間が)1カ月だったとは思えない、2カ月くらい撮影していたような充実した日々でございました」と振り返り、「宮藤さんの脚本も素晴らしく、監督の演出にも大変助けられ、共演者の皆様にも恵まれて、本当に楽しい現場でした」と、この作品に関わったスタッフ、キャスト全員に感謝の思いを伝えた。

ひと足先にクランクアップを迎えていた吉田がサプライズで花束を持って駆けつけると、全く知らなかった大泉は「あーっ! びっくりした!」と驚きを見せ、あまりの大きいリアクションに爆笑が起きる場面も。さらに大泉へのサプライズは続き、挨拶を終えて振り返ると、そこには「祝・大泉洋さんテレ朝初主演ドラマ『終りに見た街』オールアップ!」と書かれた大きな幕が。それを見た大泉は“やや”驚きながら「うれしい!」と喜ぶが、実はこの幕が運び入れられているところを目撃しており、「これを見て見ないふりをするのが、疲れましたよ!(笑)」と苦言も!? 終始笑い声が絶えない、笑顔があふれるクランクアップとなった。

■大泉 洋(田宮太一・役)コメント

(撮影期間が)1カ月だったとは思えない、2カ月くらい撮影していたような充実した日々でございました。宮藤さんの脚本も素晴らしく、戦争を伝えるドラマではありますけど、笑いの要素もあってどこか楽しさもあり、だけどしっかり伝えるところは伝えるという作品になりました。監督の演出にも大変助けられ、納得してお芝居をすることができましたし、共演者の皆様にも恵まれて、本当に楽しい現場でした。撮影は夏場の本当に暑い中でしたが、皆さん本当にお疲れ様でした。

間もなく放送を迎えますが、大変楽しみにしております。素晴らしい作品に参加させていただき、本当にありがとうございました。

【編集部MEMO】
テレビ脚本家・田宮太一(大泉洋)は、代表作はないながらも細々と続けて20年。家庭では家族に疎まれつつも、しっかり者の妻・田宮ひかり(吉田羊)、思春期真っただ中の娘・田宮信子(當真あみ)、反抗期が始まった息子・田宮稔(今泉雄土哉)、そして認知症が出始めた母・田宮清子(三田佳子)と共に、ごくありふれた平穏な日常を送っていた。そんなある日、太一はプロデューサーの寺本真臣(勝地涼)から『終戦80周年記念スペシャルドラマ』の脚本を無茶ぶりされ、断り切れず渋々引き受けることに。戦争当時を知らない太一は、寺本から送られてきた膨大な資料を片っ端から読みふける。いつの間にか寝落ちしてしまった太一は明け方、衝撃音で目を覚ます。すると、自宅の外には森が一面に広がり、見たことのない光景が広がっていた。何が起きているのか理解できず混乱する太一は、外に確かめに行ったところ、そこが太平洋戦争真っただ中の昭和19年6月の世界であることを確信――太一たち家族はタイムスリップしていたのだ。この受け入れがたい事実に一家が騒然としていると、太一の亡き父の戦友の甥・小島敏夫(堤真一)から電話がかかってくる。敏夫もまた、息子の小島新也(奥智哉)と出かけていたところ、昭和19年にタイムスリップしてしまったという。敏夫父子と合流した太一はやや安堵したのも束の間、すぐに戦時下の厳しい現実に直面していくことに。兵士に度々怪しまれる太一たちは、誤魔化しながら何とかその場を凌ぐが、戦争に突き進む日本で生き延びるためには昭和19年の生活に順応せざるを得ない。敏夫は持ち前の人当りの良さですぐに仕事を見つけて前向きに動き、ひかりも針仕事などできることを一生懸命やり始める。そんな中、なかなか現実を受け入れられずに抗っていた太一だったが……。