サッカー元日本代表・坪井慶介「攻守に渡って“キー”になる」パリ五輪で注目している“なでしこジャパンの選手”とは?
スポーツジャーナリスト・中西哲生と横山ルリカがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「TOKYO TEPPAN FRIDAY supported by Ginza Sony Park」。「なでしこジャパン めざせ!世界No.1」のコーナーでは、7月26日(金)〜8月11日(日)に開催される「パリ2024オリンピック(以下、パリ五輪)」に出場するなでしこジャパン(サッカー日本女子代表)の魅力や、パリ五輪の女子サッカーをより楽しむために、さまざまなサッカー関係者をゲストに迎え、お届けしています。

7月12日(金)の放送では、サッカー元日本代表・坪井慶介さんが登場! パリ五輪の見どころや、なでしこジャパンの注目選手などについて伺いました。

(左から)横山ルリカ、坪井慶介さん、中西哲生

1979年生まれの坪井さんは、四日市中央工業高校から福岡大学を経て、2002年に浦和レッドダイヤモンズに入団。ルーキー時代からディフェンダーとして活躍し、日本代表に初招集された2003年には、Jリーグでベストイレブンに選出。2006年開催の「FIFAワールドカップ」ドイツ大会では主軸として活躍し、その後、湘南ベルマーレ、レノファ山口を経て2019年シーズンを最後に現役を引退。現在はサッカー解説や普及活動に力を注いでいます。

◆坪井「女子サッカーは“技術が繊細で面白い”」

現在、サッカー解説者としてさまざまなメディアで活躍されている坪井さん。そこで中西が「現役時代とサッカーの見方は変わりましたか?」と尋ねると、「現役よりも(各選手の)前段階を見ていたり、ピッチを広く見るようになりました。解説席からは(ピッチを俯瞰できて)3次元的に見られるので“今この嚙み合わせが起こっているから、こうなるかもしれない”みたいな、いろいろと予測を立てられたりするのが、解説をしていて面白いところです」と語ります。

坪井さんは、男子だけでなく、なでしこジャパンの試合や女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」の試合解説も担当していますが、最初に女子サッカーを観たときのことを伺うと、「“迫力やスピードはどうなんだろう? 男子よりも劣るのかな?”とか思っていたんですけど、試合を観てみると全然そんなことはなくて。めちゃくちゃ楽しいし、技術も繊細ですし、うまい部分もたくさんあって“面白い!”と思いながら解説していました」と振り返ります。

さらに日本の女子サッカーの特徴として、「大ざっぱなプレーをする選手が少ないですし、逆を取ることが上手な選手がたくさんいるので、特に子どもたちに、そういったプレーを観てほしいと思います。もちろん映像でもいいんですけど、やっぱり、現地に行って観たほうがより面白いと思います」と熱弁します。

そんな坪井さんも注目するなでしこジャパンは、7月26日(金)に開幕するパリ五輪への出場が決まっています。そして、7月13日(土)に石川県・金沢ゴーゴーカレースタジアムおこなわれたパリ五輪前の国内最後の国際親善試合「MS&ADカップ2024~能登半島地震復興支援マッチ がんばろう能登~」では、ガーナ女子代表に4-0で見事勝利しました!

またこの試合で、なでしこジャパンは前半・4バック、後半・3バックと2つのシステムを併用しましたが、このフォーメーションについては坪井さんも「3バックの場合、守備のときに5バック気味にしてしっかり横のスペースを消していくのか? とかは、(大会本番でどうするのか)楽しみなところですね」と注目します。

ちなみに、なでしこジャパン監督の池田太さんは、坪井さんが浦和レッズに所属していたときのコーチだそうで、「太さんは兄貴的な存在で、僕らの無駄口なんかにも付き合ってくれる方でした」と当時を振り返りつつ、「太さんの一番の良さは“情熱”だと思うので、それを存分に発揮してほしいですし、選手の皆さんにも伝えてほしいですね。あとはディフェンダー出身ですから、3バックと4バックの併用の話をしましたが、守備の部分をどうするのか、相手や時間帯、流れによってどう使い分けていくのか注目したいです」と話します。

◆坪井慶介が注目選手を紹介!

今回のなでしこジャパンのメンバーを見ると、世界屈指の強豪クラブでプレーしている選手も多数いますが、これについて坪井さんは、「男子と同様に、本当に素晴らしいことだと思います。それに“国際経験”という意味では、外国の選手と毎週バチバチやっているわけですから、本当にかけがえのない経験だと思いますし、そういった選手たちは、すごく頼りになるかなと思います」と期待を寄せます。

そこで、坪井さんが考える“なでしこジャパンの注目選手”を伺うと、攻守ともに、長谷川唯選手(マンチェスター・シティWFC)と長野風花選手(リバプールFCウィメン)を挙げます。

ボランチ(守備的ミッドフィルダー)での出場が予想される2選手ですが、まず攻撃面では“ゲームコントロール”に注目し、「ボール保持の部分と、2人は“縦パス”がうまいですから、ゆっくり攻めるときと早く攻めるときの区別を試合中にうまくつけてくれることが、日本にとってすごく大事だと思います。逆に(ボールが)行ったり来たりする展開は、日本からするとあまり望ましくないかなと思います」と解説します。

そして、守備面では「日本のセンターバック陣も体格的に優れた選手がそろってきています。なので、センターバックが(相手のフォワードを)ガツンと数で止めて、その後のプレスバック(DFが相手選手を止めているあいだに、MFの選手が挟み込んでボールを奪うこと)がポイントになると思います」と坪井さん。

実際に、パリ五輪出場を決めた北朝鮮戦でも長谷川選手のプレスバックがうまく機能していたそうで「攻守に渡って“キー”になる2選手ですね」と大きな期待を寄せます。

最後に坪井さんは、なでしこジャパンに向けて「“はつらつとプレーをしてほしい”というのが一番ですが、やっぱり僕らは、結果(メダル)を期待しちゃいますよね(苦笑)。だから(なでしこジャパンを)応援しましょう!」と呼びかけていました。

<番組概要>

番組名:TOKYO TEPPAN FRIDAY

放送日時:毎週金曜15:00-17:00

パーソナリティ:中西哲生・横山ルリカ

番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/teppan/

特設サイト:https://audee.jp/program/show/300004876