キム・ヒョンジュンが語る集大成的アルバム、音楽人生における大きな夢

日本のリスナーに向けたニューアルバム『LOVE UNIVERSE』を完成させたキム・ヒョンジュン。今回のインタビューでは、本作に込めた想いやナオト・インティライミが手掛けた「Love Again」について。南米、韓国、日本で開催されたコンサート【2024 KIM HYUN JOONG CONCERT ”THE LAST DANCE”】で”THE LAST DANCE”と銘打った理由。これからアーティストとしてチャレンジしていきたいこと。いつかフェスを主催したいという夢。そして、日本のファンに向けたメッセージと、様々な話題について語ってくれた。

音楽を表現していく者として大きなターニングポイントに立ったキム・ヒョンジュンの想い、ぜひご覧頂きたい。 

-2024年現在、どんなモードで音楽活動と向き合っていますか?

キム・ヒョンジュン:2024年は元々アルバムを制作する計画がなかったんです。ちょっと休みたいなと思っていて(笑)。

-そうだったんですね(笑)。

キム・ヒョンジュン:ただ、ファンの皆さんが期待してくれていたこともあって、あんまり待たせてしまうのも申し訳ないなと思って、フルアルバムを急遽リリースすることにしたんです。それで、韓国でのツアーと同時進行でアルバムを制作することにしました。そして、どんな作品にするか考えた結果、新しいジャンルにも挑戦しつつ、日本の皆さんが好んでくれる、喜んでくれるような楽曲をラインナップしたニューアルバム『LOVE UNIVERSE』が完成しました。

-休みを返上して、日本のファンに喜んでもらいたい一心で制作したアルバムなんですね。

キム・ヒョンジュン:あと、これまで日本のアーティストの皆さんに提供して頂いた楽曲を歌う機会が多かったんですけど、このアルバム以降は自分自身でクリエイティヴした楽曲を歌っていきたいなと思っていて。そういう意味では、今回の『LOVE UNIVERSE』は次のフェーズへ向かう前のひとつの集大成的なアルバムでもあるんです。

-転換期を象徴するアルバムでもあると。ちなみに、ナオト・インティライミが手掛けた新曲「Love Again」も今作には収録されています。このコラボはどのような経緯で実現したんでしょう?

キム・ヒョンジュン:今話したように僕は大事な時期を迎えていて、そんな自分にナオトさんがヘコたれないように「Love Again」を制作してくれたんです。とても良い楽曲を提供してくれて、僕にとっては応援にもなっていて、この曲を歌うことでリフレッシュするともできたんですよね。なので、ナオトさんにはこの場を借りて「ありがとうございます!」と伝えたいです。ナオトさんは今海外にいらっしゃるそうなんですが、タイミングが合えばご挨拶にも伺いたいですし、以前にようにサッカーをしたり、お酒を吞んだりして遊びたいですね!

-キムさんの背中を押してくれた楽曲でもあるんですね。ちなみに、今作以降、自らソングライティングした楽曲をメインで手掛けていきたいと思ったきっかけは何だったんでしょう?

キム・ヒョンジュン:ずっと書いてはいたんですけど、これまでは有難いことに様々な日本のアーティストとコラボレーションさせてもらったり、いろんな方々に助けて頂く形で楽曲をリリースすることが多くて。そんな中で、自分で音楽を生み出していくこと。その音楽を歌いながら活動していくチャレンジを今のうちにしっかりやっていきたいと思ったんですよね。今の自分をもっと探求して音楽を創っていきたい想いが湧いてきたんです。もちろんまたどこかで誰かとコラボレーションすることもあると思うんですが、今は自らソングライティングしていきたいモードに入っているので、来年からはもっと自分のカラーを見つけて表現していきたいと思っています。

キム・ヒョンジュン(Photo by Mitsuru Tamura)

-自らソングライティングしていく中でも、日本語詞の楽曲は制作されていくんですか?

キム・ヒョンジュン:日本で楽曲をリリースする際には、日本語詞で歌っていきたいと思っています。例えば、今回のアルバム『LOVE UNIVERSE』にも収録されている「花路」という、藤井フミヤさんが作詞を手掛けて下さった楽曲があるんですけど、あの曲は日本の方々の桜に対する想いや情緒みたいなものが表現されていて。そういう日本独特の感性に関しては、海外の自分にはどうしても理解しきれないところがあるんですよね。それでも僕なりに解釈して気持ちを込めて歌わせて頂いているんですけど、より深く理解して表現できるよう、これからもっと日本語を学んでいきたいと思っています。

-そんな新フェーズへ向かう前の集大成的なアルバム『LOVE UNIVERSE』。ご自身では仕上がりにどんな印象を持たれていますか?

キム・ヒョンジュン:UNIVERSE=宇宙というキーワードをタイトルに入れているんですが、いろんな人が集まって宇宙が成り立っているように、このアルバムもいろんな人が作りあげてくれた、皆さんからのLOVE=愛が込められた1曲1曲によって成り立った作品だと感じています。前回のフルアルバムから4年のあいだ、様々な楽曲と出逢ったことによって自分ができる表現も多彩になってきましたし、4年前より様々な音楽性を持ち合わせたアルバムを完成させることが出来ました。

-日本のファンやリスナーにどんな風に響いてほしいなと思っていますか?

キム・ヒョンジュン:皆さんの愛に応える気持ちや感謝。それを大きさではなく深みで表現したい、表現できるアーティストになりたいと思って制作したアルバムでもあるので、その奥深さを感じてもらえたら嬉しいです。

キム・ヒョンジュン(Photo by Mitsuru Tamura)

-そんなニューアルバムのリリースもある中、2024年は【2024 KIM HYUN JOONG CONCERT”THE LAST DANCE”】と題したコンサートをメキシコ、ソウル、東京と開催してきました。今回”THE LAST DANCE”と銘打った理由を教えてもらえますか?

キム・ヒョンジュン:”THE LAST DANCE”と題した理由は、ファンの皆さんが僕のダンスする姿をすごく見たがってくれていたので、そのダンスを久しぶりに披露しようと思って。ただ、ソロ歌手としてダンスをお見せするのは今回で最後にしようと思ったんです。それはこれから僕が音楽にもっと没頭して、アーティストとして成熟していく為で。だから、あまり寂しがらないでほしいんです。僕がダンスをしていたことを忘れられるぐらい、もっと格好良いアーティストになって皆さんとまた会う為の決断なので、その日を楽しみにしていてほしいなと思います。

-そんな新しい表現者としての道を突き進んでいく中で、今後実現したい夢や目標があったら聞かせてください。

キム・ヒョンジュン:僕のファンだけでなくすべての音楽ファンに楽しんでもらう舞台として、いつかフェスを主催すること。それが僕の音楽人生における大きな夢です。演出家という立場にもチャレンジしてみたいですし、それを実現する為には決して音楽の道を突き進んでいくことを諦めず、音楽を表現するアーティストの一員として、たくさんのアーティストと交流できる場を創り上げたいです。大好きな日本のアーティストの皆さんにもたくさん参加してもらいたいですね。

-では、最後に、日本のファンやリスナーの皆さんにメッセージをお願いします。

キム・ヒョンジュン:Rolling Stone Japanでは、毎回有意義な音楽の話をさせてもらっていて感謝しております。僕は音楽で理想的な場を創り上げていくべく、それに向けて今まさに走り出しているところなんですが、その大きな夢を持って、これからも皆さんに親しみを込めて歩み寄っていきたいと思っています。また、今お話したフェスが実現するならば、皆さんにもその一員としてぜひ参加してほしいです。そのフェスが開催される頃にまたこの記事を思い浮かべて「ついにそのときが来たんだな」と。そんな風に思う日を待ち望んで頂きたいです!

<リリース情報>

キム・ヒョンジュン

『Love Universe』

発売日:2024年7月24日(水)

発売元:ディスカバリー・ネクスト(レーベルHENECIA MUSIC)

=収録曲=

1. Love Again

2. Love Universe

3. Song for a Dreamer

4. チャイム

5. 桜便り

6. サランへ

7. Super Fire

8. 花路

9. Love Universe inst

10. サランへ inst

Official HP:https://henecia.jp/