俳優の奥智哉が、2025年放送のNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』で幻の11代将軍・徳川家基役を演じることが15日、発表された。大河ドラマ初出演となる。

奥智哉

大河ドラマ第64作となる本作の主人公は、“江戸のメディア王”として時代の寵児になった快男児・蔦屋重三郎。天下泰平、文化隆盛の江戸時代中期に、喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴を見出し、日本史史上最大の謎のひとつ“東洲斎写楽”を世に送り出した人物の波乱万丈の生涯を描く。横浜流星が主人公・蔦屋重三郎を演じ、脚本は、大河ドラマ『おんな城主 直虎』、NHKドラマ『大奥』シリーズなどの森下佳子氏が務める。

奥が演じる徳川家基は、幼い頃より聡明で成長するにつれて政治に関心を持ち、田沼意次の政策を批判。11代将軍として将来を期待されるが、鷹狩に出かけた折に体調不良を訴え、謎の死を遂げる。徳川宗家の歴史の中で「家」の通字を授けられながらも唯一将軍位に就けなかった。

奥は「名だたる役者さん達と江戸の世を生き、政を動かしていくと想像しただけで武者震いしています!大原拓監督には時代劇を初めて経験させていただいた『大奥』の時にお世話になりましたので、『べらぼう』で成長した姿を見せれたらと思います」とコメント。

共演が楽しみなキャストは「渡辺謙さんです。僕が演じる徳川家基と渡辺謙さん演じる田沼意次は対立関係にあるので、お芝居をご一緒できると思うと凄く楽しみです」と述べ、主演の横浜については「横浜流星さんの目が好きです。キレと色気があり、そのうえ役によって力強さと溢れる情熱を感じます。横浜流星さん演じる蔦屋重三郎をとても楽しみにしています!」とリスペクトする。

そして、「家基は聡明で、文武両道。政治への強い関心を持ち、田沼意次の政治を批判したり、父親である将軍・徳川家治に対しても自分の意志をしっかりと貫く人でもあります。しかし、若くして亡くなってしまいます。その短い生涯の中で、どの様に生きたのか僕なりに徳川家基を一生懸命演じさせて頂きます」と意気込んでいる。

奥のほか、のちの“鬼平”こと長谷川平蔵役に中村隼人、11代将軍・家斉の父・一橋治済役に生田斗真、意次との深い絆を持つ10代将軍・徳川家治役に眞島秀和、幻の11代将軍・家基の母・知保の方役に高梨臨、のちに「寛政の改革」を行う松平定信となる田安賢丸役に寺田心、家基の乳母・大崎役に映美くらら、親田沼派の勘定奉行・松本秀持役に吉沢悠、反田沼の“世直し大明神”佐野政言役に矢本悠馬、田沼の外戚の老中・松平康福役に相島一之、“西の丸の爺”と呼ばれた老中首座の松平武元役に石坂浩二が決定した。

【編集部MEMO】
足軽身分の出自から大名まで成り上がった“稀代の老中”田沼意次役の渡辺謙、美人画で江戸に旋風を巻き起こした天才絵師・喜多川歌麿役の染谷将太、意次の後継者にして悲劇のプリンス・田沼意知役の宮沢氷魚、本屋商売の“師”であり業界最大の“敵”となる鱗形屋孫兵衛役の片岡愛之助らの出演がすでに発表されている。