GMOクリエイターズネットワークは8月5日、フリーランスの老後資金をテーマにしたアンケート調査の結果を発表した。調査は2024年6月27日~7月7日、同社が運営するフリーランスに特化した金融支援サービス「FREENANCE byGMO」のユーザー563名を対象にインターネットで行われた。
約半数が国民年金制度に「不安」
フリーランス・個人事業主が加入する国民年金制度についての考えを聞いたところ、「不安を感じる」「やや不安を感じる」の合計が50.3%で約半数となった。
「不安を感じる」「やや不安を感じる」と回答した人に具体的な理由を聞くと、「将来支給される年金額では足りない」という回答が75.6%で最多となった。他には「年金財政が維持できるのか不安」「この先、どんな制度変更があるかわからない」といった回答も目立った。
老後資金の蓄えがある人の60%以上が「株式・投資信託等(NISAなど)」を活用
次に、老後資金の蓄えについて聞いた。老後資金の蓄えについて「ある」と回答した人は21%となった。その人たちに、必要と思う老後資金を100%だとすると、現在は何%ほど蓄えられているか聞くと、「31~50%」という回答が25.4%で最多となった。老後資金の蓄えがあっても、必要と思う金額の50%以下という人の方が多いことがわかる。
さらに老後資金の蓄えが「ある」と回答した人たちにどのような方法で蓄えているかを聞くと、「株式・投資信託等(NISAなど)」が62.7%でトップとなり、「預貯金」「確定拠出年金(iDeCoなど)」を上回った。2024年1月よりスタートした「新NISA」などの影響もあり、株式・投資信託への注目度が高まっていると推測される。
保険料納付期間の45年への延長、4人に3人が「適切と思わない」
現在、国民年金の保険料納付期間が40年から45年に延長されることが検討されているといわれているが、それについて適切と思うかどうかを聞くと、「(適切と)思わない」という回答が74.2%となり、約4人に3人という割合になった。
適切と思う人・思わない人それぞれに具体的な理由を聞いた。「適切と思う」と回答した人からは、「平均寿命が伸び、最近の高齢者も若々しいから」(30代/職種:デザイナーなど)、「これだけ財政が苦しくなっているので、仕方がない」(60代/職種:配送・運送)、「受給額が増えるから、働けるうちは働く方がいい」(30代/職種:その他)などの意見が寄せられた。
一方、「適切と思わない」と回答した人からは「延長されたところで、返ってくる金額は低いと感じる」(50代/職種:エンジニア)、「現状でも払う期間が長いと感じる。さらに長くなったら年金を受け取りづらくなるだけ」(30代/職種:ライター)といった声が寄せられた。(回答の一部を読みやすくするために文言調整)
適切と思う人は、近年の平均寿命の伸び等を考えれば、やむを得ないのではという意見が目立った。一方で適切と思わない人は、長期間にわたり保険料を納付し続けることへの不安や、納付した金額に対して支給される額が見合っているのかを疑問視する声がみられた。また、今後もさらなる延長があるのではないかと感じる人もいた。