原泰久氏による大人気漫画を実写映画化した『キングダム』シリーズ。2019年に映画『キングダム』、2022年に『キングダム2 遥かなる大地へ』、2023年に『キングダム 運命の炎』と公開され、3作連続で興行収入50億円超えという大人気作となっている。

紀元前、中国春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍になるという夢を抱く戦災孤児の少年・信と、中華統一を目指す若き王・エイ政の物語を壮大なスケールで描いている同作は、シリーズ最終章となる4作目『キングダム 大将軍の帰還』が公開され、9日間で観客動員数200万人、興行収入30億円を突破する大ヒット中。今回は、信役の山崎賢人(※崎はたつさき)、エイ政役の吉沢亮にインタビューし、これまでのシリーズを振り返る熱い話を語ってもらった。

  • 山崎賢人、吉沢亮

    左から山崎賢人、吉沢亮 撮影:宮田浩史

映画『キングダム』シリーズを1作目からけん引する山崎賢人&吉沢亮

――『キングダム』シリーズ最終章なのでこれまでも振り返ってお話を伺いたいです。改めて『キングダム』シリーズに出演して、ご自身でも変化はありましたか?

山崎:信と一緒に成長してきた数年間でした。これだけ映像でアクションをがっつりやったのも『キングダム』が初めてでしたし、『キングダム』から始まって、作品の中で成長できた部分と出会いが他の作品につながったりしていたので、成長しまくりです!

吉沢:そうだね。

――『キングダム』がなければ、出演していない作品もあったかもしれないと。

山崎:そう思っています。

山崎賢人、吉沢亮

吉沢:僕も、多くの方に知ってもらうきっかけになりましたし、もともと原作が大好きで、ずっと「エイ政をやりたいな」と思っていたので、夢が叶った作品でもあります。1作目が公開されてから5年も1つの役が世に出続けていて、僕自身、今後もたぶんあまり経験することないだろうと思う作品なので、すごく特別な思いがあります。

――特に印象に残っているお二人の思い出はありますか?

吉沢:やっぱり1作目の時は僕も戦場に行って、信とは常に一緒に行動していたし。熱かったよね。

山崎:熱い感じでした!

吉沢:熱い2人の思い出は、やっぱりあります!

――具体的にはどうでしょうか…!?

山崎:熱かったよね(笑)

吉沢:熱かった(笑)

山崎:ほんとに熱かった(笑)

吉沢:熱かったね(笑)。でも、なんであんなに熱かったんだろうね?

山崎:共演は何度かしてたんですけど、それまではあまり真面目に作品の話とか演技の話はしていなくて。

吉沢:ずっとふざけてた(笑)

山崎:ふざけてた!(笑)。だけど『キングダム』をやるとなって、2人の中で「ここから頑張っていこうぜ」という熱さが生まれて、真面目な話とかもしたりして。それはめっちゃいい時間でしたね。熱い夜があって、熱い昼の撮影があって、でまた熱い夜があって……エモいな。

吉沢:エモかったよ。

山崎:めっちゃ前だもんね。1作目を撮影してる時って、7年前とかでしょう?

吉沢:そんな前か! 『斉木楠雄のΨ難』を撮ってる時に、『キングダム』の熱い話をしてたよね

山崎:してたね!

吉沢:あんなコメディを撮ってる時に(笑)。まだ僕は『キングダム』出演が決まりきってはいなかったんですけど、プロデューサーの松橋(真三)さんから「吉沢くんでいきたい」と言っていただいていて。「決まるかわからないけど、もしかしたらエイ政になるかも」みたいな話をしていました。

山崎:「絶対やりたいね!」と言ってた。熱いね!

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  • 吉沢亮

――『斉木楠雄のΨ難』で吉沢さんが中二病の役をやっていた時にそんな熱い話をしていたということですか?

吉沢:そうです、中二病やってた時に(笑)

山崎:海藤瞬をやってた時(笑)

互いの姿を見て「嬉しい」「やっぱ山崎賢人すげえな」

――『キングダム2』以降は、信とエイ政がそれぞれ動く場面が多かったと思いますが、互いに「頑張っているな」ということは感じられていましたか?

山崎:その気持ちは、間違いなくずっとありました。僕は、信と同じ気持ちというか。エイ政を演じるお亮が離れた王座に座ってるのを見ていると、「嬉しい」という気持ちになるんです。あんなに近くにいたのに、王座のエイ政とは「ちょっと距離あんじゃん!」みたいな感覚がリアルでした。エイ政が、信とはあまり関わらない、昌平君(玉木宏)とか呂不韋(佐藤浩市)とかと一緒にいる姿を見て「わかんないけど、頑張れ!」という気持ちになるんです。たまに会ったら嬉しいし、安心するし、全然違う話をしていても刺激をもらえるし、また頑張ろうと思うし。リンクする部分はたくさんありました。

  • 山崎賢人
  • 山崎賢人

吉沢:僕は、王座のシーンでは自分がしゃべっていることが多かったので、その場に信がいてくれる安心感はありましたけど、実際に完成した映画を観るまで信の本気を見る瞬間がなかったんです。だから、信のアクションシーンを観たら改めて「やべえことやってんな!」と思いました。相変わらず「“信”が、“信”してる」みたいな感覚でした。1作目からの成長も感じたし「あ、やっぱ山崎賢人すげえな」と思って。たまに撮影所で会うと、体にとんでもないテーピングを巻いてたりするんですよ。「どうした? その腕」みたいな。本当に体を張っているんだなという、気合いみたいなものは常に感じていたので、「負けてられないな」と思いながら演じていました。

■山崎賢人
1994年9月7日生まれ、東京都出身。2010年に俳優デビューし、2015年の映画『ヒロイン失格』『orange-オレンジ-』で第39回日本アカデミー賞で新人俳優賞を受賞する。2024年には『キングダムシリーズ』シリーズで第23回ニューヨーク・アジアン映画祭(英語版)「The Best from the East Award」を日本人初受賞した。近年の主な出演作にドラマ『アトムの童』(22年)、『今際の国のアリス』シリーズ(20年~)、映画&ドラマ『ゴールデンカムイ』シリーズ(24年~)、『陰陽師0』(24年)など。ヘアメイク:高橋幸一(Nestation)、スタイリスト:伊藤省吾(sitor)

■吉沢亮
1994年2月1日生まれ、東京都出身。2010年に俳優デビューし、2019年に『キングダム』で第43回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞などを受賞。2021年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』で主演を務める。近年の主な出演作に、ドラマ『PICU 小児集中治療室』(22年)、映画『ブラックナイトパレード』では主演を務めた。近年の出演作に『キングダム2 遥かなる大地へ』(22年)、映画『東京リベンジャーズ』シリーズ(21年~23年)、『ファミリア』『かぞく』(23年)など。公開待機作に『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(9月20日公開)、『国宝』(25年)がある。ヘアメイク :小林正憲(SHIMA)、スタイリスト:荒木大輔