毎日なにかと忙しい。あわただしい日常から離れて、いったん心を休めたい。思い立って、JR東海の観光キャンペーン「そうだ 京都、行こう。」の「京都がくれる癒し」を巡る旅に出かけてきた。

  • 2024年夏の「そうだ 京都、行こう。」新テレビCMやポスターグラフィックの舞台「蓮華寺」の池泉回遊式庭園

まるで名画鑑賞、お堂に座って名庭を拝観

まずは新テレビCMやポスターグラフィックの舞台でもある「蓮華寺」へ。市街地の喧騒を離れ、比叡山の麓にある境内に足を踏み入れると、自然と心が落ち着く静かな空間。京都通でなければ知らない、穴場的スポットだ。

  • 「蓮華寺」は、江戸初期に洛中から現在の地に移され、再興した天台宗の寺院。拝観料500円

  • 美しい苔で覆われた境内

お堂に座って柱を額縁に見立てて池泉回遊式庭園を眺めれば、まるで名画のような趣を感じることができる。

  • お堂に座って美しい池泉回遊式庭園を眺める

  • 池に配された鶴石・亀石は、仏様に出会えた気持ちや喜ばしい世界を石で表現したもの

  • 青もみじの深緑が美しい

拝観、というのは、心静かにお庭と向き合い、そこに込められた仏教の世界を感じることなのだそう。ただ座っているだけで心がほどけていくよう。

モダンなカフェで季節を感じる和菓子

同じくCMにも登場する「カフェ・ドン バイ スフェラ」は、京都祇園の遊歩道に佇むモダンなカフェ。ライフスタイルブランド「スフェラ」が運営する複合施設の中にある。

  • 京都祇園の緑豊かな遊歩道に面した「カフェ・ドン バイ スフェラ」

  • "毎日の暮らしを少しだけ「特別」にみせる"、スフェラ製品を体感できる店内

  • 同じ施設にインテリア製品を紹介するショップもあり、カフェで体験した製品を購入できる

  • こちらはCM内で俳優の安藤サクラさんが座っていた席!!

洗練されたインテリアに囲まれながら、北大路にある老舗和菓子屋「嘯月(しょうげつ)」の生菓子をいただく。季節感やお気に入りのものを取り入れた暮らしを体感するひととき。

  • お抹茶と名店「嘯月」の上生菓子。「嘯月セット」(金土日・数量限定)は、嘯月の上生菓子と好きな飲み物で1,500円

  • 京都の四季を感じる美しい上生菓子たち

鴨川納涼床で本格北京料理を囲む楽しい夜

夕食に訪れたのは、鴨川沿い、四条大橋そばの「東華菜館」。京都好きなら一度は目にしたことがあるであろう(そして気になっていたであろう)レトロな洋館の中華レストランだ。京都の夏の風物詩・鴨川納涼床で川辺の風を感じながら、本格的な北京料理を囲む。観光地のど真ん中にいながらも、これまで体験したことのない、ユニークな夜を過ごすことができた。

  • 鴨川沿いに建つ、気になっている人も多いであろう(筆者も長年気になっていた)北京料理レストラン「東華菜館」

  • 中華レストランにして京都伝統の鴨川納涼床も有する

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    納涼床からは四条大橋の上を行き交う人たちも見える

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    スパニッシュ・バロック様式のレトロな洋館。店内には個室、宴会場、一般客席、屋上にはビアガーデンの客席も

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    コース料理は1人6,600円〜(サービス料別)、一品料理は1,600円前後〜50数種類用意されている。写真はコース料理1万1,000円〜のうちの一品

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    現存する日本最古のエレベーター

京都町家風のホテルでひと休み

旅の折り返しは「三井ガーデンホテル京都新町 別邸」で。新町通の旧松坂屋京都仕入店跡地の建物デザインを再生活用した、京町家風のホテル。町家らしい格子窓のある客室や人工炭酸泉の大浴場、八寸とハーフビュッフェの和朝食でひと休み。

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    京町家風の「三井ガーデンホテル京都新町 別邸」

名刹で隠れた「至宝」に出会う

続いて訪れた「東福寺」の通天橋は、京都を代表する紅葉の名所の一つ。幾重にも重なる夏の青もみじも、吸い込まれるような美しさだった。

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    夏は緑に包まれる、もみじの名所「東福寺」通天橋からの眺め。拝観料: 東福寺本坊庭園(方丈)は大人500円・小人300円、通天橋・開山堂は大人600円・小人300円(秋季11月11日〜12月3日は大人1,000円・小人300円、共通拝観券は大人1,000円・小人500円(11月11日~12月10日まではなし))

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    通天橋を散策

同寺は創建当初、禅宗と密教を兼ねたような寺院だったこともあり、平安・鎌倉・南北朝・室町時代の珍しい仏像が数多く伝わってきた。ガイドの案内とともに特別公開する至宝巡り(1日5組限定の特別拝観/拝観料5,000円)は、一般非公開の場所にも足を踏み入れることができるとあって人気があるそうだ。

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    一般非公開・重要文化財「光明宝殿」の重要文化財「阿弥陀如来坐像」(平安時代)

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    室町初期再建の国宝「三門」

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    一般非公開の三門楼上内部には諸仏が並び、天井や柱には極彩画が描かれている

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    三門楼上からの眺望

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    三門楼上から見た本堂

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    こちらも一般非公開、本堂内部の天井には蒼龍図が描かれている

明治の歴史的迎賓館で極上フレンチ

旅の最後を締めくくったのは、明治の歴史的迎賓館であり、京都市有形文化財として長い歴史を持つ「長楽館」のフレンチレストラン。

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    円山公園近くにある明治の歴史的迎賓館「長楽館」

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    "煙草王"と呼ばれた実業家 村井吉兵衛氏により国内外の賓客をもてなすために建築されたのが始まり

建築や調度品一つひとつに華麗なる歴史の面影が残る館内で、美食を追求したフレンチが提供される。

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    フレンチレストラン「ル シェーヌ」

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デザートカフェ長楽館のシグネチャースイーツ「ミルフォイユ」は、空気のようにサクサクのパイ生地と濃厚なカスタードクリームを注文を受けてから組み上げられたもの。バラの形に絞ったクリームの「ウインナーコーヒー」とあわせれば最高に優雅な午後に。

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    ほろにがいキャラメルアイスとともにいただく「ミルフォイユ」

  • バラの形に絞ったクリームが印象的な「ウインナーコーヒー」

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    人気のアフタヌーンティーセットは1名5,000円〜

和洋が融合した館内には、来賓を迎えたさまざまな部屋がある。一般公開はしていないが、1〜2階のカフェのスペースは食事の前後で特別に見学もできるとのこと。

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    東山を借景とするロケーション。写真はホテル宿泊者専用ライブラリーからのもの

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    全室わずか6室のツインルームを併設。宿泊料金は1泊1室2名9万円〜(朝食付き)

1993年に開始された「そうだ 京都、行こう。」は30周年。過去のキャンペーンの舞台となった寺院とコラボした30周年限定のオリジナル御守りと拝観券のセットプランなど、さまざまな観光プランが用意されている。

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    「そうだ 京都、行こう。」30周年特別プランでもらえる御守り

例年一つの寺院などがクローズアップされるキャンペーンだが、2024年夏は初めての試みとして「癒し」がテーマとなっている。1200年以上の歴史が凝縮された京都に身をゆだね、非日常の中に自分だけの癒しを感じに出かけてみてはいかがだろうか。

取材協力: JR東海