テレビ朝日系金曜ナイトドラマ『伝説の頭 翔』(毎週金曜23:15~※一部地域除く)が、きょう19日にスタートする。『クロサギ』や『正直不動産』など、多くの実写化漫画の原案で知られる夏原武氏の原作デビュー作で、2003年~2005年にコミック雑誌『週刊少年マガジン』(講談社)にて連載された人気コミックを、19年の時を経て初めて実写化する同作。主演の高橋文哉が、1,000人を超えるヤンキーたちを従える不良チーム「グランドクロス」を束ねる伝説の頭・伊集院翔と、クラスでもまったく存在感がなく、スクールカースト最下層の万年パシリ・山田達人という“最強と最弱の2人”を、1人2役で演じる。

今回は高橋に、今作の印象や見どころ、皆が同じ方向を向いているという一体感のある現場について話を聞いた。

  • 高橋文哉

    俳優の高橋文哉 撮影:宮田浩史

兄の影響で原作を読んでいた

――今作のオファーを受けたときの心境を教えてください。

8個上の兄が原作漫画を全巻持ってるほど大好きだったので、僕も読んだことがありました。なので、お話をいただいたときは「あの漫画、実写化するんだ」と驚きましたし、19年前の漫画をどう現代にあわせてドラマ化するのか、無限の可能性があるなとワクワクしました。あとは、テレビ朝日さんのドラマに帰ってこられてうれしい気持ちが大きかったです。

――お兄さんには報告されましたか。

一番に報告しました。すごく喜んでいました!

――台本の感想を教えてください。

『伝説の頭 翔』を令和に実写化するにあたって、やりたいこと、やれることが最大限に詰め込まれていると思いました。漫画を読んでいるように、翔や達人が動く姿が頭に浮かぶ台本でした。でも、「これ、どうやって撮影するんだろう」と気になる点もたくさんありました。

――たとえばどんなシーンですか。

翔と達人が同時に出てくるシーンです。でも、視聴者の方が「これ、どうやって撮っているの?」「すごい!」と思っていただける仕上がりになったと思います。あとは人数が多いアクションシーンも大変そうだなと。レギュラーキャストの男性陣のほとんどにアクションがあるのですが、難しいシーンを成立させるために全員で同じ方向を向けているので、この現場の空気を最後まで保って頑張りたいです。

  • 『伝説の頭 翔』場面写真=テレビ朝日提供

役に説得力与えるため鍛えながら増量

――座長として心がけていることがあれば教えてください。

本読みをしていても、アクション練習をしていても、全員からこの作品に懸ける思いの強さが伝わってきます。僕自身も、スタッフさんやキャストの皆さんに「僕、気合い入ってるので」と伝えるくらい強い思いで臨んでいるので、皆さんが一緒に頑張ろうと思ってくれていることがうれしいです。全員がこの作品をよりよくするために何が最善なのかを考えながら、遊び心を持って高みを目指している環境で、真ん中に立たせていただけることに感謝しかありません。期待に応えたいと鼓舞されますし、この勢いを最後まで保つのが、座長としての僕の仕事。「全員が、自分の意見を持つこと」を大事にしている現場なので、皆が自分なりにこの作品としっかり向き合い続けることで、一体感はもっともっと強くなっていくと思います。

高橋文哉

――最強と最弱の1人2役を演じますが、演じるうえで心がけていることを教えてください。

2人の境界線をしっかり作れるように、監督・プロデューサーとしっかりと話したうえで役作りに臨んだつもりです。見た目でいうと、翔はガタイが良ければ説得力をもたせられるし、達人もちょっとふっくらしているほうが最弱感が出るかなと、鍛えながら増量しました。

――翔と達人の印象を教えてください。

翔は、1,000人のヤンキーの頂点に立つ男と呼ばれるカリスマヤンキー。てっぺんに立つ男って、一般的には、怖くて、堅苦しくて、クールなイメージがあると思うんです。でも翔は、内に秘める愛情があって、仲間思いで人情をすごく大事にしていて、他人に迷惑をかけることのない自分の信念をしっかり持っているというキャラクター。皆さんにも伝わるよう、翔の魅力を引き出していきたいです。達人のいいところは……すごく面白い人です。環境が変わっても、自分を見失わない真っ直ぐさがあって、翔とはまた違った信念を持っている人だと思います。

――“翔を演じる達人”を演じる、という複雑な構造ですが、難しさはありましたか。

達人の心境として、「バレたら死ぬと思って、演じてほしい」と監督・プロデューサーの方々に言っていただけて、その共通認識が持てたことでイメージがついて演じやすくなりました。

難役を託してくれた期待がモチベーションに

――翔と達人の関係性について感じることを教えてください。

「最強と最弱の2人が出会う」とうたわれるくらい正反対の2人ですが、出会ったときの感情も真逆だと感じました。達人は「最悪、終わった」だけど、翔は「ラッキー」。翔には、ピンチのなか、打開できる道が達人に頼ることしかないなら、すべての手を使ってそこに懸けるしかないという潔さがあって。これまで翔に向かって、「ふざけないでくださいよ」とか、「もうやめてください」って本気で言う人はいなかったと思うんです。翔は、そんな達人を面白い奴だと思っていますが、達人から翔への思いもどんどん変わっていくので、お互いがお互いをどう思っているかという心情は大事に演じていきたいです。

――では、改めて『伝説の頭 翔』の見どころを教えてください。

1人2役という難役を僕に託してくださって、その期待に応えたいという気持ちがモチベーションになっています。なので視聴者の皆さんにも、同じように期待をもってこの作品を待っていていただきたいです。僕が作品の中で、遊び、暴れ、楽しんでいる姿を存分に見ていただきたいです。金曜日の夜に、一週間の疲れが吹っ飛ぶような笑えるコメディをお届けします!

――ありがとうございました!

■高橋文哉
2001年3月12日生まれ、埼玉県出身。2019年にテレビ朝日系『仮面ライダーゼロワン』で主演を務め、注目を集める。近年の主な出演作にドラマ『最愛』(21)、『君の花になる』(22)、『フェルマーの料理』(23)、映画『交換ウソ日記』(23)など。2024年は、映画『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』、『からかい上手の高木さん』など。バラエティ番組『ぐるぐるナインティナイン』、ラジオ番組『高橋文哉のオールナイトニッポンX』にレギュラー出演中。公開待機作に、映画『ブルーピリオド』(8月9日公開予定)、『あの人が消えた』(9月20日公開予定)、『少年と犬』(2025年春公開)がある。