テレビ朝日の“シン・時代劇ドラマ”『君とゆきて咲く~新選組青春録~』(毎週水曜24:15~※一部地域除く)第15話が7日に放送され、永田崇人演じる山南敬助の“最期の授業”にSNSでは悲しみの声が寄せられている。(本記事には、第15話のネタバレが含まれます)

  • 永田崇人、高野洸=テレビ朝日提供

■手塚治虫氏原作『君とゆきて咲く~新選組青春録~』

手塚治虫氏の隠れた名作『新選組』を初映像化する今作では、熱い友情で結ばれながらも、時代の波に翻弄され、やがて白刃を交えることになる2人の若き隊士、鎌切大作(前田拳太郎)と深草丘十郎(奥智哉)の姿、幕末という混沌の時代を閃光のごとく駆け抜け、はかなく散っていった新選組隊士たちの青春を2クール連続放送で描く。これまでの時代劇にはない流麗な“剣舞”も織り交ぜ、ニュースタイルの時代劇を創出する。

■山南が謹慎、脱走…第15話「最期の授業」

沖田総司(藤岡真威人)が肺を病んでいることに気づいた山南敬助(永田崇人)。今すぐ沖田を休ませるべきと副長・土方歳三(阪本奨悟)に進言するも、剣の達人である沖田が抜けたことを敵に知られたくないと考える土方はあまりに非情な決断を下す。沖田を弟のようにかわいがってきた山南には、それを許すことができず、土方につかみかかって……。そんな第14話の続きとなる15話のタイトルは「最期の授業」。

「総司は私たちの弟ですよ! 新選組が何ですか!」と顔を真っ赤にして激昂した山南。ほかの隊士たちに示しがつかないとして、謹慎させられる。ほどなくして土方に今回のことは水に流すと伝えられ、沖田にも「もうすぐ夢が叶う。あと少し、頑張れば」「喧嘩はよくないっていつも言ってたじゃない。山南さんは、皆の先生なんだから」と説得され、「申し訳ございませんでした」と謝罪。しかし隊の方針に違和感を覚えていることに気付いてしまった山南は、脱走してしまう。すぐに沖田はじめ元山南組の大作、丘十郎らが駆けつけるが、山南は「戻るつもりはありません」と刀を抜く。

「かかってきなさい。裏切り者が逃げてしまいますよ」と声をかける山南に、戸惑いながらも立ち向かっていく隊士たち。山南は刀をさばきながら、「何が同志か!」「仲間の、大切な人の命さえも夢の前には意味を失う」と人を斬る虚しさを説いていく。そして「お願い、戻ってきて」と懇願する沖田を、「ごめんなさい総司、これが私の最後の授業です」と抱きしめる。

山南の介錯は、史実では沖田が務めたとされているが、「書物には適当に書いておけばいい」と近藤勇(高野洸)がやってくる。続けて近藤は「書物はいかようにも変えられる」と山南に告げるが、すでに心を決めていた山南は「地獄で待っていますよ」と切腹するのだった。

■SNSでは、山南のラストに「号泣」と悲しみ広がる

大作、丘十郎、松永新之丞(杢代和人)、南無之介(羽谷勝太)らのお目付け役を引き受け、母のように隊士たちの面倒を見てきた山南。愛あふれる最期の授業に、SNSでは「最期までみんなに優しかった」「最期まで先生だった」「山南さんは自分の命を懸けて教えてくれたんだね」との声が。切腹という結末には、「こんなのしんどすぎる」「もう号泣」「生きて、欲しかった」と悲しみが広がり、「山南さんは必要だよ」「山南さんの眼鏡を持って泣き崩れる総司くんがつらすぎて」「近藤さんの役割がつらすぎる」「誠の正義って何なんだろう」と、隊士たち、今後の新選組への思いがさまざま綴られている。

そして、山南の最期を見事に演じきった永田には、「永田崇人さん素晴らしい演技だった」「演技力と迫力に圧倒されました」「演じてくれてありがとう」「想いのこもった素晴らしい演技」と絶賛の声が寄せられている。

■山南の死に衝撃を受ける隊士たちのその後

来週14日(24:45~)放送の第16話では、山南の謀反と切腹にかつてないほどの衝撃を受け、悲しみに暮れる新選組隊士たちの姿が描かれる。山南が命をかけて遺した言葉に揺れながらも、隊士として生きようとあがく丘十郎は涙をこらえ、大作は感情を抱え込んで苦しむ彼を案じていた。一方、ショックを受けた新之丞は熱を出して寝込み、南無之介は自身も傷つきながら懸命に看病する。山南を追い込んだ副長・土方も、山南が欠けた穴を埋めようと必死にもがく。山南が散り際に身をもって伝えた“刀を向け合い、殺し合う愚かさ、虚しさ”に気づき、混乱した丘十郎はひとりある場所へ向かう。そして、大作は丘十郎を守るため、深い闇へと堕ちていく……。