現在放送中のTBS系金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』(毎週金曜22:00~)で、玉山鉄二扮する鈴木俊哉の学生時代を演じている西山潤にインタビュー。回想シーンが多く描かれた8月2日放送の第6話の裏話を聞くとともに、本作への参加がどのような経験になっているか、さらに今後の抱負を語ってもらった。
早見和真氏の同名小説を原作とする本作は、主人公の新聞記者・道上香苗(水川あさみ)が、若き人気政治家・清家一郎(櫻井翔)とその秘書・鈴木俊哉(玉山鉄二)を取り巻く黒い闇を追うヒューマン政治サスペンス。清家と鈴木の謎めいた過去やルーツにつながる回想シーンも重要なパートとして描かれており、清家の学生時代を青木柚、鈴木の学生時代を西山潤、渡辺大演じる清家の後援会会長・佐々木光一の学生時代を濱尾ノリタカが務めている。
8月2日放送の第6話では、西山らが演じる学生時代が多く描かれた。西山は、鈴木が清家に対して「俺がお前を政治家にしてやる」と語るシーンが特に印象に残っているという。
「2人の関係の原点となる葬儀場でのあのシーンがすべての始まりなのですごく思い入れがあります」
同シーンでは、監督と相談して台本から少しセリフを変えて演じたと明かす。
「台本だと『なあ、お前、生徒会長に立候補しろよ』『将来、政治家になりたいんだろ? その第一歩だよ』『俺がお前を政治家にしてやる』となっていますが、『清家、お前、生徒会長に立候しろ』『政治家になりたいんだろ? その第一歩だよ』『俺がお前を政治家にしてやる』というように、『なあ』や『将来』をなくして、『しろよ』を『しろ』にするなど、覚悟を決めた鈴木がビシッと伝えていくという言葉にさせてもらいました。そのほうが意志が固まった感じになるかなと」
このシーンから、清家と鈴木の二人三脚の関係がスタート。西山は「清家を使って自己実現を目指すという、それがスタートする瞬間でもある」と同シーンの重要性を強調する。
清家と鈴木、さらに高岡早紀演じる清家の母・浩子の関係を紐解くのに重要な回想シーン。西山は、登場人物の若き日を演じるやりがいを感じているという。
「子役からやっていたので回想シーンで子供時代を演じることはありましたが、今回久々に誰かの若い時代を演じられて楽しいです。また、玉山さんと僕で鈴木という同じ人物を演じることができてうれしく思います。周りの人からは、玉山さんと僕が役を通して『似てる』という反響をいただけているのもうれしいです」
そして、本作への参加が自身にとってどんな経験になっているか尋ねると、「久しぶりに回想パートを演じ、こういう役へのアプローチの仕方も面白いなという勉強になりました。また、数年前から学生服を着る機会は『もうない』と言っていますが、本当にこれで着納めなのかなと思っています。今後も仲良くやっていきたいと思う青木柚、濱尾ノリタカと出会えた作品でもあり、そして、共演したいと思っていた田辺桃子ともガッツリ共演でき、とても思い出に残る作品になると思います」と熱く語ってくれた。
近年は日曜劇場『ドラゴン桜』(21)、『VIVANT』(23)など話題作に多数出演し、注目度を高めている西山。
「僕としてはいただいた役を全うしようと頑張ってやるだけです。『ドラゴン桜』『VIVANT』といった、たくさんの方に愛される作品に出られたのはうれしいですが、これからも変わらず、どの役も愛情とリスペクトを持って演じ、1人でも多くの方に作品を届けられたらと思います」
さらに、役者以外の活動も考えているようで、新たな挑戦に向けて動き出しているという。
「今の時代はいろんな形で発信していくことができるので、自分から動いていきたいと考えています。何か自分から発信していき、応援してくれている人たちと一緒に楽しいことができたらいいなと思います」
引き続き、『笑うマトリョーシカ』での鈴木役を楽しみつつ、今後の新たな挑戦にも注目していきたい。
1998年7月12日生まれ、神奈川県出身。2006年に映画『サイレン~FORBIDDEN SIREN~』でデビュー。映画『20世紀少年』(08~09)では主人公・ケンヂの幼少期を演じる。近年の主な出演作はドラマ『ドラゴン桜』(21)、『初恋の悪魔』(22)、『ホスト相続しちゃいました』『VIVANT』『どうする家康』『こういうのがいい』(23)、『好きやねんけどどうやろか』(24)、映画『風の奏の君へ』(24)など。