バレーボールの視聴質データでは、6月に行われたバレーボールネーションズリーグ福岡ラウンドを見ると、こちらも男女ともに世界レベルでの活躍が目覚ましく、代表戦に多くの人々が関心を寄せている。

女子の試合では常に個人全体で60%を超える高い注目度を維持し、男子の試合では放送を重ねるごとに注目度が上昇、最終的に女子に匹敵する水準に達している。コア視聴層(13~49歳)の注目度も概ね高く、若い世代にも強い関心を持たれていることが分かる。世帯視聴率を見ても、女子のカナダ戦の9.1%を筆頭に、概ね5~7%台を維持。平日夜のプライムタイムにこの水準の視聴率を記録していることは、バレーボールが幅広い層に支持されていることを示している。

特に注目度、視聴率共に高い結果を残したのは、6月13日に福岡で開催された女子のカナダ戦。世界ランク6位の日本と10位のカナダによる接戦は、パリ五輪出場権獲得の行方を左右する重要な一戦となった。試合開始直後から両チームが互いに譲らず、緊迫した雰囲気が会場を包んだ。

日本チームは古賀紗理那キャプテンと石川真佑選手を中心に攻撃を展開し、立て続けに2セットを連取。しかし第3セットから流れが一変。カナダチームが持ち前の高さを生かした攻撃を繰り出し、日本チームを圧倒して一気に2セットを奪い返す。勝負の行方を決める最終セット。両チームの意地がぶつかり合う中、2点差でカナダチームが勝利をつかんだ。

この試合結果により、惜しくもパリ五輪出場権獲得は次戦以降に持ち越されることとなったが(※他国の結果により翌日に五輪出場が確定)、逆にこの劇的な展開が視聴者の視線をくぎづけにしたものと思われる。

男子バレーは放送を重ねるごとに上昇

一方、男子日本代表の試合も放送を重ねるごとに注目度が上昇していく様子が見られた。男性の注目度に着目すると、6月4日のイラン戦では53.0%だったが、6月8日のスロベニア戦では60.7%まで上昇。大会の進行とともにチームの成長や試合の重要性が増し、視聴者がくぎづけとなっていった様子がうかがえる。

この大会で、最終的に男子は決勝まで駒を進め、見事に主要世界大会で47年ぶりとなる銀メダルを獲得。エースの石川祐希選手が大会前から言っていた「決勝に行くことがパリオリンピックで金メダルを獲得するうえで非常に重要」の宣言通り、まさに有言実行の結果となった。1972年以来のメダル獲得を目指す、本大会への期待も一層高まりを見せている。

パリオリンピックでは、男子は石川祐希選手や西田有志選手、女子は古賀紗理那選手や石川真佑選手らが中心となって戦う。彼らの活躍が、注目度にも大きな影響を及ぼすと予想される。