ビジネスパーソンが“今読むべき本”を厳選し、要約してそのエッセンスを伝える「flier(フライヤー)」。最新のトレンドを学んだり、読みたい本を見つけたりするためのツールとして、累計117万人のユーザーに活用されています。
この記事では、flierを利用する意識の高いビジネスパーソンの中でも特に、20代~30代のユーザーが今、リアルに読んでいる本とその傾向を紹介します。同世代のビジネスパーソンは今、どんな本を読んでいるのでしょうか? なぜその本が選ばれたのでしょうか? 気になった本があれば、ぜひチェックしてみてくださいね!
「伝えたつもり」から卒業しよう! 説明上手になれる本
7月は『賢い人のとにかく伝わる説明100式』(深谷百合子、かんき出版が1位に輝きました。
会議でがんばって説明したのに、出席者は皆ぽかーんとした顔。「あれ、もしかして伝わってない……?」と、冷や汗をかいた経験はありませんか?
自分自身はわかっていても、「人に伝わるよう」に説明するのはことのほか難しいもの。本書では、伝えたいことを上手に説明するために有効な「型」がテンポよく紹介されています。
その1つが「相手の聞きたいこと」にフォーカスするというもの。何かを伝えようとするとき、自分の「伝えたい」思いが先立って空回りしていませんか?
人は本来、聞きたいことしか聞けないもの。自分の気持ちも大事ですが、少し冷静になって「相手が聞きたいことは何だろう?」と考えることで、伝わりやすさは各段に変わってくるでしょう。
本書には、相手に合わせた伝え方やわかりやすい説明の組み立て方、提案の通し方など、ビジネスで使える説明術が満載です。数多のノウハウを駆使して、日々の仕事に役立ててはいかがでしょうか。
要約のプロが語る、「言語化」よりも大切なこと
2位は『読む・聞く、まとめる、言葉にする』(松尾美里、フォレスト出版)。flier編集者の言語化術をまとめた本がランクイン!
著者の松尾美里さんは、flierで要約の執筆・編集に従事するほか、ライフワークとしてこれまで570名以上にインタビューをしてきました。本書では、本を読む・人の話を聞く「インプット」から要約や記事として「アウトプット」するまでのプロセスを、やさしい語り口で丁寧に解説しています。
多くの人は「うまく言葉にできない」「きれいな文章が書けない」と、言語化のプロセスに課題を感じているのではないでしょうか。ですが、良い言語化に必要なのは文章力ではなく「質の良いインプット」であると本書は説きます。対象を面白いと感じること、そのためにはインプット前にしっかり準備をすること。それが揃ってはじめて「質の良いアウトプット」が生まれるのです。
「読む」「聞く」「整理する」「言語化する」の流れが一気通貫でわかる一冊。本書を読めば、言語化への苦手意識が払拭されることでしょう。
AI時代だからこそつけたい「自分の頭で考える力」
3位は『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』(野村裕之、ダイヤモンド社)。
あなたの前に3人の村人がいます。1人は天使、1人は悪魔、1人は人間です。天使は必ず真実を言い、悪魔は必ず嘘をつき、人間はランダムに真実や嘘を言います。
3人の村人は、それぞれ「私は天使ではない」「私は悪魔ではない」「私は人間ではない」と言っています。さて、村人それぞれの正体は――。
こういったクイズを聞いたことはありませんか? このように特別な知識を必要とせず、論理的に考えれば答えが導ける問題を「論理的思考問題」と呼びます。インターネットで検索すれば他にもたくさん出てくるし、その答えも容易にわかるでしょう。
ですが、大事なのは「自分の頭を使って考えること」。ネットやAIで「正解」が簡単に手に入る時代だからこそ、自分自身で考えて解くことが大事なのだと著者は言います。 本書には「シュレディンガーの猫」など古今の論理的思考問題が数多く収録されています。頭の体操がてら、気軽にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
話題の書から、ビジネスと人生のヒントを得よう
7月は説明や言語化など、言葉にまつわる本が多くランクインしました。言葉を磨いて仕事やコミュニケーションに役立てたいという、マイナビ世代の意欲が見えた結果となりました。
本の要約サービスflierには、他にも、ビジネススキルを磨きたいときや自分とじっくり向き合いたいときに役立つ書籍が多くそろっています。7月のランキングでは、『モヤモヤを言葉に変える「言語化」講座』(ひきたよしあき、PHP研究所)、『「よい説明」には型がある。』(犬塚壮志、日本経済新聞出版)、『疲労とはなにか』(近藤一博、講談社)、『話し方の戦略』(千葉佳織、プレジデント社)、などがベスト10にランクインしました。
来月はどのような本が注目を集めるのか、楽しみにしていただければ幸いです。