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今シーズンのメジャーリーグは
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勝負の後半戦に突入したメジャーリーグ。今季もリーグ上位の勝率を誇っているロサンゼルス・ドジャースだが、山本由伸をはじめ故障者が続出する苦境に陥っている。地区優勝、そしてワールドシリーズ制覇を目指し後半戦をどう戦い抜くのか。今回はドジャースの後半戦の見どころについて纏めた。(※各成績は日本時間7月31日時点)(文:Eli)
ドジャース故障者リストの現状
ロサンゼルス・ドジャースは日本時間7月31日の時点で以下の選手が故障者リスト入りしている。
60-day IL(今季絶望は含んでいない)
・3B マックス・マンシー
・IF トミー・エドマン
・SP 山本由伸
・RP ライアン・ブレイジャー
・RP ブルスダー・グラテロル
・RP コナー・ブログドン
10,15-day IL
・SS/2B ムーキー・ベッツ
・IF ミゲル・ロハス
・UTL クリス・テイラー
・SP ウォーカー・ビューラー
・RP マイケル・グローブ
ムーキー・ベッツについては最近バッティング系の運動を開始したとされており、8月中の復帰のめどが立っている。故障したのが現地時間6月17日で約2か月の離脱であるが、プレーオフまでの1カ月半で調子を取り戻してほしいところだ。
一方でマックス・マンシーは練習再開と休止を繰り返しており、復帰までのスケジュールが立っていない。故障個所の斜筋は復帰を焦ると再発リスクが高いとされており、今季中の復帰は難しいかもしれない。
近故障したクリス・テイラー(股関節)とミゲル・ロハス(前腕部)は早期復帰するのが理想で、続報を待ちたい。セントルイス・カージナルスからトミー・エドマンを獲得したことで内野守備が安定することが予想されるが、手首の手術明けで打力・守備力共に不安が残る。
先発投手側ではタイラー・グラスノー、クレイトン・カーショーが復帰したことである程度の安定がもたらされた一方で、ローテーションの5人中3人がルーキーだ。
ギャビン・ストーンはシーズンを通して、ジャスティン・ロブレスキーとリバー・ライアンは7月後半から頑張っている。そこで期待されるのがウォーカー・ビューラーと山本由伸の復帰だ。
ビューラーは故障よりは不振からの復活を目指しており、チームを離れ1人でフロリダのスポーツ施設に籠って練習をしていたという。5月に復帰した際には球速・制球に問題はなかったが、空振りを全く奪えずカウントを苦しくしてしまうことが多かった。術後の身体にどうモデルチェンジを加え適応するか注目だ。
山本はビューラーほどパフォーマンス面では心配が少ないが、問題は怪我の深刻さだ。負傷した肩のローテーター・カフ(回旋腱板)は肩の接合部にある重要な部位で、投球にどのような影響を与えるのかがわからない。
短期的にはプレーオフを勝ち進むために早く戻ってきてほしいが、長期的には12年契約が待っており慎重に進める必要がある。
リリーフ投手ではブルスダー・グラテロル(肩の炎症)、マイケル・グローブ、ライアン・ブレイジャーに復帰のめどが立っている。
グラテロルは22、23年の球速水準と有効性を取り戻せるのか、ブレイジャーは今季下がってしまった球速を戻せるのか、故障前にすさまじい奪三振力を見せていたグローブはそれを維持できるのか。シカゴ・ホワイトソックスから新加入の剛速球右腕マイケル・コペックと共に注目したい。
ドジャースのプレーオフは若手投手に託された…?
今季のドジャースでは以下3人の先発投手がデビューした。故障者の状況によっては、プレーオフの舞台でマウンドを任される可能性も十分に考えられる。
ランドン・ナック
44回 防御率3.07 奪三振率23.5 Stuff+ 102
すっかりスポット先発要員としてはメジャー定着を果たしたランドン・ナック。平均球速は93マイル(約149キロ)と速いほうではないが、縦変化の大きいフォーシームとスライダー、カーブ、チェンジアップを用いた投球で安定的にメジャー打者を抑えている。
一方で、コマンドが課題でフォーシームを高めに集め、スライダーを真ん中に投げないように改善する必要がある。この点を改称すればヒューストン・アストロズのクリスチャン・ハビアーのようになれるはずだ。
リバー・ライアン
11回 防御率0.82 奪三振率 23.3 Stuff+ 112
球質を測るStuffモデルが好み、一番天井が高そうなのがリバー・ライアンだ。最初の2登板でコントロールに苦しんだが、アストロズ戦ではヨルダン・アルバレスを含む8三振を奪うなどエースとしての片鱗を見せている。追加で故障者が出た場合にはポストシーズンでのキーマンになりそうだ。
ジャスティン・ロブレスキー
20回 防御率 4.05, 奪三振率 18.8 Stuff+ 91
カーショー、柳賢振以来のドジャース生え抜き左腕先発となりそうなのがジャスティン・ロブレスキーだ。左から平均95.0マイル(約152キロ)の速球を投げられるのが魅力的で、縦変化も少なくはない。フォーシームを高めに集め、スライダー、カッターなどの変化球を上手く使えるようになれば先発2,3番手に成長できそうだ。
昨季のポストシーズンでは先発投手が足りない中、若手のホープだったライアン・ペピオを登板させずに敗退し猛烈な批判を浴びたドジャースだが、今ポストシーズンではこの3人の内登板機会を得る者はあるのだろうか。
先発とブルペンのバランス
7月に入り先発投手がイニングを食えずに早々にブルペンを使う試合が増えている。故障者の復帰やルーキーのデビューが重なり仕方ない面もあるが、ハイ・レバレッジな場面を担うリリーバーの負担が大きくなっている。
日本時間7月1日から7月28日の22試合でアンソニー・バンダは12登板、ブレーク・トライネン、アレックス・ベシアは11登板、ダニエル・ハドソン、エバン・フィリップスが10登板と半分近くの試合で使われている。
ブルペンを休養させるためにヨハン・ラミレスを使い負けてしまう場面も複数回あった。ホワイトソックスからコペックを獲得したが、既に43登板をこなしており、負担の面では援軍にはならない。
そこで大事になるのは先発投手が5~6イニングを投げることだ。特にグラスノー、ストーン、(登板数をこなした後は)カーショーらメジャー定着勢には初球ストライクを心掛け、少ない球数でスムーズに試合を進めることが求められる。
また時にはシンカーを駆使してゴロを打たせることも必要になるだろう。最優先事項は打者をおさえることだが、これらのことも念頭に登板してほしいところだ。
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【了】