マイナビは7月31日、「中途採用・転職活動の定点調査(2024年4月-6月)」の結果を発表した。

同調査は7月1日~6日、全国の経営者・役員または会社員で、中途採用業務を担当している825人、20~50代の正社員1,383人を対象に実施した。

  • 企業の中途採用実施率

企業の中途採用実施率は2023年4月以降ほぼ横ばいとなっており、2024年6月は41.8%だった。一方、個人の転職活動実施率は3.5%で減少傾向にある。

前月採用活動を行った、または今後3カ月で採用活動を行う予定、直近3カ月に中途入社者がいた企業の採用担当者に、「人材の流動性促進」の印象を聞いたところ、65.1%が「プラスの印象」「どちらかといえばプラスの印象」と答えた。

従業員規模が大きいほどプラスの印象である割合が高く、「従業員規模301名以上」では78.5%と約8割がプラスの印象であると回答した。

  • 「人材の流動性促進」についての企業の印象

前月転職活動を行った、または今後3カ月で転職活動を行う予定、直近3カ月に中途入社した正社員に、退職した会社の人と連絡をとっているか聞いたところ、最も多かったのは「基本的に連絡はとっていない」(42.5%)だった。

過去やめた会社に戻りたいと思ったことがあるか聞くと、32.9%が「ある」と回答した。退職した会社との連絡有無別にみると、「頻繫に連絡をとっている」(65.6%)人と「連絡はとっていない」(15.8%)人とでは、4倍以上の差があった。

  • 過去やめた会社に戻りたいと思ったことがあるか

戻りたいと思った理由は、「育児などの家庭の事情で転職したが、環境が変わった」などライフステージの変化に関するものや、「退職前に気がつかなかった良い面に気づいたから」など、一度職場を離れたことにより、前職の良さに気づいたといったものが目立った。

同社のキャリアリサーチラボ 研究員 朝比奈あかり氏は「今後、人材の流動化はさらに進むと予想され、その中で人材不足に困らないために、出戻り(アルムナイ)採用の重要性を感じる企業は増加するのではないでしょうか。企業は、退職者が戻りたいと思うような環境を整えることが求められますが、まずは、退職者と連絡が取れる環境をつくることだけでも、プラスの影響があるかもしれません」とコメントする。