JR東日本テクノロジーとパナソニックは22日、両社が共同で開発した微粒子イオン「ナノイーX」の発生装置が阪急電鉄の車両に採用されたと発表した。7月21日に運行開始した京都線の新型特急車両2300系、神戸線・宝塚線で導入予定の新型通勤車両2000系に搭載される。

  • 阪急電鉄の新型特急車両2300系。「ナノイーX」発生装置を搭載

パナソニックが開発したナノイーは、空気中の水に高電圧を加えて生成するナノサイズの微粒子イオンで、さまざまな物質に作用しやすいOHラジカル(高反応成分)を含んでいるという。「ナノイーX」は、このOHラジカルの生成を従来比10倍に高めたもので、脱臭や菌・アレル物質の抑制などの効果があるとして、さまざまな施設・公共空間で採用する例が増えている。

鉄道車両はドアの開閉や人の出入りが頻繁にあり、細長く広い空間という特異な環境であるため、車両内で均一に広がるような制御をしなければナノイーの効果が最大限に発揮されない。JR東日本テクノロジーとパナソニックはこのことを踏まえ、「ナノイーX」デバイスに制御電源装置を組み込み、鉄道車両に最適化した製品を開発した。

  • 車内の天井部に設置された「ナノイーX」発生装置

阪急電鉄の車両における「ナノイーX」の搭載は今回が初とのこと。阪急電鉄の採用にともない、鉄道車両におけるナノイーの採用は全16社となった。