現役引退会見を行ったヤクルト・青木宣親(撮影=ニッポン放送アナウンサー・大泉健斗)

 「お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。引退しましたって言えば良いんですかね?(笑)2024年のこのシーズンをもちまして引退する事を決意しました」。

 ヤクルトの青木宣親が13日、引退会見を行った。

 青木は引退を決断したのは「最近ですね。シーズン途中から何となく今年で最後かなというのは思っていたんですけど。そんな中でももしかしたらシーズン終盤に考えが変わるかもしれないという、そこの隙間は作っていたんですけど。気持ちも変わらなかったので決断しました」と明かした。

 現役引退を決めた理由については「一番は自分が思った様なパフォーマンスをファンに見せることが出来ないのが一番ですね」とし、「21年間という事を思うと長い様に感じるんですけど、ただ1日1日をやって来たので気付いたら21年やっていたという様な、早く時間が過ぎたような気もしています」と現役生活を振り返った。

 「色んな思いを持ってプレーしていたんですけど家族の支えは大きかったです」と家族に感謝。「妻には早い段階では伝えていたんですけど、娘息子に関しては最近伝えました。やっぱり泣いてましたね。プレーをいつまでも見ていたかったんでしょうし、子供に伝える時が一番辛かったですね」。

 「妻にはいつも支えてもらっていましたし、アメリカに行った6年間は異国なので、大変な思いもしましたし。苦しい時も支えてもらったんで奥さんには感謝しています。子供達の存在も野球をやるにあたって活力になりました。いつまでも現役でやっている姿を見せたかったですね」。

 現役時代に印象に残っていることについては「ワールドシリーズ出たこともそうだし、WBCで優勝した事もそうだし。その中でもヤクルトで日本一になった事ですかね。それが自分の中でも一番心に残っています」と21年の日本一を挙げた。

 「入団した時からヤクルトに居て、ヤクルトに対して愛着があったので。日本一を達成出来て、その時にほぼほぼ自分のやりたい事は達成したなという気持ちもありました」。

 青木は03年ドラフト4位でヤクルトに入団し、2年目の05年にシーズン202安打、打率.344で最多安打、首位打者のタイトルを獲得し新人王を受賞。日本を代表する安打製造機に成長した青木は、3度の首位打者(05、07、10年)、2度の最多安打(05、06年)、2度の最高出塁率(07、09年)、走っても盗塁王(06年)にも輝いた。

 12年から活躍の舞台をメジャーに移し、メジャー通算6年で759試合に出場して、打率.285、33本塁打、219打点、98盗塁。18年からヤクルトに復帰し、チームの精神的支柱として21年と22年のリーグ連覇に貢献した。青木はNPB通算1713試合に出場して、打率.313(6230-1949)、145本塁打、667打点、4000打数以上では通算打率歴代6位の.3128(24年9月12日時点)、日米通算2723安打を記録を残したバットマンは静かにバットを置く。

(取材=ニッポン放送アナウンサー・大泉健斗)