50代を迎えて老後の足音が近づくにつれ、お金を貯めなくてはと考え始める人は多いことでしょう。その際には、どのようなことに注意しなければないのでしょうか?

50代を迎えて老後の足音が近づくにつれ、お金を貯めなくてはと考え始める人は多いことでしょう。その際には、どのようなことに注意しなければないのでしょうか? 考えてみましょう。

◆収支のバランスを見極めよう

50代は、会社員であれば収入のピークを迎える時期です。子どもの手が離れていれば自由に使えるお金も増えていきますので、結婚する前に次いで貯蓄しやすい時期と言われています。

ただし近い将来に定年退職が控えているため、会社員として働くことのできる時間は限られています。何となくお金を貯めることは難しくなります。50代では計画的にお金を使い、貯めていくことが必要です。

まず確認すべきことは、各種ローン残高です。退職金で完済を計画している人もいるのですが、退職金のすべてを返済に回してしまったら、最悪の場合、貯蓄残高0円ということにもなりかねません。できる限り現在得ている収入を貯めて繰上返済等をして、定年退職前に完済したいものです。

ローン残高にもよりますが、現役中では完済できない人もいることでしょう。そのような場合には、できるだけ退職金を使わなくても済むよう、住宅ローンを減らせるように毎月の返済計画を練り直すようにしましょう。

また、60代でも引き続き働くという人もいるかと思います。無理のない範囲で返済し続けることも考えてみましょう。

◆運用は大きな損失が出にくい商品や運用方法を選ぶ

現役で働ける時間が限られているため、運用で冒険することは避けなければなりません。「利回り数十%」「10年後に運用額が倍に」などのオイシイ言葉が並ぶ金融商品があったとしても、リターンと同様にリスクも大きくなってしまいます。

50代で運用するべき商品の基本は、元本が保証されている銀行の定期預金や積立系の商品です。

リスクを抑えた運用であれば、積立型の投資信託を活用するという方法もあります。iDeCoや新NISAに挑戦してもいいですね。積立型の場合、ドルコスト平均法と言って、基準価額が高額なときには少なく、低額なときには多く購入する方法で買い付けていきますので、購入価格を平準化することができます。

もう少し積極的に運用したいなら、通常の売買単位の10分の1から購入可能なミニ株に挑戦してもいいですね。

株という名前が示すように元本は保証されていませんが、株主総会の参加の権利を持つ単位株を保有している人と同様に、配当を受けることができます。

ミニ株では株主優待は受けられませんが、会社によっては端数株でもOKとしているところもありますので、株式投資の勉強がてら、調べてみてもよいですね。

◆楽しみながらお金を貯めてみよう

運用ではありませんが、買い物をする際のお店選びにも一工夫を! 楽天やヤフーなどのショッピングサイトでは、食品や日用品から旅行のパッケージツアーなどを取り扱っています。

そして、これらの商品をサイトから購入すると、購入価格の数%から10%(場合によってはそれ以上)のポイントが付きますので、実質、割引で購入したのと同じ効果があります。貯まったポイントはサイトで利用できるだけでなく、提携の一般店舗でも利用できますので、メリットもいっぱいです。

ここで紹介したこと一例にすぎません。まずは現在の収支とローンがあれば返済計画を再考することが大切です。その上で、どのような商品で貯蓄・運用するのかを考えるとよいでしょう。

50歳から毎月3万円貯蓄できれば、10年間で360万円貯まります。

セカンドライフを見据えて、コツコツと貯めていきましょう。

文:飯田 道子(ファイナンシャルプランナー)

金融機関勤務を経てFP(CFP、1級FP技能士)を取得。独立系FPとして、各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などを行っている。金運アップやポジティブお金など、カラーセラピーと数秘術を取り入れたアドバイスも得意。

文=飯田 道子(ファイナンシャルプランナー)