2024年の夏のボーナスは、企業の業績も良く、3年連続で増加しているようです。とはいっても、物価も上がっており、自由に使えるお金が増えたという感覚は少ないかもしれません。2024年の夏ボーナス、どのように使うのでしょうか?

賃金やボーナスが増えていると報じられていますが、物価も上がる中、2024年夏ボーナスは何に使われるのでしょうか? 株式会社ロイヤリティ マーケティングが発表した「第60回 Ponta消費意識調査 2024年6月発表」のデータを元に、ボーナスの使い道をみてみましょう。

◆ボーナス使い道ランキングTOP3:預貯金、旅行、食品

【2024年夏のボーナスの使い道(3つまでの複数回答)「Pontaリサーチ」調べ】

【1位】貯金・預金……33.4%

【2位】旅行(宿泊を伴うもの)……6.0%

【3位】食品(ふだん食べるもの)……5.1%

【4位】外食(食堂・レストラン、和・洋・中ほか専門店)……4.9%

【5位】財形貯蓄……4.0%

【6位】投資信託……2.8%

【7位】衣服……2.7%

【8位】旅行(日帰り)……2.4%

【9位】株式……2.1%

【10位】食品(お取り寄せなど、特別なもの)……1.4%

特にない……9.0%、支給されない・分からない……47.2%

2024年夏のボーナスの使い道トップは「貯金・預金」で33.4%でした。前年も1位で34.0%でした。この調査開始以降、11年連続で1位となっています。ただ、2021年の夏ボーナスでは37.1%で、その後3年連続で減っています。2024年の夏ボーナスの使い道としての預貯金は、調査開始以降、一番低い割合となっています。

◆「旅行(宿泊を伴う)」「食品(ふだん食べるもの)」「外食」ともに減

2位は「旅行(宿泊を伴う)」で6.0%。前年の8.0%から大きく減らしています。前年までは、新型コロナウイルス感染症の感染状況の落ち着きとともに、宿泊旅行が増えていたようですが、円安の影響などで海外旅行に行く人が減ったようです。

次は「食品(ふだん食べるもの)」で5.1%。2022年夏は6.4%でしたが、2年連続で減っています。また、4位の「外食(食堂・レストラン、和・洋・中ほか専門店)」は4.9%。前年の5.0%より、わずかですが減っています。旅行、食べ物、外食など、お金を使うことが減っています。

◆財形貯蓄、投資信託、株式ともに増

5位の財形貯蓄は4.0%。2020年夏2.7%、2021年夏3.1%、2022年夏3.6%、2023年夏3.8%と少しずつですが4年連続増加しています。また、6位の投資信託は2.8%。2020年夏は1.1%でしたが、4年でなんと2.5倍に増えています。2023年夏は2.1%と2022年夏2.8%より減らしましたが、2024年夏はまた戻しています。また9位の株式も2.1%と、前年の2.0%より微増しています。

2024年から新NISAが始まり、投資信託や株式を買う人が増えています。ボーナスの使い道も、投資に向かって少しずつ増えています。

◆もらったボーナスの半分以上を「貯金・預金」したい人は約6割

【ボーナスの支給金額のうち貯金・預金したい額の割合「Pontaリサーチ」調べ】

「25%未満」……13.9%

「25~50%未満」……28.9%

「50~75%未満」……24.2%

「75%以上」……33.0%

ボーナスの使い道に「貯金・預金」を選んだ人は、ボーナス支給額のうち、どれくらいを預貯金にまわそうと考えているのでしょうか。同調査によると、ボーナス支給額のうち預貯金したい金額の割合が「75%以上」は33.0%、「50~75%未満」は24.2%となっており、なんと、支給されたボーナスの半分以上を貯金・預金したい人は57.2%、約6割となっています。

また、預貯金の用途は、「老後の生活への備え」が一番多く63.0%。2位の「将来の消費への備え(住宅購入、子供の学費など)」は37.2%。3位の「収入の変化への備え」が35.3%となっています。今の生活のためというより、将来のために預貯金をしています。将来の不安があるため、消費にまわざずに預貯金をしているようです。

ただ、この調査では、「支給されない・分からない」といった回答も47.2%もあります。そもそもボーナスの支給がない人や分からない人も半数近くいます。景気回復には、個人消費の伸びが必須といわれています。どのような働き方をしていても、なんらかの臨時収入があれば、消費マインドも高まるのではないでしょうか。この先のボーナスも上昇し、少しずつでも物やサービスにお金をまわせるようになってほしいものです。

文:福一 由紀(ファイナンシャルプランナー)

大学卒業後システムエンジニアとして勤務。2人の子どもを出産し退職後FP資格を取得。女性のFP仲間とともに会社を設立し、セミナー、執筆、各種メディアへの企画監修、コンサルティングなどを行っている。

文=福一 由紀(ファイナンシャルプランナー)