「コードギアス 奪還のロゼ」最終幕の上映記念舞台挨拶の様子。左から橋誉志光監督、上田麗奈天崎滉平、古川慎、富田美憂、安元洋貴。

アニメ「コードギアス 奪還のロゼ」最終幕の上映記念舞台挨拶が本日8月3日に東京・新宿バルト9にて開催され、ロゼ役の天崎滉平、アッシュ役の古川慎、サクヤ役の上田麗奈、ハルカ役の富田美憂、ノーランド役の安元洋貴、大橋誉志光監督、谷口廣次朗プロデューサーが登壇した。

「コードギアス 奪還のロゼ」は、「復活のルルーシュ」から5年が経った合衆国日本・旧ホッカイドウブロックを舞台に、傭兵兄弟ロゼとアッシュがネオ・ブリタニア帝国に立ち向かう姿を描くシリーズ最新作。第1幕が5月に公開され、最終幕は昨日8月2日に封切られた。

最終幕が公開された現在の気持ちを問われた大橋監督。「スタートがけっこう昔の話で、長い時間この作品に取り組んでいました。自分の経歴の中でも一番長く関わった作品だと思います。現場もいろんなことがありながらも、やっと完成させることができたので、ホッとしているところがあります」とコメントした。

キャスト陣も現在の思いを語っていく。天崎は「終わっちゃったなあという寂しい気持ちが大きいですね。アフレコも2021年からやっていて、第1幕の上映が5月に始まって『最終幕を上映する頃には暑くなってますね』と話していた頃から本当にあっという間。皆さんに最後まで物語を観ていただけた満足感もあるけど、複雑な気持ちです」と語る。昨日から最終幕の感想をSNSで検索していたという古川は「『本当に予想できない』『怖い』みたいなコメントもある中『ヒロアカ』の劇場から出てくるお客さんと『奪還のロゼ』の劇場から出てくるお客さんの表情が対照的だったというコメントが印象的で。気持ちは分かるが、あまり暗い顔をしないでいただきたい!(笑)。楽しんでくれていたらうれしいです」と述べた。

古川のコメントに、上田は「暗い顔で劇場を出てしまう感覚すごくわかる……」と同意しつつ、最終幕のアフレコを振り返る。「アッシュとのやり取りのあとに最後のシーンを録ったんですが、何度も『もう少し明るく』と言われてしまい。私も公開を迎えて、うれしくもあり、(公開日が)来てほしくない気持ちがありました。お別れが来てしまうんじゃないかという恐怖で震えていたんですけど、皆さんが少しでも明るい表情で劇場を出ていただけるようにトークで盛り上げたいと思います!」と微笑む。富田は最終幕の感想として「しばらく動けなくなっちゃうぐらい感情がぐちゃぐちゃになりました。皆さんも同じ気持ちなんだろうなと。だから今日、ステージにどういうテンションで出て行こうかと悩みました。でも、きっと皆さんいろんな意味でいい作品だったなと思ってくださったと思うので、思いの丈を共有できたら」と語った。

ロゼとアッシュたちの前に最大の敵として立ちはだかったノーランド役の安元は、これまでのキャストたちのコメントを踏まえ「俺(ノーランド)のせいなんだよなあ……」とつぶやき、観客を笑わせる。作中のノーランドの姿について安元は「彼なりに背負わされたものもあるし、ブレることなく一生懸命やった結果だったと思います。いろんなことが起きて『すまんな』と思っていて、自分も作品を観てつらいなとも感じているんですが、前を向く力をくれたんじゃないかとも考えられるので、そこに少し救いがあると思いました。何回でも観てほしいんですけど、観るたびに嫌われそう……」と述べた。

続けて安元、富田、上田がそれぞれ自身が演じたキャラクターについてコメントしていく。最終幕ではノーランドの秘密が明らかになるが、その点について安元は第1幕の収録の時点で明かされていたという。安元は「盛大なネタバレを喰らった感じでした。でもとにかく得体の知れないものになろうと意識していて、ものすごく難儀なキャラで大変でしたね」と振り返る。また最終幕ではハルカの父親にまつわるエピソードも描かれていることから、富田は収録を通じて実父のことを考えていたと明かす。後に「娘に嫌われたくない」という思いから接し方を測りかねていたと明らかになるものの、父親が自分に興味がないと思い込んでいた富田。「当時の認めてもらいたいから仕事も勉強も頑張る!という気持ちを思い出し、学生時代に父親に対して思ってたことをぶつけられました」と振り返った。

サクヤとサクラの2役を担当した上田は、この2人の人物を演じ分けるうえで感じていたことを紹介。「2人は常にセットで考えているんですけど、序盤からサクヤはまっすぐに固く伸びてる棒で、サクラはしだれ柳のようにやわらかく曲がっているものを想像して役作りをしていました。まっすぐだからこそぽっきり折れかねないサクヤの危うさと、か弱そうに見えて芯が強くて全然折れないサクラが、まわりから見える“強さ”の印象が変わっていく感じを意識していましたね。最終幕ではサクヤは脆さがありながらの強さを、サクラはどんどん思考がクリアになってやるべきことがはっきりしたからこその強さを、というように、2人の見せ方が変わっていく面白さを感じてもらえたら」と述べた。

谷口プロデューサーは「『奪還のロゼ』は因果応報の話だなと感じています。悪い言葉に思えるかもしれないんですが、やったことが報われるって言葉でもあると思うんです。皆さんの応援を受けた結果、我々も続きをを作れるんじゃないかと思うので、その“因果応報”を皆さんの手で作り上げていってくだされば」とアピール。古川も「ギアスは願いに似ているなと思います。皆さんの願いがあれば、それが監督と谷口さんに強めのギアスとしてかかってくるんじゃないか、と。だから『奪還のロゼ』の続きが観られるように応援してくれるとありがたいです! そうすれば今ここにいる皆さんの未来がさらに作られていくと思うので、応援よろしくお願いします!」と熱弁する。

古川のコメントに天崎も「本当に同意です!」と述べ、「きっと『奪還のロゼ』の中で登場人物がつむいだ物語は先に必ずつながっていると思っています。なので、皆さんが少しでもこの作品を通して得られたものを、後世へと伝えていっていただければ、因子は芽生えるんじゃないかと思っています」とコメント。最後に「1つだけお願いしたいことがあるんですが、『奪還のロゼ』の続きが作られるとなったときには、ボイスチェンジャーの声を変えないでください!」と叫び、舞台挨拶を締めくくった。

「コードギアス 奪還のロゼ」

上映情報

第1幕:上映中
第2幕:上映中
第3幕:上映中
最終幕:上映中

配信情報

ディズニープラス「スター」:2024年6月21日より世界独占配信

スタッフ

原作・企画:サンライズ
ストーリー原案:大河内一楼、谷口悟朗
監督:大橋誉志光
シリーズ構成:木村暢
キャラクターデザイン原案:CLAMP
キャラクターデザイン:木村貴宏、島村秀一
ナイトメアフレームデザイン:阿久津潤一
メカニックデザイン:重田智
メインアニメーター:木村貴宏、島村秀一、中谷誠一、重田智、橋本敬史
美術監督:小幡和寛
色彩設計:忽那亜実、久保木裕一
3DCG:武右エ門
CGI監督:篠田周二
音響監督:明田川仁
撮影監督:千葉洋之
編集:坂本久美子
音楽:川井憲次
オープニング主題歌:MIYAVI「Running In My Head」
エンディング主題歌:満島ひかり「ロゼ(Prod.TeddyLoid)」
配給:ショウゲート
製作:バンダイナムコフィルムワークス、コードギアス製作委員会

キャスト

ロゼ:天崎滉平
アッシュ:古川慎
サクヤ:上田麗奈
黒戸:黒田崇矢
物部:小西克幸
ハルカ:富田美憂
小田:千葉翔也
宗森:坂泰斗
新城:杉山里穂
佐野:春野杏
コーネリア:皆川純子
ジノ:保志総一朗
ニーナ:千葉紗子
漣:山本兼平
志塚:小林親弘
坂井:Lynn
東見:藤井隼
岩本:青山穣
ナタリア:寺崎裕香
メイ:白石晴香
ヴァレン:野川雅史
ノーランド:安元洋貴
キャサリン:東山奈央
ナラ:内山夕実
スタンリー:平川大輔
ヴァルター:加瀬康之
ディボック:水中雅章
クリストフ:吉野裕行
重護:小山力也

※天崎滉平の崎はたつさきが正式表記。

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