NHK Eテレ『おかあさんといっしょ』の第12代体操のお兄さんとして活動してきた福尾誠。2023年4月1日の放送をもって番組を卒業し、新たな道に進んだ。そんな福尾が、世界中から愛されているコミック・ストリップの主人公・ガーフィールドを描いたアニメ―ション映画『ねこのガーフィールド』(8月16日公開)の宣伝ニャンバサダーに就任。ガーフィールドと共に「ニャンダフル体操」を披露している。体操のお兄さんを卒業した福尾にとって、表現活動の最大のモチベーションは「子供たちの大爆笑」だという。みんなが笑顔で元気になるにはピッタリのニャンダフル体操に込めた思いや、自身の未来について話を聞いた。

  • 福尾誠

    福尾誠

“誠お兄さん”として多くの子供たちから愛されてきた福尾。2019年から2023年4月まで、番組を通して子供たちに夢を与える役割を果たしてきたが、惜しまれつつも4年間の活動を終了した。

「僕は“体操のお兄さん”になりたいというのが大きな夢でした。その意味で、この4年間はあっという間で、文字通り夢のような時間だったんです。さらに、僕がヒーローに憧れたように、今度は子供たちが、僕をヒーローだと思って『誠お兄さんみたいになりたい』というお手紙などをもらうと、本当にうれしかったです」。

卒業から1年以上の歳月が流れた。いま福尾にとってどんなモチベーションで仕事に向かっているのだろうか。

「“体操のお兄さん”のときからそうなのですが、僕の原動力となっているのが、子供たちの大爆笑なんです。元々自分が子供のころ、戦隊もののヒーローに憧れがあって、自分もいつか子供たちが憧れるヒーローになりたいと思っていました。それは卒業後の今も変わらず、子供たちが楽しんでくれて、大笑いしてくれると、僕までうれしくなる。それはすごく大きなやりがいになっています」。

子供たちの憧れのヒーローになるという思い。自身は子供のころから戦隊ヒーローなどに慣れ親しんできたというが、“ヒーロー”と言っても、さまざまな定義がある。福尾にとって“体操のお兄さん”にはどんなヒーロー像を感じていたのだろうか。

「僕が一番大切にしていたのは、子供たちと同じ目線に立つということ。心が近くなれるお兄さんであることを大事にしていました。戦隊ヒーローやライダーなど、強大な敵に戦って勝つこともすごく魅力的なヒーローなのですが、一緒に楽しんでくれる“お兄さん”というのも、僕にとってはすごく素敵なヒーロー像なんです。突然アクロバティックな動きを見せると『すごい!』と羨望の眼差しを向けてくれるのもうれしいですね」。

戦隊ヒーローやアクション、声の仕事も「チャレンジしてみたい」

もちろん、敵と戦う戦隊ヒーローへの憧れもある。福尾自身、幼少期に観ていた『忍者戦隊カクレンジャー』などの思い出は強く残っているという。

「人前に立つお仕事をさせていただいているので、リアルな戦隊ヒーロー作品にも機会があるならチャレンジしてみたいです。今回『ねこのガーフィールド』という映画で宣伝ニャンバサダーを担当させていただくなか、作品にも没頭しました。キャラクターに命を吹き込む方々のお仕事のすごさを実感しましたし、いつか自分も挑戦したいという思いも湧いてきました」。

身体を動かすことが自身の1番の得意分野だと語った福尾。アクションや殺陣にも興味はあるという。

「まだチャレンジしたことはありませんが、やってみたいことの一つです。アクションは相手がいることで、動き一つ一つとても繊細さが求められると思うので難しいと思いますが、とにかく挑戦できる環境にいられることがありがたいので、どんどんどん欲にチャレンジしていきたいです」。