毎日なにかと忙しい。あわただしい日常から離れて、いったん心を休めたい。思い立って、JR東海の観光キャンペーン「そうだ 京都、行こう。」の「京都がくれる癒し」を巡る旅に出かけてきた。
まるで名画鑑賞、お堂に座って名庭を拝観
まずは新テレビCMやポスターグラフィックの舞台でもある「蓮華寺」へ。市街地の喧騒を離れ、比叡山の麓にある境内に足を踏み入れると、自然と心が落ち着く静かな空間。京都通でなければ知らない、穴場的スポットだ。
お堂に座って柱を額縁に見立てて池泉回遊式庭園を眺めれば、まるで名画のような趣を感じることができる。
拝観、というのは、心静かにお庭と向き合い、そこに込められた仏教の世界を感じることなのだそう。ただ座っているだけで心がほどけていくよう。
モダンなカフェで季節を感じる和菓子
同じくCMにも登場する「カフェ・ドン バイ スフェラ」は、京都祇園の遊歩道に佇むモダンなカフェ。ライフスタイルブランド「スフェラ」が運営する複合施設の中にある。
洗練されたインテリアに囲まれながら、北大路にある老舗和菓子屋「嘯月(しょうげつ)」の生菓子をいただく。季節感やお気に入りのものを取り入れた暮らしを体感するひととき。
鴨川納涼床で本格北京料理を囲む楽しい夜
夕食に訪れたのは、鴨川沿い、四条大橋そばの「東華菜館」。京都好きなら一度は目にしたことがあるであろう(そして気になっていたであろう)レトロな洋館の中華レストランだ。京都の夏の風物詩・鴨川納涼床で川辺の風を感じながら、本格的な北京料理を囲む。観光地のど真ん中にいながらも、これまで体験したことのない、ユニークな夜を過ごすことができた。
京都町家風のホテルでひと休み
旅の折り返しは「三井ガーデンホテル京都新町 別邸」で。新町通の旧松坂屋京都仕入店跡地の建物デザインを再生活用した、京町家風のホテル。町家らしい格子窓のある客室や人工炭酸泉の大浴場、八寸とハーフビュッフェの和朝食でひと休み。
名刹で隠れた「至宝」に出会う
続いて訪れた「東福寺」の通天橋は、京都を代表する紅葉の名所の一つ。幾重にも重なる夏の青もみじも、吸い込まれるような美しさだった。
同寺は創建当初、禅宗と密教を兼ねたような寺院だったこともあり、平安・鎌倉・南北朝・室町時代の珍しい仏像が数多く伝わってきた。ガイドの案内とともに特別公開する至宝巡り(1日5組限定の特別拝観/拝観料5,000円)は、一般非公開の場所にも足を踏み入れることができるとあって人気があるそうだ。
明治の歴史的迎賓館で極上フレンチ
旅の最後を締めくくったのは、明治の歴史的迎賓館であり、京都市有形文化財として長い歴史を持つ「長楽館」のフレンチレストラン。
建築や調度品一つひとつに華麗なる歴史の面影が残る館内で、美食を追求したフレンチが提供される。
デザートカフェ長楽館のシグネチャースイーツ「ミルフォイユ」は、空気のようにサクサクのパイ生地と濃厚なカスタードクリームを注文を受けてから組み上げられたもの。バラの形に絞ったクリームの「ウインナーコーヒー」とあわせれば最高に優雅な午後に。
和洋が融合した館内には、来賓を迎えたさまざまな部屋がある。一般公開はしていないが、1〜2階のカフェのスペースは食事の前後で特別に見学もできるとのこと。
1993年に開始された「そうだ 京都、行こう。」は30周年。過去のキャンペーンの舞台となった寺院とコラボした30周年限定のオリジナル御守りと拝観券のセットプランなど、さまざまな観光プランが用意されている。
例年一つの寺院などがクローズアップされるキャンペーンだが、2024年夏は初めての試みとして「癒し」がテーマとなっている。1200年以上の歴史が凝縮された京都に身をゆだね、非日常の中に自分だけの癒しを感じに出かけてみてはいかがだろうか。
取材協力: JR東海