「仁義なき戦い」シリーズを見る順番は? あらすじやキャストも紹介

東映の実録ヤクザ映画を代表する「仁義なき戦い」シリーズは、1973年からスタートし、2003年までに全11作品が制作された人気シリーズです。特に知られているのは、深作欣二監督と菅原文太の主演による8作品でしょう。主に広島・呉を舞台に、組織の思惑や利権の渦巻く非情な極道の世界で自らの信念に従って生きる男の生きざまを、菅原文太が荒々しく表現しています。

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本記事では、この映画「仁義なき戦い」シリーズを見る順番を公開順と時系列含めてご紹介します。興味はあるけれど、どの作品から見ればいいかわからないという方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

「仁義なき戦い」シリーズを見る順番

「仁義なき戦い」シリーズの見る順番を理解するにあたり、まずはシリーズの公開順と時系列を把握しておきましょう。

「仁義なき戦い」シリーズの公開順

1. 『仁義なき戦い』(1973)
2. 『仁義なき戦い 広島死闘篇』(1973)
3. 『仁義なき戦い 代理戦争』(1973)
4. 『仁義なき戦い 頂上作戦』(1974)
5. 『仁義なき戦い 完結篇』(1974)
6. 『新仁義なき戦い』(1974)
7. 『新仁義なき戦い 組長の首』(1975)
8. 『新仁義なき戦い 組長最後の日』(1976)
9. 『その後の仁義なき戦い』(1979)
10. 『新・仁義なき戦い。』(2000)
11. 『新 仁義なき戦い/謀殺』(2003)

「仁義なき戦い」シリーズの公開順は、上記のようになっています。深作欣二監督×菅原文太によるオリジナル5部作(1973～1974)のあと、同じ深作欣二監督×菅原文太のコンビながらも、主人公が変更となった深作新シリーズ3部作(1974～1976)が公開されました。その後、1979年に番外編とも言える工藤栄一監督作『その後の仁義なき戦い』が公開されています。

それから約20年の時を経て、2000年に制作された阪本順治監督による『新・仁義なき戦い。』は、2000年当時の大阪を舞台としたリメイク版です。続く2003年の橋本一監督による『新 仁義なき戦い/謀殺』は、前作『新・仁義なき戦い。』の後の時代を描いていますが、同じ佐橋組という組織配下の組の物語ではあるものの、登場人物には関連がありません。

「仁義なき戦い」シリーズの時系列順

続いて時系列は以下の通りです。

1. 『仁義なき戦い』
2. 『仁義なき戦い 広島死闘篇』
3. 『新仁義なき戦い』
4. 『仁義なき戦い 代理戦争』
5. 『仁義なき戦い 頂上作戦』
6. 『仁義なき戦い 完結篇』
7. 『新仁義なき戦い 組長の首』
8. 『新仁義なき戦い 組長最後の日』
9. 『その後の仁義なき戦い』
10. 『新・仁義なき戦い。』
11. 『新 仁義なき戦い/謀殺』

深作欣二監督による「仁義なき戦い」シリーズは、終戦から約30年もの間、実際に続いた「広島ヤクザ戦争」を描いた物語です。オリジナル5部作と深作新シリーズ1作目は、同じ時代の広島ヤクザの抗争を別の視点から描いたものとなります。

そのため、昭和33年が主な舞台となる新シリーズの1作目『新仁義なき戦い』は、オリジナルの第2作と第3作の間に起こった出来事です。新シリーズの2作目・3作目は、広島ではなく九州が主な舞台となっています。

「仁義なき戦い」シリーズを見るおすすめの順番

公開順と時系列を踏まえたうえで、「仁義なき戦い」シリーズは、以下の公開順で見ることをおすすめします。

1. 『仁義なき戦い』(1973)
2. 『仁義なき戦い 広島死闘篇』(1973)
3. 『仁義なき戦い 代理戦争』(1973)
4. 『仁義なき戦い 頂上作戦』(1974)
5. 『仁義なき戦い 完結篇』(1974)
6. 『新仁義なき戦い』(1974)
7. 『新仁義なき戦い 組長の首』(1975)
8. 『新仁義なき戦い 組長最後の日』(1976)
9. 『その後の仁義なき戦い』(1979)
10. 『新・仁義なき戦い。』(2000)
11. 『新 仁義なき戦い/謀殺』(2003)

「仁義なき戦い」シリーズは、菅原文太演じる主人公を中心とした、ヤクザたちの覇権争いと裏切りの歴史を描いた物語です。オリジナル5部作と深作新シリーズ3部作では、主演の菅原文太が別のキャラクターを演じています。そのため、深作新シリーズ3部作を見るのはオリジナル5部作を通しで見たあとにした方がいいでしょう。

「仁義なき戦い」シリーズのあらすじ・キャスト一覧

ここからは「仁義なき戦い」シリーズのあらすじやキャストを紹介していきます。

『仁義なき戦い』

あらすじ

終戦直後、復員してから広島県呉市で暮らしていた広能昌三(菅原文太)は、その度胸のよさを山守組組長・山守義雄に気に入られ、極道の山守組の若衆となる。まだ弱小だった山守組は、敵対する土居組組長の暗殺を企てていた。実行犯に名乗り出た広能は土居組長の暗殺に成功するが、逆に山守組長から邪魔者扱いを受けるように。土居組は崩壊し、山守組は勢力を伸ばしていくが、山守組の幹部は山守組長の画策により、次々と命を落としていく……。

『仁義なき戦い 広島死闘篇』

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あらすじ

昭和25年、復員兵の山中正治は、村岡組の若衆となる。しかし組長の姪である靖子と男女の関係になったことから組長の逆鱗に触れ、九州へ逃げることに。そこで世話になっていた組と対立する和田組組長の暗殺に成功したことから、極道として名を上げた。その頃、広島市で博徒大友組を結成した大友勝利は、広島で村岡組を襲い、勢力を伸ばしていく。山中は大友組を片づけるように命じられ、大友組組員を3名射殺するも、警察に逮捕されてしまう。独立し、呉で広能組を起こしていた広能昌三(菅原文太)も、広島の争いに巻き込まれていき……。

『仁義なき戦い 代理戦争』

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あらすじ

昭和35年、広島市最大の暴力団・村岡組の跡目候補だった杉原文雄が殺され、その席をめぐり関係者たちが画策を始める。呉の山守組組長・山守義雄も、村岡組の跡目を目指しており、そのために村岡組に顔が利く広能昌三(菅原文太)を山守組に呼び戻した。やがて山守は村岡組の跡を継ぐこととなり、山守組は広島最大の組となる。しかし、村岡組の跡目を目指していた打本昇が、神戸の大組織・明石組を頼ったことから、山守は明石組と敵対する神和会と兄弟盃を交わすことに。山守組と神和会、そして明石組の板挟みとなった広能昌三は、山守から破門状を受け取る。時は昭和38年5月、広島を舞台にした明石組と神和会による広島代理戦争の火蓋が切って落とされる……。

『仁義なき戦い 頂上作戦』

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あらすじ

昭和38年、西日本の広域暴力団・明石組と、神和会の敵対は深まり、代理戦争とも言える広島の広能組・打本会連合と山守組の抗争は激化の一途をたどっていた。警察は暴力団撲滅運動に乗り出す。広能組の組員が殺されたことで、山守組への報復を計画していた広能昌三(菅原文太)は別件で逮捕され、広能組を支援していた義西会の岡島も射殺されてしまう。義西会の組員はその報復のため、山守組事務所をダイナマイトで爆発させるなど、各地で争いが広がっていた。警察は「頂上作戦」と銘打ち、山守、打本ら組長たちの一斉検挙に乗り出すが……。

『仁義なき戦い 完結篇』

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あらすじ

警察の頂上作戦により広島のヤクザ組織の幹部の多くが逮捕され、その勢力図は変化していた。山守組はヤクザ色を薄めるために、近隣の組織に呼びかけて政治結社「天政会」を結成する。しかし、昭和41年の春に二代目会長の武田が逮捕され、三代目候補となった松村に反発する動きが天政会内部で広がっていた。その頃、網走刑務所に収監された広能昌三(菅原文太)は、獄中で過去の広島・呉のヤクザ間で起きた抗争の手記を執筆していたが、7年ぶりに出所する。その後、広能組は天政会の傘下に入ることになるが……。

『新仁義なき戦い』

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あらすじ

昭和25年、広島県呉市にある暴力団・山守組組員である三好万亀夫(菅原文太)は、対立組織の組長を襲撃し、服役することとなる。その後、山守組では組長の山守義雄と若頭・青木尚武が対立を深め、それぞれに三好を取り込もうと画策していた。昭和34年に仮出所した三好は、組内部の対立と、幹部たちがそれぞれに自分を利用しようとするその姿勢に嫌気がさすようになる。やがて、山守が配下の坂上に青木の暗殺命令を出し、三好は坂上の暗殺実行を支援することになるが……。

『新仁義なき戦い 組長の首』

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あらすじ

古くから覚醒剤などの密輸品の玄関口となっていた関門海峡では、その莫大な利権をめぐり、大和田組と共栄会の組織が対立していた。昭和43年、流れ者の黒田修次(菅原文太)は大和田組の幹部で友人の楠鉄弥のために共栄会会長の正木巌を殺し、服役することに。7年後、仮出所した黒田は楠を訪ねるが、楠は薬物中毒となっていた。黒田と楠は大和田組に懲役慰労金として500万円を要求するが、大和田組は金を出そうとせず、楠を破門にしてしまう……。

『新仁義なき戦い 組長最後の日』

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あらすじ

日本最強最大と言われる大阪の暴力団・坂本組と九州の玄竜会を後ろ盾とする尼崎の河原組の間で抗争が勃発。坂本組系・米元組々員の中道が河原組に殴り込みをかけて拳銃を乱射し、河原組も報復に出ていた。玄竜会系組織である北九州市の岩木組の若頭である野崎修一(菅原文太)は、たった一人の妹・麻美を中道に嫁がせていたため、微妙な立場に陥る。さらに、岩木組組長が米元の命令で暗殺されたことから、野崎は報復の計画を立てた。その後、組織同士の和解協定が結ばれるが、野崎の立てた計画が思わぬところから動き出し、抗争が始まっていく……。

『その後の仁義なき戦い』

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あらすじ

大阪・朝倉組系津川組の若衆・相羽年男(根津甚八)は、行儀見習いとして北九州の竜野組からやって来ていた根岸昇治(宇崎竜童)、水沼啓一(松崎しげる)と意気投合。3人は親友となる。年男は昇治の妹である明子と恋に落ち、婚約することに。しかし組織の思惑により竜野組は組織ごと破門されてしまう。やがて年男に、竜野組組長の暗殺を手引きするように命令が下る。昇治と啓一を裏切り、暗殺を成功させた年男は竜野組に捕まり殺されかけるが、明子のとりなしで命だけは助けられた。やがて年男と明子は大阪でともに暮らしはじめるが……。

『新・仁義なき戦い。』

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あらすじ

大阪の貧しい街で育った幼なじみの門谷甲子男(豊川悦司)と栃野昌龍(布袋寅泰)。かつてはなんでも分け合う親友だった2人だが、時を経て疎遠に。門谷は暴力団の佐橋組系粟野組の幹部に、在日韓国人の栃野は、日本でのビジネスを隠れミノにしながら、半島に送金する地下銀行を運営するコリアン実業家となっていた。あるとき、佐橋組組長が急逝。門谷の親分である粟野と、若手の実力派・中平による跡目争いが始まる。中平は、資金と半島とのパイプを持つ栃野を取り込もうと画策していた。かくして、久しぶりに再会した栃野と門谷は、抗争に巻き込まれていく……。

『新 仁義なき戦い/謀殺』

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あらすじ

西日本最大の暴力団・佐橋組は、若返りをはかっていた。本家の意向を汲み、大阪で活動する佐橋組系の尾田組組長も引退を表明。尾田組の若頭補佐・矢萩徹幸(高橋克典)は、同じく若頭補佐で兄弟分の武闘派・藤巻寛明(渡辺謙)を次期組長に推すが、老獪な尾田は自身の言うなりになる三番手・佐奈田恒を跡目に指定する。反発した藤巻は利権を求めて名古屋に進出。名古屋の竜紋会、そしてその背後に控える関東の道明会との争いに巻き込まれていく。矢萩は事態を収拾しようと奔走するが……。

「仁義なき戦い」シリーズを視聴できる動画配信サービス

「仁義なき戦い」シリーズを初めて見るという方や、前に見たことはあるけれど、一気に見直したいという方は、定額制の動画配信サービスで視聴するのがよいでしょう。

2024年8月時点で「仁義なき戦い」シリーズが見られる主な動画配信サービスとしては以下があります。

Amazon・プライム・ビデオ

• 『仁義なき戦い』(レンタル もしくは 東映オンデマンド登録)
• 『仁義なき戦い 広島死闘篇』(レンタル もしくは 東映オンデマンド登録)
• 『仁義なき戦い 代理戦争』(レンタル もしくは 東映オンデマンド登録)
• 『仁義なき戦い 頂上作戦』(レンタル もしくは 東映オンデマンド登録)
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• 『新・仁義なき戦い。』(レンタル もしくは 東映オンデマンド登録)
• 『新 仁義なき戦い/謀殺』(レンタル もしくは 東映オンデマンド登録)

Hulu

• 『仁義なき戦い』
• 『仁義なき戦い 広島死闘篇』
• 『仁義なき戦い 代理戦争』
• 『仁義なき戦い 頂上作戦』
• 『仁義なき戦い 完結篇』
• 『新仁義なき戦い』
• 『新仁義なき戦い 組長の首』
• 『新仁義なき戦い 組長最後の日』
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• 『新・仁義なき戦い。』
• 『新 仁義なき戦い/謀殺』

Netflix

• 『仁義なき戦い』
• 『仁義なき戦い 広島死闘篇』
• 『仁義なき戦い 代理戦争』
• 『仁義なき戦い 頂上作戦』
• 『仁義なき戦い 完結篇』

U-NEXT

• 『仁義なき戦い』
• 『仁義なき戦い 広島死闘篇』
• 『仁義なき戦い 代理戦争』
• 『仁義なき戦い 頂上作戦』
• 『仁義なき戦い 完結篇』
• 『新仁義なき戦い』
• 『新仁義なき戦い 組長の首』
• 『新仁義なき戦い 組長最後の日』
• 『その後の仁義なき戦い』
• 『新・仁義なき戦い。』
• 『新 仁義なき戦い/謀殺』

「仁義なき戦い」シリーズは、Amazon・プライム・ビデオでレンタルもしくは東映オンデマンドに登録するか、Hulu、U-NEXTに登録すれば、全作品を見ることができます。また、Netflixではオリジナル5部作のみ視聴可能です。お好きなサービスをお選びください。

「仁義なき戦い」シリーズの見る順番やあらすじを紹介しました

「仁義なき戦い」シリーズは、1973年からスタートした東映ヤクザ映画を代表する人気シリーズです。深作欣二監督と菅原文太によるタッグで8作品が制作され、その後も監督や主演が交代しながら3作品が作られました。

オリジナル5部作(1973～1974)では、菅原文太はすべて広能昌三というキャラクターとして登場していますが、深作新シリーズ3部作では、菅原文太は各作品で違うキャラクターを演じています。また、東映所属の俳優たちが多く出演しており、松方弘樹、田中邦衛、渡瀬恒彦、伊吹吾郎、成田三樹夫といった俳優たちは、作品ごとに違うキャラクターとなって登場しているという特徴もあります。

この「仁義なき戦い」シリーズは、音楽でも有名です。津島利章が手がけたテーマ曲は、今でも多くのテレビ番組で使用されており、誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。また、2000年の『新・仁義なき戦い。』で布袋寅泰が制作したテーマ曲は、クエンティン・タランティーノの映画『キル・ビル』に使われるなど、高く評価されています。

各人の思惑が渦巻く非情な極道の世界のなかで、自らの信念に従って戦う男の生きざまを描くこの「仁義なき戦い」シリーズは、公開時から50年を経ても色褪せないギラギラした魅力に満ちています。勢いをつけたいときや戦闘力を上げたいときなどに見れば、広島弁でタンカを切りたくなってしまうかも。

教科書ではわからない、戦後日本の裏社会を知ることができる、貴重な本シリーズ。この機会に、ぜひ全シリーズを通してみてはいかがでしょうか。

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