投資に必要なのは知識だと思っている人がいます。もちろん必要なのですが、知識は重要ではありません。お金を増やすために最重要なのは考え方、それは言葉の使い方です。お金に恵まれない人たちの口ぐせを聞いて、ご自身のお金との付き合い方をチェックしてみてください。

◆お金持ちになるためには、「はじめに言葉ありき」

お金持ちには共通の行動パターンがあります。豊かな人は同じように豊かな考えを持っているからです。豊かな考えは貴重な言葉で語られます。だから言葉は大事です。言葉は思考を作り、人格を作り、資産を作ります。

逆に言えば、お金に恵まれない人には、そうなってしまっている思考を象徴する言葉の使い方があります。たとえば、次のような口ぐせです。

◆うまくいかない人たちの5つの口ぐせ

お金に苦労している人たちは、次のような言葉を使っています。

◇1. お金さえあれば

お金さえあれば、大学に行けた、資格が取れた、恋人ができた、やりたいことができた。自分はイケているのにお金がないばっかりに今の不遇があるという貧困発想です。

◇2. 親のせいで

親のせいで、成績が悪い、性格が悪い、健康でない、貧乏でいる、コネがない。親は選べないので、自分の人生の苦戦は生まれる前から決まっていたという運命論です。

◇3. 生活にはお金がかかるから

人並みの家賃、普通の自動車、そこそこの教育、当たり前のぜいたく。そんな生活のために自分の出費を固定化してしまいます。お金がないと幸せになれないという拝金主義です。

◇4. こんな世の中じゃあ

政治が悪い、財界もだらしない、こんな世の中じゃ自分の投資が冴えないのも仕方ない。すべての理由を外部に押し付けて、自分を被害者に仕立て上げる被害妄想です。

◇5. お金なんて

お金持ちなんかになりたくない、清く貧しく生きることこそ美しい。拝金とは反対に、お金に背を向ける「お金=目の敵」思考です。

もしこんな言葉を使っていたら、お金に運のない人生を送ってしまうかもしれません。

なぜなら、こんな言葉からは前向きに生きていくエネルギーが生まれないからです。エネルギーがなければ、投資をしても仕事をしても家庭生活も、どれもきっとうまくいきません。

◆お金持ちたちの言葉と思考

私が知っているお金持ちたちは、次のような思考をして、エネルギーを高める習慣を持っています。

・お金に恵まれる人たちは、お金を目的にしません。お金は生き方を実現するための手段と心得ています。はじめに使命があり、結果として富が残りました。

・どんな親であれ、どんな故郷であれ、自分の生い立ちに感謝をしています。もちろん、自分が生まれてきたことにも感謝をしています。

・お金持ちの生活は意外と質素です。収入に見合った生活をする、上がった生活レベルをいつでも落とすことができるなど、自己規律ができています。

・心豊かに生きている人はすべてが必然だと理解しています。こうなっている今には意味がある、そこから自分の使命が生まれ、自分の人生のストーリーが描かれると考えます。

・お金は目的ではなく手段ですが、価値を計るメディアとして重要なものです。感謝の象徴でもあるので、たくさんある方が意義深いと思っています。

いかがでしたか? お金と言葉がテーマでした。

投資と関係ないように思われるかもしれませんが、エネルギーを高める思考によって、お金に苦労しない体質を身につけることが、どんな投資テクニックよりも確実な資産運用のノウハウなのです。

明日から、ご自身の言葉に注意をしてみましょう。豊かになるのは「言葉>行動>習慣>人格>資産」の順番です。

文:北川 邦弘(ファイナンシャルプランナー)

総合商社、不動産会社等を経て、自分の投資体験から欧米流の資産形成術を学び、2002年にCFP・CPM資格を取得。現在は独立系ファイナンシャル・アドバイザー、NLPプラクテイショナー等の人生戦略コーチとして活躍。

文=北川 邦弘(ファイナンシャルプランナー)