高校野球の”最強校”だが…プロ野球の世界で苦しむ大阪桐蔭出身の選手6人

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 現在、全国屈指の名門といっても過言ではない大阪桐蔭高。今夏の甲子園では2回戦で姿を消したが、プロで活躍する選手を多く輩出している高校だ。その一方、大阪桐蔭高でエースやクリーンナップを務めた実績がありながら、プロでは鳴かず飛ばずの選手も少なくない。ここでは、プロで苦しむ大阪桐蔭出身の選手を紹介する。
 

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仲三河優太

投打:右投左打
身長/体重:180cm/90kg
生年月日:2002年10月22日
経歴:大阪桐蔭高
ドラフト:2020年ドラフト7位
 
 強肩強打の外野手として期待されている仲三河優太。しかし、現在まで一軍出場には至っていない。
 
 大阪桐蔭高に投手として入学した仲三河は、1年時からベンチ入り。だが、1年時に右肩痛を発症した影響で、野手に転向した。
 

 
 2年夏の大阪府大会では右翼を守り、仲三河は同大会で打率.429(14打数6安打)を記録。ただ、チームは準々決勝で金光大阪に3-4で敗れ、甲子園には届かなかった。
 
 3年時は新型コロナウイルスの影響で、春・夏ともに甲子園は中止。それでも、同夏に行われた甲子園高校野球交流試合で初めて甲子園の土を踏んだ仲三河は、東海大相模(神奈川)との試合で代打ヒットを放った。
 
 その後、仲三河は持ち前の打撃を評価され、ドラフト7位で埼玉西武ライオンズに入団。しかし、プロ入り後はファームでも苦しんでいる。
 
 高卒2年目はファームで47試合に出場し、9本塁打を放ったものの、打率は.188という数字に。高卒3年目の昨季はファームでも11試合の出場にとどまり、同オフには戦力外通告を受け、育成選手となった。
 
 育成選手として迎えた今季も、ファームで打率.156にとどまっている。支配下復帰を果たすためには、打撃でアピールするしかない。






柿木蓮

投打:右投右打
身長/体重:181cm/87kg
生年月日:2000年6月25日
経歴:大阪桐蔭高
ドラフト:2018年ドラフト5位
 
 大阪桐蔭高で春夏連覇した2018年、背番号「1」を背負っていた柿木蓮。だが、プロの世界では苦しんでいる。
 
 根尾昂(現:中日)や藤原恭大(現:ロッテ)などと同じ世代で、甲子園に4回出場した柿木。ただ、3年春のセンバツでは背番号「1」を背負って優勝を果たしたものの、決勝のマウンドは根尾に譲るなど、悔しい大会となった。
 

 
 そんな柿木が大活躍したのは、同夏の甲子園。1回戦の作新学院(栃木)との試合で9回1失点完投勝利を収めると、準決勝の済美(愛媛)との一戦では9回2失点(自責1)完投勝利を記録した。
 
 運命の決勝・金足農(秋田)との試合でも柿木の投球は冴え渡り、9回2失点完投。見事に優勝投手となり、チームを春夏連覇に導く立役者となった。
 
 その後、柿木はU-18の日本代表にも選出され、ドラフト5位で北海道日本ハムファイターズに入団した。
 
 プロ入り後の3年間はファームで実戦経験を積み、プロ4年目の6月11日・中日戦でプロ初登板。しかし、同年オフに戦力外通告を受け、育成落ちとなった。
 
 昨季はリリーフとして二軍で33試合に登板し、防御率2.21をマークしたが支配下復帰とはならず。今季も二軍で好投を見せているが、支配下には至っていない。
 
 2018年夏の甲子園の優勝投手が、窮地に立たされている。






根尾昂

投打:右投左打
身長/体重:177cm/84kg
生年月日:2000年4月19日
経歴:大阪桐蔭高
ドラフト:2018年ドラフト1位
 
 大阪桐蔭高で、投打に渡る活躍を見せた根尾昂。大いに将来を期待されてプロ入りしたが、現在までは不本意な数字に終わっている。
 
 1年時からベンチ入りした根尾は、甲子園に4回出場した。2年春に初の甲子園を経験すると、2年生ながらも内外野、さらには投手も務め、胴上げ投手に輝いた。
 

 
 3年春の甲子園では、打者として打率.500(18打数9安打)、8打点をマーク。投手としては26イニングを投げて防御率1.04を記録し、同大会の優勝に貢献。2年連続の胴上げ投手にも輝いた。
 
 すると同夏の甲子園にも出場し、この大会では打者としての活躍が光った。投手としては13イニングを投げて防御率4.15だったが、打者としては打率.429(21打数9安打)、3本塁打、5打点をマーク。史上初となる2度目の春夏連覇に大きく貢献した。
 
 その後、ドラフト会議で4球団から1位指名を受けた根尾は、競合の末に中日ドラゴンズへ入団した。
 
 しかし、プロ入り後は遊撃一本で勝負した根尾だが、打者として結果は出せなかった。2021年にはプロ初本塁打をマークしたものの、同年は72試合の出場で打率.178という結果に。
 
 そんな中、2022年6月から投手に転向すると、同年は25試合の登板で防御率3.41とまずまずの数字を記録。しかし、29イニング投げて与四死球15と制球に課題を残した。
 
 今季も課題のコントロールに苦しんでいる根尾。今月4日の広島戦で今季初先発した際には3回6失点(自責5)という結果に終わり、現在はファーム調整となっている。
 
 今後、根尾はプロの世界で才能を開花させることはできるのだろうか。







中田惟斗

投打:右投右打
身長/体重:182cm/92kg
生年月日:2001年9月13日
経歴:大阪桐蔭高
ドラフト:2019年育成選手ドラフト3位
 
 大阪桐蔭高でエースナンバーを背負った中田惟斗も、育成選手として苦しい立場になっている。
 
 中田は、大阪桐蔭高で1年時からベンチ入り。3年夏の大阪府大会ではエースナンバーを背負った。
 

 
 しかし、準々決勝で延長14回を投げ切ったが、チームは金光大阪に3-4のサヨナラ負け。中田は一度も甲子園を経験することなく、高校野球を終えた。
 
 それでも、育成ドラフト3位でオリックス・バファローズから指名を受けた中田。育成枠でありながらも、プロへの切符を手にした。
 
 だが、高卒5年目を迎えた現在まで支配下契約には至っていない。高卒1年目はファームで21試合に登板したが、高卒2年目は4月に右腓骨を骨折。同年はファームでも10試合の登板にとどまった。
 
 昨季は2月に右肘のクリーニング手術を受けながらも、ファームで19試合に登板し、防御率3.66とまずまずの数字を記録。
 
 飛躍を果たしたい今季だったが、ファームで防御率6点台となっており、制球にも苦しんでいる。
 
 投手層の厚いチームだけに、このまま埋もれかねない状況だ。







福田光輝

投打:右投左打
身長/体重:176cm/80kg
生年月日:1997年11月16日
経歴:大阪桐蔭高 - 法政大
ドラフト:2019年ドラフト5位
 
 大阪桐蔭高で、3回甲子園に出場した福田光輝。内野のユーティリティー性は光るが、一軍定着には至っていない。
 
 2013年夏の甲子園では、1年生ながらベンチ入り。1回戦の日本文理(新潟)との試合では代打で出場し、四球を選んだ。
 

 
 すると2年夏にも甲子園の土を踏み、甲子園優勝を経験。全6試合で「8番・遊撃」としてスタメン出場した。同大会で福田は打率.150(20打数3安打)、3打点と打撃では苦しんだが、持ち前の守備力で全国制覇に貢献した。
 
 3年春にも甲子園に出場し、同大会でも打率.231(13打数3安打)と苦しんだが、準々決勝の常総学院(茨城)との試合ではホームランを放った。その後、チームは同夏の甲子園出場を逃し、福田は東京六大学リーグの法政大に進学した。
 
 法政大では1年春からベンチ入りし、4年秋には打率.354をマーク。ドラフト会議では自慢の守備力なども評価され、ドラフト5位で千葉ロッテマリーンズに入団した。
 
 だが、プロ入り後は目立つ成績を残せていない。ルーキーイヤーから一軍出場はしたが、翌2021年は一軍出場なしという結果に。
 
 昨季のシーズン開幕前には、西村天裕とのトレードで北海道日本ハムファイターズに移籍。同年にはプロ初本塁打を放ったが、一軍では24試合の出場で打率.175、2本塁打、7打点に終わった。
 
 今季は一軍で打率.357(14打数5安打)を記録していたが、現在はファーム降格となっている福田。課題の打撃で結果を残せなければ、立場はより厳しくなりそうだ。







香月一也
投打:右投左打
身長/体重:176cm/83kg
生年月日:1996年4月16日
経歴:大阪桐蔭高
ドラフト:2014年ドラフト5位
 
 大阪桐蔭高のクリーンナップとして活躍した香月一也。今季でプロ10年目となるが、未だに一軍での活躍はできていない。
 
 大阪桐蔭高では、夏の甲子園に2回出場。2年夏の甲子園では二塁手として出場し、打率.455(11打数5安打)と打撃力の高さを発揮した。しかし、チームは3回戦敗退となり、悔しい大会となった。
 

 
 そんな中、3年夏も甲子園出場を果たすと、チームは全国制覇を達成。香月は同大会の全6試合で「3番・三塁」でスタメン出場し、打率.444(27打数12安打)、1本塁打、10打点と優勝に大きく貢献した。
 
 その後、U-18の日本代表にも選出された香月。迎えたドラフト会議では千葉ロッテマリーンズから5位指名を受け、プロ入りを果たした。
 
しかし、プロ入り後は打撃が沈黙した。高卒5年目にはプロ初本塁打を記録したが、同年も26試合の出場で打率.152、1本塁打、3打点と振るわず。
 
 翌2020年9月には澤村拓一とのトレードで、読売ジャイアンツに移籍。すると、2021年には39試合に出場し、打率.203ながらも3本塁打、6打点をマークした。だが、きっかけを掴むことはできず、昨オフには戦力外となった。
 
 今季からは育成選手としてオリックス・バファローズでプレーしているが、ファームでも打率は2割台前半。果たして、ここから巻き返すことはできるのだろうか。



 


 

 
【了】