海外からの参加者増、女性の参加率もアップ…世界からも注目される「富士ヒル」舞台裏を野島裕史が振り返る
声優界随一のサイクリスト・野島裕史がパーソナリティをつとめ、自転車をテーマにお届けするTOKYO FMのラジオ番組「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」。7月14日(日)の放送は、「FUNRiDE presents 富士の国やまなし 第20回Mt.富士ヒルクライム」の企画協力をおこなっているスポーツ自転車専門のWebメディア「FUNRiDE」の山本健一さんをゲストに迎えて、記念すべき今年の20回記念大会を一緒に振り返りました。

(左から)パーソナリティの野島裕史、山本健一さん

◆今年の「富士ヒル」をヤマケンさんと振り返る!

野島:今回は「ヤマケンさんと振り返る富士ヒルクライムスペシャル」と題し、6月2日(日)に開催された「FUNRiDE presents 富士の国やまなし 第20回Mt.富士ヒルクライム(以下、富士ヒル)」を大会運営的な側面から振り返ってみたいと思います。

「富士ヒル」は僕が一番大切にしている大会なので、反省しまくっていきたいと思いますが、ゲストはおなじみ「富士ヒル」の企画協力をおこなっているスポーツ自転車専門のWebメディア「FUNRiDE」のヤマケンさんこと山本健一さん。今年5月以来の出演です。よろしくお願いします!

山本:よろしくお願いします。

野島:先日はお疲れ様でした。現場でもお会いして……。

山本:野島さんはだいぶ緊張されていたようでしたが。

野島:結構緊張していましたね。(「富士ヒル」)20回記念大会ということで、今年こそ(目標の90分切りを)と自分にプレッシャーをかけていたので……次回頑張ります(苦笑)。

今回オンエアは7月なんですけど、この収録は大会を終えた3週間後です。今の心境はいかがでしょうか?

山本:まだ残務というか、いろいろなやりとりが続いていて慌ただしくしています。

野島:そんなお忙しいところ(お越しいただき)本当にありがとうございます。さて、番組的には前回「富士ヒル大反省会スペシャル」をおこないましたが、今年の私のタイムは98分。ちょっと不甲斐なかったんですけど、今回は心拍をまず意識して、走り出しの心拍を上げすぎないように注意しながら上ったら、例年に比べてタイムは及ばなかったものの、自分の体や、脚を使い切った充足感と満足感が得られたんですよね。なので、僕的にはエンジョイできたなと感じました。

山本:それはよかったですね。

野島:ちょっと言い訳にもなりますが、「富士ヒル」はタイムだけではないですもんね。

山本:エンジョイしていただけたのであれば本当に嬉しいです。

野島:あとはトレーニングをしっかりおこなって脚をちゃんと鍛え、同じように力を出し切ればいいんだと感じました。

山本:そうですね。ただ、野島さんが90分を切ってしまうと、もう(「富士ヒル」に参加するのを)やめてしまうんじゃないかと……。このまま(90分を)切らないほうがいいかなとも思っています(笑)。

野島:確かに(笑)。90分を切るとモチベーションが下がってしまいそうですね(笑)。

山本:でも、(90分を切ったら)次は75分を目指していただいて。

野島:そうですね。まだまだ道のりは長いということで頑張っていきたいと思います。

◆海外からの参加者増! 世界が注目する「富士ヒル」

野島:改めて今年の「富士ヒル」はどうだったのかを振り返ってみたいと思いますが、山本さんはいつから現地に入っていたんですか?

山本:5日前ですね。

野島:結構前に入るんですね!

山本:会場入りして(富士山)五合目のチェックですとか、各会場のチェック、そうこうしているとあっという間に大会当日を迎えてしまうんですよ。

野島:5日もあっという間?

山本:資材のチェックをしていると本当に時間が経つのは早いですね。やはり規模が大きいので、比較的早めから現地入りしています。

野島:規模感という意味では、今大会は約9,000人がエントリーということでしたが、実際に参加したのはどれくらいだったんですか?

山本:走られた方は8,300人弱で、過去20回の大会のなかで2番目の規模ですね。

野島:もうすっかりアフターコロナといいますか、すっかりコロナから回復した感じがありますね。では、参加者の特徴は何かありましたか?

山本:大きく2つあって、ひとつ目は海外からの参加者が増えました。

野島:それは僕も肌で感じました。日本語以外の言語があちこちで聞こえてきて。やはり、世界的に「富士ヒル」というイベントが周知されてきたということですかね?

山本:おかげさまで富士山というコンテンツが魅力的で、アジアからのお客さまが非常に多く、特に女性の参加率が高かったんですよね。今回、女性の参加率は10%を超えていて、普段はだいたい6~7%くらいなので急に上がったんですよ。

野島:そうなんですね。ちなみに、(最高で)何歳ぐらいの方が出ていたかご存じですか?

山本:80歳の方がいらっしゃいましたね。

野島:さすがですね。その方は回収もされずに?

山本:完走されていたと思います。

野島:それは幅広い年齢層で性別も関係なく参加できる大会であるということですよね。僕らの先輩声優の井上和彦さんが70歳記念といって参加していました。「記念で参加するの?」とか思っていたんですけど、ちゃんと完走されて、しかもエンジョイされていて。(井上さんは)「また出たい」とおっしゃっていました。やはり、「富士ヒル」というのは1度出るとハマってしまうものなんだなと改めて思いました。

山本:ありがたいですね。

野島:そして大会当日。朝は霧があって寒くて、僕らは大丈夫かなとも思ったんですけど、運営側としてはどうでしたか?

山本:今回、台風1号が発生し、梅雨前線の影響があるということで大会の1週間くらい前から毎日、というか3時間おきぐらいに天気予報をチェックし、一喜一憂していました。すごく忙しかったですね。

野島:やはり天気によって準備するものが変わってくるものですか?

山本:そうですね。ワーストシナリオを想定して機材を揃えていくので。

野島:ただ、結果的に四合目より上は晴れていました。

山本:それが山の不思議というか、僕らも晴れるとは思っていませんでした。(晴れている)写真が送られてきたときは目を疑いましたからね(笑)。

野島:そうかと思えば、下りは雹(ひょう)が降ったりもしました。ただ、五合目では放送で「天候不順があり得るから早めに下山するように」と案内されていたりと、そうしたところからも常に天候と闘っているんだなと思いましたね。

◆優勝は今後期待の逸材! 一方で参加者たちには変化が…

野島:そしてレースですが、今年の「富士ヒル」を制したのは群馬グリフィンの金子宗平選手。タイムは56分42秒、凄まじいですね。しかも2連覇。これは大会史上2人目の快挙ですが、この結果についてはどうご覧になっていますか?

山本:彼は“逸材”と言ってもいいと思います。先日おこなわれた全日本選手権でもタイムトライアルで優勝、ロードレースの部で2位という素晴らしい成績を収めています。

野島:並々ならぬ努力をなさっていると思うんですけど、これは相当の逸材だと。ぜひ来年、再来年も出てほしいですね。

山本:そうですね。手の届かないところにいってしまいましたけど、また「富士ヒル」に出ていただけたら嬉しいですね。

野島:金子選手には、ぜひ3連覇を達成していただきたいと思います。その他、結果データから見えてくる今年の大会の特徴はありましたか?

山本:SNSなどを拝見していると、皆さん目標が具体的で、どのフィニッシャーリング(完走したときにタイムに応じてもらえるリング)を目指すかしっかりフォーカスされているんですよね。

例えば、主催者選抜クラスだと優勝を狙う一方で60分切りのプラチナリングを狙いましょうとか。そうやって(目標に応じて)コミュニティを形成して、みんなで力を集約して走る形に変わっているなと思いました。

野島:同じような(目標)タイムの方々が集まってコミュニティができているということですね。

山本:そうなんです。そこでみんな結託して(目標)タイムを目指す。なので、優勝者がひとりではないような雰囲気が出ていて、これはリングがあってよかったなと思いました。

◆レース以外も楽しみが盛りだくさん、野島も大満足

野島:ヤマケンさん的に大会自体は何事もなく進みましたか?

山本:ひとつあるとしたら、これは嬉しい誤算なんですけど、今回参加賞が足りないという事態が起きてしまって。

野島:想定以上に参加者が多かったと。

山本:そうですね。嬉しいけど申し訳ないというか。当然、(参加賞を)お渡しできなかった方には後日用意しました。

野島:嬉しいハプニングという感じですね。あとは、今大会で新たに得た気づき、学びはありましたか?

山本:いつも反省ばかりなんですけど、参加者の皆さんの期待の高さがあるので、それに対してどう応えていくか、そればかり日々考えている状況ですね。

野島:レース前日におこなわれていたサイクルEXPOもここ最近で最も出店数が多く、僕的には大満足でした。

山本:出展者の皆さんのご協力あっての盛り上がりというか、「富士ヒル」を盛り上げていただくために、そしてお客さまのために開催していただいて。あれは本当に良かったですね。

野島:僕はあそこで結構買い物をして散財しちゃいました(笑)。でも、最近は便利ですよね。ああいったところでも携帯で支払いができたりして。すごく便利になったなと思っていろいろ買ってしまいました。

山本:自転車業界に貢献していただいて本当にありがとうございます。

野島:本当に楽しく買い物をさせていただきましたが、ぶっちゃけお金さえあれば手ぶらで会場に来ても「富士ヒル」には参加できますよね。

山本:そうですね。自転車も買える環境があるので。

野島:サイクルジャージからシューズまで全部揃えられる店舗数とバラエティの豊富さ。補給食も買えますからね。だから逆に忘れ物が怖くないと思いました。何か足りないものがあっても(買えばいいので)大丈夫ですし。さらには、(自転車の)メンテナンスをしてくださるところもありますし。そういった意味では、安心感のある大会だなと改めて思いました。

今回は20回目という節目の大会だったわけですが、来年21回目に向けての意気込み、展望はありますでしょうか?

山本:意気込みとしては、やはり雨を降らさないようにしたいですね(笑)。

野島:それは天のみぞ知る(笑)。ヤマケンさんのパワーだけでは難しいですけど、やっぱり天気が一番気になりますよね。これはもう参加者全員で晴れパワーを送る、てるてる坊主を作るなどしないとですね。あと、個人的にはレース前日におこなわれたパレード走行も楽しそうだなと思いました。

山本:それは20回大会記念としておこなったんですけど、思いのほか盛り上がりましたね。地元の方にも盛り上げていただいて、楽しかったという声も多かったので、僕も行けば良かったと思いました。

野島:すごく盛り上がっていましたよ! なので、希望としては来年もぜひ検討していただきたいですね。できれば僕も参加したいので(笑)。

山本:ぜひぜひ。もっと盛り上げていけたらと思います。

野島:よろしくお願いします。ということでいろいろと伺ってきましたが、最後にヤマケンさんからお知らせなどがあれば。

山本:2つありまして、ひとつは皆さん気になっている次回の「富士ヒル」の開催日なんですが……。

野島:まさか、もう聞けるんですか!?

山本:ここで発表することはできないんですけど(笑)。

野島:ですよね(笑)。いくらなんでも。

山本:秋頃に実行委員会が開かれ、そこで承認を得てから発表となりますので、もうしばらく待っていただければと思っております。

野島:めちゃめちゃ楽しみにしています!

山本:そしてもうひとつ、(「富士ヒル」の)関連イベントとして10月に「八ヶ岳高原ロングライド」という山梨県北杜市を1周グルッと回るサイクリングをやりますので、ぜひこちらもご参加いただければと思います。

野島:八ヶ岳はいいですね。これは(走行距離)何kmぐらいですか?

山本:ロングコースが8地域をぐるっと回って105kmです。

野島:気持ち良さそうな距離感でいいですね。

山本:前半はずっと下りで20km下って、その後はちょっと平坦で、あと20kmまた登りという素晴らしいコースです。「富士ヒル」の練習としてもいいと思います。

野島:確かにそうですね。ぜひ(皆さんに)参加していただきたいですね。本日はお忙しい中ありがとうございました。来年の「富士ヒル」は90分ぐらいを目指して頑張りたいと思います(笑)。今後ともよろしくお願いします!

山本:ありがとうございました。

7月21日(日)の放送は、野島が新たな大会にチャレンジ! 9月におこなわれる「2024横浜八景島トライアスロンフェスティバル」への意気込みを語ります。お楽しみに。

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<番組概要>

番組名:サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン

放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国24局ネット

放送日時:TOKYO FMは毎週日曜 朝5:00~5:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトおよびアプリ「AuDee(オーディー)」でご確認ください)

パーソナリティ:野島裕史

番組Webサイト:http://www.jfn.jp/toj