「先生だって人間だ」と感じる瞬間は?

北村アナ:今作では、生田さん演じるりおが「先生だって人間だ」と叫ぶシーンがありますが。

生田:教室の中での姿だけではなく、家族や恋人といるプライベートな姿も描かれているので、赤裸々に愚痴を吐くシーンもたくさんあるんです。

北村アナ:先生方が、「先生だって人間だ」と感じるのはどんなときですか。

宇田川先生:「今日の授業、分からなかった!」と言われると、頭の中でその言葉が1週間ぐらいぐるぐるしちゃいます(笑)。素直でピュアな生徒が多いので、教師はそういった言葉で傷つかないと思っているというか。

生田:悪気がないんですね。

宇田川先生:悪気がないからこそ、その言葉を受け止めてしっかり改善していこうと励みにもなるのですが……その夜だけは、熱いシャワーを浴びて忘れようとします(笑)

生田:引きずりますね。

北村アナ:お二人もうなずきながら聞いていましたが。

本間先生:だんだん生徒の顔が曇ってくると、私の説明が分かりにくくてごめんなさいと心の中で謝りますし、私の授業が良くなかったということなので、同じく引きずります。

北村アナ:生徒からかけられた言葉を乗り越えるために、生田さんならどうしますか。

生田:自分に置き換えて考えてみますね。出演したドラマを「面白くなかった」と言われたり、ライブを「つまらなかった!」と言われたら……一生引きずります!(笑)でも、見てくださる方に喜んでもらいたくてお仕事しているので、「なにくそー!」と思いつつも、最終的には、より頑張ろうというエネルギーに変換されるかもしれません。今、話を聞いていると、本当に教師の皆さんはメンタルとの戦いなんだろうなと。ちなみに、熱いシャワーではないですが、何かうまくいかなかったときに、汗を流したくなるのは分かります。物理的に体の外に出したいというか。私もすごく辛いラーメンを食べるので。

宇田川先生:僕も辛いの、食べますね……。

生田:食べますか!? 一緒だ! 共通点があってうれしいです。

教師という職業の魅力は?

北村アナ:続いて、教師という職業の魅力を教えてください。

本間先生:終わりがないことです。何を勉強していても、生徒と一緒に取り組んでも、完成がないというか。毎日、仕事が全部終わって帰ることがないんですよね。だからこそ、向上心を持って続けてられるのかなと思います。

生田:かっこいい!

宇田川先生:僕の目標は、「誰かの記憶に残るような人間になること」。多くの生徒が、人生の選択をする、人生の岐路に立つ時期に関われるお仕事だということが、大きな魅力だと感じています。

山本先生:私が担当している数学は、苦手な生徒が多い教科なのですが、生徒ができるようになったときはうれしいですね。顧問をしている部活でも、大会で結果を残せなかったとしても、そこまで頑張っていた過程を見続けられたことが大きな喜びです。

教師を目指す人へ伝えたいことは?

北村アナ:では最後に、これから教師を目指す人へ伝えたいことを教えてください。

本間先生:教師になりたいと思った気持ちを、信じてほしいと思います。自分を信じて教師を目指し、教師を続けてほしいです。

宇田川先生:生徒の「楽しかった」、「このクラス、最高だった」という言葉は、一生、心に残ります。生徒の大切な時間に立ち会える素敵な職業なので、一緒にこんな気持ちを味わえたらうれしいです。

山本先生:教師を目指す中で悩むことがあると思いますし、教師になってからも、想像とのギャップでつらいと感じることもあると思うのですが、私は、いつも生徒の笑顔を見ると、教師になって良かったなと感じています。生徒の学校生活を卒業まで見届けられるお仕事の素晴らしさを想像しながら、教師を目指してほしいと思います。

生田:ありがとうございました。リアルな先生方の声を聞けてたくさん発見がありましたし、勉強を教えるだけではなく、生徒たちの心と向き合うことが、教師の大事な役割なんだなと実感できました。いろいろなことを抱えながらも、きっと生徒の前では笑顔で、こんな教師でありたいと理想に向かって日々踏ん張ってらっしゃる先生たちの思いを、少しでもドラマで表現できるよう頑張ります。

  • 生田が直接板書を教わる時間も

■『素晴らしき哉、先生!』第1話あらすじ
笹岡りお(生田絵梨花)は、夢と希望を胸に教育現場に飛び込んだZ世代の高校教師。しかし、その過酷さは想像を絶し、2年目にして退職を考えるほどストレスフルな毎日を送っている。「自由」を拡大解釈し奔放に振る舞う生徒たち、学校に過度な期待を寄せる保護者や近隣住民、トラブル処理を若手に押し付けてくる年配教師。りおはそんな毎日の愚痴をSNSの裏アカウントに吐き出したり、優しい彼氏に聞いてもらったり、「先生だって人間だ!」と適度に発散しながら持ち前の元気と明るさでどうにかバランスを保っている。しかし、その我慢もとうとう限界に到達。辞職を決意するが、同じタイミングでクラス担任に急きょ欠員が発生し、穴埋めのお鉢が、なぜかりおに回ってきてしまう。初めての担任で3年生を任されることとなったりおの教師生活は、さらなる茨の道に突入! はたしてりおの運命は……。