東武鉄道と日立製作所は3日、生体認証を活用したデジタルアイデンティティの共通プラットフォームをさまざまな業種で本格展開すると発表した。2025年度中に指静脈認証のほか顔認証も可能とし、東武東上線の座席指定制列車「TJライナー」などへの導入も視野に入れている。

  • 東武東上線の座席指定制列車「TJライナー」

このサービスの本格展開に合わせ、利用可能な店舗がひと目でわかるように、サービス名称を「SAKULaLa(サクララ)」、公式キャラクターを「サクラッコ&ララガイ」に決定した。4月11日から「東武ストア」3店舗で導入を開始し、カードやスマートフォンを用いることなく手ぶらで買い物が可能に。通常の利用と比較して、決済時間が平均で50%短縮されるなど、利用者だけでなく店舗運営においても利便性の向上を図る。

コンビニ、家電量販店、ショッピングモール、東京スカイツリー、鉄道など、さまざまな業種でも本格展開し、全国の100カ所以上に順次導入する予定。多様な業種で、手ぶらでの決済やポイント獲得などできるようになる。

9月3日から「東京ソラマチ」1階、9月26日から福岡天神の商業施設「ソラリアステージ」(西日本鉄道運営)の催事スペースで実施するポップアップストア、11月には埼玉県越谷・川越エリアの飲食店など約20店舗で利用可能になるという。

2024年度中に東京スカイツリーのオフィシャルショップ、2025年度にJoshin(上新電機)の大阪2店舗、東武東上線の座席指定制列車「TJライナー」でのチケット確認、2026年度に「ファミリーマート」でも導入開始を予定している。

  • 生体認証サービスの名称は「SAKULaLa(サクララ)」に

なお、2025年度に指静脈認証だけでなく顔認証も可能とし、将来的な鉄道改札への導入などさまざまなユースケースを検討する。国内の主要なポイントサービスにも対応する計画で、利用者は手ぶらでさまざまなポイントが獲得可能になるという。