自宅でできる副業の代表格といえる「アフィリエイト」。アフィリエイトに興味を持つ人は多いですが、一方で「どのように収入を得るのか」「副業に向いているのか」と疑問を抱く人もいるようです。そこで今回は、副業でアフィリエイトを行う場合のメリット、デメリットを解説し、アフィリエイトで収益化するまでの流れや稼ぐためのコツもあわせてご紹介します。アフィリエイトが気になっている方は、ぜひ参考にしてください。

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■アフィリエイトはどんな仕組み?

<アフィリエイトの仕組み>

アフィリエイトは、インターネット上で商品やサービスを紹介し、その結果として発生した売上に基づいて報酬を得る仕組みです。

まず、アフィリエイトを行う「アフィリエイター」が自身のウェブサイトやブログ、SNSなどのプラットフォームにおいて、企業の商品やサービスを宣伝します。サイトなどに訪れたユーザーがそこから商品・サービスを購入すると、アフィリエイターは売上の一部を報酬として受け取ることができます。

このアフィリエイトの仕組みを実現するには、アフィリエイターと企業を仲介する「ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)」の存在が欠かせません。ASPは、オンライン通販サイトとアフィリエイトサイトを仲介する役割を担い、アフィリエイトコード付きのアドレス(商品やサービスの販売ページへのリンク)の発行を行っています。

アフィリエイターは、アフィリエイト可能な多くの商品やサービスの中から自分が紹介したいものを見つけ、ASPにてそのリンクを生成することで簡単にアフィリエイトを行うことができるのです。

<アフィリエイトの種類>

ひと口に「アフィリエイト」といっても、アフィリエイトにはいくつかの種類があります。利用するサービスの違いや報酬の得方などによってさまざまな分類ができますが、ここでは「ASPアフィリエイト」「物販アフィリエイト」「SNSアフィリエイト」「Googleアドセンス」の4つのアフィリエイトをご紹介します。

・ASPアフィリエイト

ASPアフィリエイトは、ASPに掲載されている広告主の商品やサービスを紹介するアフィリエイトです。主なASPには、「A8.net」「afb」「バリューコマース」などがあります。

ASPアフィリエイトはアフィリエイトの中で最もメジャーな手法であり、一般的にアフィリエイトと言う場合はASPアフィリエイトを指すことが多いです。

・物販アフィリエイト

物販アフィリエイトとは、商品を販売するオンラインストアやECサイトの商品を紹介し、販売成果に応じて報酬を得るタイプのアフィリエイトです。たとえば、Amazonの「Amazonアソシエイト」や楽天市場の「楽天アフィリエイト」のように、大手ECサイト自体がアフィリエイトサービスを提供しているケースが多く、ASPを通さずにアフィリエイトできるのが一般的です。

ASPアフィリエイトと比べると報酬単価は低い傾向にありますが、取り扱い商品が非常に多く日常生活におけるあらゆる商品が紹介できるため、初心者でも報酬を得やすいという特徴があります。

・SNSアフィリエイト

SNSアフィリエイトは、X(旧Twitter)やInstagram、Youtube、TikTokなどのSNSを利用したアフィリエイトです。SNSにて商品やサービスを紹介し、ユーザーが広告を経由して商品購入などのアクションを起こした場合に報酬が得られます。

SNSアフィリエイトは、ウェブサイトやブログ等で行うアフィリエイトのように検索アルゴリズムの変更による順位変動の影響を受けないのが特徴ですが、SNSのアカウントを育ててフォロワーを増やしていく必要があります。

サイトやブログの記事作成と比べ、投稿に手間がかからない点はSNSアフィリエイトのメリットです。

・Googleアドセンス

Googleアドセンスは、ウェブサイトやブログにGoogleが提供する広告を掲載し、その広告がクリックされるたびに報酬を得る「クリック課金型」の広告システムです。

アドセンス広告の内容は、ユーザーの行動履歴などから最適なものが自動的に表示されるため、ASPアフィリエイトや物販アフィリエイト等を行う時のように、紹介する商品やサービスを自分で選ぶ必要がありません。

広告がクリックされるだけで報酬が発生しますので、アフィリエイトの中では収益化のハードルが低い方法と言われています。その反面、アドセンス広告の平均クリック単価は「20~30円」とされており、大きく稼ぐには大量のアクセスが必要です。

■副業でアフィリエイトを行うメリット4つ

次に、副業でアフィリエイトを行うメリットを4つご紹介します。

1. 少ないコストで始められる

アフィリエイトは他のビジネスと比べ、非常に少ない初期投資で始めることができます。パソコンやインターネット環境のほか、レンタルサーバーを借りて独自ドメインを取得すればひとまず始めることが可能です。

レンタルサーバーは月1,000円前後の費用が発生しますが、独自ドメインはレンタルサーバーと同時に契約することで無料でもらえることも多いです。取得費用がかかったとしても、高くて2,000~3,000円程度、更新費用は年間1,800円~程度とさほど高くはありません。

アフィリエイトは、「あまり費用をかけずに副業を始めたい」という人にもおすすめの方法です。

2.自分の好きなものや趣味の知識を活かせる

「せっかく副業をするなら、自分が好きなことで仕事がしたい」という人もいるでしょう。アフィリエイトは、自分の好きなものや趣味、専門知識を活かすこともできます。

趣味や専門知識を活かせば、情熱を仕事に変えられるだけでなく、信頼性の高い情報源としての地位を築くことも可能です。

3.休日や本業のスキマ時間で作業ができる

アフィリエイトの作業は、休日や平日の帰宅後など時間を問わず行えます。出勤前や通勤時間、昼休みなどのスキマ時間を見つければ、まとまった時間が取れなくても作業を進めることができます。

「本業が忙しくて副業時間が取れない」という人も、スキマ時間の積み重ねで収益化を目指せるのは嬉しいですね。

4.専業アフィリエイターよりリスクが低い

アフィリエイトは魅力的な稼ぎ方ですが、検索アルゴリズムの変更でアクセスが激減する、SNSのアカウントが凍結されるといった突然のアクシデントにより、収益がゼロになってしまうリスクもあります。

しかし、副業で取り組んでいれば、たとえアフィリエイトからの収入がなくなったとしても生活に困ることはありません。アフィリエイトの他にも収入源を持つなど安定して収入が得られるようになるまでは、副業としてアフィリエイトをするのが賢明でしょう。

■副業でアフィリエイトを行うデメリットや注意点4つ

一方で、アフィリエイトにはいくつかのデメリットや注意点があります。どのような点に気を付けるべきなのか確認してみましょう。

1.稼げるようになるまで時間がかかる

アフィリエイトである程度稼げるようになるまでには、時間を要します。運用の技術やライティングスキルなどはすぐに身に付くものではありませんし、検索エンジンからの評価を得るまでには時間がかかるからです。

SNSアフィリエイトの場合も、多くのフォロワーを獲得するまでには同じように時間がかかるでしょう。

アフィリエイトの種類によっては1~2ヶ月程度で少額の収益が発生するものもありますが、早くても4ヶ月〜半年程度で少しずつ成果が現れてくるのが一般的です。十分な金額を稼げるようになるまでには、10ヶ月~1年程度はかかると考えておく必要があり、場合によっては数年かかってようやく稼げるようになる人もいます。

そのため、アフィリエイトは「すぐに副収入が欲しい」と考える人には向かない副業と言えます。

2.検索順位の影響を大きく受ける

アフィリエイトサイトのアクセスの8~9割は、検索経由のアクセスです。そのため、アフィリエイトで稼げるかどうかは検索順位に大きく依存します。自分のサイトが検索上位に表示されれば、多くのアクセスと収益を得るのに有利になります。

しかし、検索エンジンは年に数回程度、大幅なアルゴリズムアップデートが行われるため、そのたびに検索順位が大きく変動するリスクがあります。これまで多くのアクセスと収益を得ていたサイトでも、アップデートによって突然順位を落とし、収益がなくなることも珍しくありません。

検索順位によって収益が大きく増減する点は、アフィリエイトの最大の注意点です。

3.一定以上稼いだら確定申告が必要

副業であっても、アフィリエイトで一定以上稼いだら確定申告をしましょう。アフィリエイトによる収入があるにもかかわらず申告しないままでいたため、後から大きなペナルティを課せられたケースもありますので注意が必要です。

ちなみに、確定申告の義務が生じるのは、アフィリエイトやその他の副業所得の合計が年間20万円を超えたケースです。

4.継続的な努力が欠かせない

アフィリエイトで稼ぐには、SEOやライティングの知識を身に付け、さらに最新のトレンドを知るなど継続的な努力が欠かせません。また、アフィリエイトする商品やサービスに関連する知識の更新も必要です。

アフィリエイトの環境は目まぐるしく変わるため、常にアンテナを張っておくようにしましょう。

■収益を得るまでの流れと稼ぐためのコツ

最後に、アフィリエイトで収益を得るまでの流れと稼ぐためのコツをご紹介します。

<収益を得るまでの流れ>

アフィリエイトサイトで収益を得るまでの大まかな流れは、以下の通りです。

①サイトのジャンルを決める
②レンタルサーバーを借りてサイトを開設する
③決めたジャンルに沿って記事を書く
④ASPに登録する
⑤サイトで紹介する案件の広告を設置する
⑥記事の追加やリライトを続ける

まず、サイトのジャンルを決めることから始めます。ターゲットとするユーザー層や自身の興味・専門知識に基づいて決めましょう。レンタルサーバーを借りサイトを立ち上げたら、決めたジャンルに沿って記事を書きます。

また、ASPに登録してサイトで紹介する商品やサービスの広告を設置しましょう。その後は記事の追加や、すでに投稿した記事を書き直す「リライト」も大切です。さらに、質の高いコンテンツをそろえるだけでなく、広告の位置や内部リンクなども改善してより良いウェブサイトを目指しましょう。

このような作業を続ける中で、うまくいけば3~4ヶ月程度で少額の収益が発生することもあります。アフィリエイトは稼げるようになるまで時間がかかるものですので、結果を急がず地道に作業をしていきましょう。

<アフィリエイトで稼ぐコツ>

1.自分が詳しいものからジャンルを選ぶ

アフィリエイトで稼ぐため、「儲かるジャンル」からサイトのジャンルを決める人もいますが、実際は、そのジャンルに対する深い知識や興味のほうが重要です。仕事で関わったことがある分野や知識・興味のある分野からジャンルを選んだほうが、より質の高い内容のサイトが構築できます。

それに、アフィリエイトで稼ぐには継続が必要ですが、興味のないジャンルでサイトを作っていくとモチベーションが維持できず、作業が続かないこともあります。サイトのジャンルは、自分が詳しいものや長い時間触れるのが苦ではないものから選びましょう。

2.内部SEOを意識したサイト構造にする

アフィリエイトで稼ぐには検索エンジンからのユーザーを確保することが重要で、そのためにはサイトが検索上位に表示される必要があります。検索上位を目指すには、巡回している検索エンジンのクローラーが効率良く情報を取得できるようなサイト構造、いわゆる内部SEOを意識しましょう。

闇雲に記事を入れるのではなく、あらかじめ内部SEOを考えてサイトを構成していくと、成果が現れるのも早くなります。

3.ユーザーのためになる有益な情報を提供する

ユーザーのためになる有益な情報をわかりやすく提供することは、訪問者やリピーターを増やすために不可欠です。メディアを運営していると、自分が発信したい情報もあるかもしれませんが、それ以上にユーザーが何を求めているのかを探り、それに応えられるようなサイトを目指しましょう。

4.新しい情報を掲載する

まだウェブ上に少ない新しい情報は伸びしろが大きく、将来的に多くの新規ユーザーを獲得できる可能性があります。新しい名称や単語などは競争率が低く、検索上位に表示されやすいため、積極的に掲載するようにしましょう。

■アフィリエイトは努力も必要だが、魅力ある稼ぎ方

アフィリエイトは時間や場所を選ばず取り組むことができ、将来的には少ない作業で多くの収益が得られる可能性もある、魅力ある稼ぎ方です。一方、アフィリエイトで稼ぐには継続的な情報収集や勉強など努力も欠かせません。一定以上の収益が出た場合、確定申告も忘れずに行いましょう。