今夏からマインツでプレーする佐野海舟 [写真]=Getty Images

 マインツは16日、同クラブに所属する日本代表MF佐野海舟に関する声明をクラブ公式サイトに掲載した。

 今夏に鹿島アントラーズからマインツへと完全移籍した佐野は、7月中旬に不同意性交の容疑により国内で逮捕されたものの、不起訴処分となったことで今月1日からチームに合流。16日に行われたDFBポカール1回戦ヴェーエン・ヴィースバーデン戦で公式戦デビューを飾り、3-1の勝利に貢献していた。

 そんななか、マインツのファンサイト『Qブロック』にて、「性的暴力との闘い!」と題した記事が掲載。記事では佐野を加害者と断定した上で同選手の加入に反対の立場を示し、マインツの上層部を次のように糾弾していた。

「マインツの責任者たちは、おなじみの行動パターンである沈黙を指示している。多くのレベルで間違っている。被害を受けたすべての人々、クラブの環境、そして社会に対して『マインツはこの問題を解決する気はない』と致命的なメッセージを送ることになる」

「このような手続きが中止されたからといって、事実上無罪になるわけではない。佐野がそのままチームに組み込まれ、『彼の苦労』だけが語られるのは、加害者と被害者の逆転現象ですらないのか。被害者の視点を疑う理由はないが、明らかに被害者は信じられていない。彼が現在経験しているような連帯感を、彼女も経験すべきなのだ。被害者の保護は、どのような状況であれ、加害者の保護よりも優先されるべきである。私たちは、マインツが道義的・社会的責任を果たすことを求める。そのためには、少なくともクラブから市民への透明性のあるコミュニケーションが必要だ」

『Qブロック』の記事に対し、マインツの取締役会は「佐野海舟選手に対する捜査は、東京の検察庁によって取り下げられました。選手に対する疑惑に関連して、当局によるこの法的決断は我々にとって決定的なものです」と、クラブとして佐野の不起訴処分を支持していることを強調。また、「必要であれば、私たちに影響を及ぼす虚偽の公的非難に対して法的措置を取ります」と断固たる姿勢を示した。

「雇用主である私たちにとって、従業員が法律を尊重するだけでなく、私たちが公に支持し、多くの社会的プロジェクトでも実践している私たちの基準や価値観に沿った行動をとることが不可欠です。私たちはこの出来事についてクラブ内で集中的に話し合い、可能な限りすぐに佐野海舟選手との個人的な対話も求めました。彼を我々のチームに迎え入れるという我々の決定に反するような情報は一切得ていません」

「雇用者として、私たちはいかなる捜査にも関与することはできません。これらは法治国家の責任であります。また、我々には従業員の個人的権利とプライバシーを保護する義務と責任があります。社内の議論について公にコメントすることはありません。私たちは誹謗中傷や根拠のない申し立てに断固として反対します」