京楽産業ホールディングスと「使えるAI」を提供するAIインテグレーターのGlobal Walkersは、 昨今の電子マンガ・アニメーション制作の現場におけるさらなる人材需要の拡大と今後の世界のマンガ・アニメコンテンツ産業の発展に寄与するべく、オフショアを活用した共同事業を開始した。
●共同事業でオフショアの制作スタジオを構築
Global Walkersと京楽産業HDは共同で、電子マンガ・アニメーションの着彩作業を中心とする制作専門の制作スタジオをオフショアにて立ち上げた。電子マンガやアニメーションの制作工程では繊細な作業が求められ、特に1枚1枚の線画に色を塗る「着彩工程」では、膨大な作業時間が必要とされる。
そこで、Global Walkersの持つオフショアでの事業展開のノウハウと、京楽産業HDの電子マンガ・アニメコンテンツの事業ノウハウを融合し、現地拠点で専門人材を採用、電子マンガ・アニメーションの制作における着彩工程専門の制作スタジオを開設。当スタジオでは専門人材が多数在籍しており、電子マンガでは1カ月当たり6,000コマ以上、アニメーションでは1カ月当たり20,000枚以上の生産能力を有している。本共同事業では継続的な生産体制の拡大を予定しており、2024年中には電子マンガでは1カ月当たり12,000コマ以上、アニメーションでは1カ月あたり40,000枚以上の生産ができる体制を構築する予定となっている。
日本のマンガ・アニメーション産業では世界と比較しても高いクオリティーが求められるため、京楽産業HDが利用権をもつマンガコンテンツ・アニメーションの実素材を用いて、日本人のイラストレーション専門技術者の指導のもと、当スタジオにおいて人材育成を実施しており、日本人の持つ細かなニュアンスや制作過程のルール、専門ツールの効率的な使用方法などをOJTを通じて教育。両社による高度な専門教育と専門人材の継続的な採用を通じて、着彩工程に留まらず、線画や背景、撮影工程への対応も2024年中の開始を目指している。
なお、同制作スタジオでは、電子マンガ・イラスト・アニメーションの3つのコンテンツを柱に、出版物向けとアニメーション向けの2つのサービスリリースを2024年7月1日より開始。「出版物向けサービス」では電子マンガのほか、イラスト制作やWebコンテンツ制作などの着彩工程を支援。一方、「アニメーション向けサービス」では TV/配信アニメーションや、アニメーションCM、MV/PVなどの着彩工程を支援し、それぞれ指定の注文内容に基づき、コンテンツの背景やキャラクターを着彩し、彩色データを作成、高品質のデータを納品する。
日本のマンガ・アニメは現在世界を代表する人気コンテンツとなり、日本を誇る産業として成長を続けている。特に制作の現場に着目するとマンガ・アニメ制作がより一層加熱しており、制作現場を支えるより多くの専門人材の需要が高まっている。その一方で発展途上国を代表とするオフショア拠点では、若者を中心として慢性的な雇用問題を抱えており、失業率の上昇が深刻化している。そんな中、コロナ禍以降、日本のマンガ・アニメ文化は発展途上国でも人気が高まっており、イラスト制作やマンガ・アニメ制作に携わりたいと考える若者も少なくない。
Global Walkersと京楽産業HDは、このような日本のマンガ・アニメ産業の需要と発展途上国を支援するSDGsの枠組みを念頭に、これらの課題を解決できるよう事業の拡大と推進を推し進めて行きたいとしている。