旺文社の教育情報センターは8月5日、今後の大学の入学定員と受験生数についての将来予測を発表した。
2035年に入学定員と受験生数が逆転する!?
すでに行われた2024年入試は入学定員と受験生数がニアミス。その差わずか1.1万人だった。今後は受験生数が若干増加するが、2035年に入学定員と受験生数が逆転する「真の全入時代」がやってくると同社は予測している。
「真の全入」とは
これまでも大学の全入予測はいくつかあったが、(1)「入学者数(入学定員ではなく)と受験生数」を比較したものや、(2)受験生数の算出に不備があるものだった。特に(2)は通信制高校出身の受験生を含めていないケースが見られる。これを含めないと、すでに2024年に全入を迎えたことになってしまう。今回の予測は、国内の受験生数をほぼ完全に算出。これにより、かなり実態に即した全入予測を行った。
都道府県別予測
文科省でも昨年7月に2040年~2050年の将来推計を出しており、ここでは都道府県別の予測もされている。ただし算出方法がやや甘いため、同社は今回、文科省の予測値を一部利用しつつ、別の算出方法で予測を出し直した。
2040年の大学入学者数を2023年と⽐較したところ、全国合計が8割まで減。25の道県が7割台、東北地区は6県すべてが6割台となった。今後、東京を含めた全都道府県で、現状規模の大学を維持していくのは非常に困難になると予測している。
※すべて国公私立大の合計で、通信課程は除く。
※aは旺文社集計。bは文科省「学校基本調査」より(aとbは厳密には比較できないため、cは「参考」とした)。f、gは文科省「大学入学者数等の将来推計について」より。dはgの数値を基に旺文社が算出。
※aは各学部・学科の入学定員を1年次の履修地別に集計。履修地が複数県あり、各定員が示されていない場合は等分。
※b、d、fは県内の大学に入学してきた者の数で、外国の学校卒の入学者を含む。都道府県は入学した学部の所在地。dとfの合計差の1人は、それぞれの算出段階で小数点以下の四捨五入のため生じたもの。
※eの赤文字は全国合計の80.6%を下回った県。
※gは県内の高校から大学に進学した者の数で、fとの合計差は外国の学校卒や高認合格の入学者数。