日経CNBCは7月4日、「新しい少額投資非課税制度(NISA)の利用状況」に関するアンケート結果を発表した。調査は2024年6月28日~7月2日、30代~70代の現役投資家194人を対象にインターネットで行われた。

新NISA、どれくらい使っている?

  • 新NISAどれくらい使ってますか?

アンケートは「新NISAどれくらい使ってますか?」という質問に対し、「投資枠(つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は同240万円)めいっぱい使っている」「投資枠には余裕を残して使っている」「制度変更以前(昨年までのNISA)と特に変わっていない」「新NISAは使っていない」の4つの選択肢から回答を選んでもらう形で実施された。

その結果、「投資枠には余裕を残して使っている」と答えた投資家が46.4%となり、半数近くを占めた。一方で「投資枠 めいっぱい使っている」との回答も24.7%あったほか、「制度変更以前と特に変わっていない」が13.9%、「新NISAは使っていない」が14.9%という結果に。

7月11日放送の「昼エクスプレス」では、日経CNBC 解説委員長の直居敦氏と、キャスターの岡村友哉氏が調査結果やその背景について語った。直居氏は「新NISAでつみたて投資枠と成長投資枠が併用できるようになったことは、改めて大きな変化だ。投資家が工夫しながら使っている様子がよく分かり興味深い」とコメント。岡村氏は「新NISAの税制優遇のメリットを活かしたい半面、投資経験のある人ほど、今年の上昇相場ではなかなか入れない様子もうかがえた。株式投資の難しさも感じる」とコメントしている。

「投資枠には余裕を残して使っている」を選択した人のコメント

アンケートで「投資枠には余裕を残して使っている」を選択した人からは、「投資信託を『つみたて投資枠』と『成長投資枠』合わせて、毎月6万円入れてます。いずれも海外株式なので円安に寄与しているんだろうなぁと思っています。国内株式には『成長投資枠』の20%も入れていません。現有株は評価益が出ているので、NISA化すると課税されて追加資金投入しないといけないためそのままにしています。保有株がマイナス・塩漬けになっているものはNISA化してもいいですが、近年の日経平均が上がった中で塩漬けが無い状態なので無理。 NISAは信用取引の代用保証金にできないということも現物をNISA化していない理由の1つ。信用取引の利益から、ミニ株を使って少額・複数銘柄にNISAで現物追加しています」(金NAISA)、「今年はアメリカ大統領選挙、パリオリンピックなど世界的に大きなイベントが多いです。それも年後半なので、マーケットの動きを見て投資をしたいので枠を残しております。つみたて枠は毎月5万円にして、コストの安いものを選んでいます。成長枠は国内の個別銘柄を中心に選んでいます。やはり投資は企業応援という意味もあると思っています」(茶々)、「最短で枠を埋めたいので毎月25万積み立てていて、内訳はつみたて投資枠にFANG+、日生NASDAQ100とSOXに10万と5万積み立ています(積み立てたいファンドの枠の関係でFANG+が積み立て枠になっています)。残りは大統領選挙の直前の9月と10月に半分づつ買い付けようと思っています。買い付ける商品はこれから考えます」(ユタカ)、「つみたて投資枠の使い方に苦慮している。商品が少ない」(のりべん)といった声が寄せられている。

「投資枠 めいっぱい使っている」を選択した人のコメント

「投資枠 めいっぱい使っている」を選択した人からは、「成長投資枠で高配当株に対して、貰った配当をそのまま再投資しています。配当も非課税なので使わないという選択肢はないかと思います」(よしえどん)、「つみたて投資枠はS&P500に月に10万で年間120万円。成長投資はJTやSBの配当株とSOX指数連動投信に年前半に入れた。どちらもかなり上がったので利確して、今は通常の特定口座で買いなおしています。NISAは年金もらうまではある程度流動的に運用し、イデコを本当の年金資産と考えている。子供が成人するまでは、何かと資金が必要なので」(プチゴット)、「つみたて投資枠は1月からオルカン・TOPIX・S&P500を毎月いろいろと組み合わせ毎月10万円を運用してきたが、1~4月までの運用実績を踏まえて、5月からは『オルカン』1本で運用している。因みに6月末現在、12%超の運用成果が出ている。成長投資枠は、1月より国内株のみを購入し続け、4月にはほぼ使い切った。自動車、半導体、金融、データセンター関連、不動産と各分野に投資したが思うような運用成果は全体として得られていない。あくまで長期運用として今後の成長に期待したい」(ACミラン)との声が寄せられた。

「制度変更以前と特に変わっていない」を選択した人のコメント

「制度変更以前と特に変わっていない」を選択した人からは、「NISA時代から口座を開設していますが残高はありません。含み損が大きくなることを警戒し、何らかの原因で株価が暴落するまで特定口座で売買することにしています」(アルファが大事)、「とりあえず個別のスイングをNISAで買って、枠が足りなくなったら特定で買う。利確もちょこちょこ行うし、買値の調整もやるから、かなり年の序盤で枠がなくなる。トレードしてる人はほとんど枠がなくなると思うし、別に儲けた分は税金持ってかれるのも仕方なしと思ってる。それよりもトレード能力向上させる方が大事だと思ってる」(ごま)、「NISAとは数年の付き合い。 昨年までは120万円の枠を一杯活用。時に銘柄選定が外れ、効果が得られなかったことも有る。新NISAも有難く使わせてもらう」(やまざる)、「旧NISAで5年前に買った高配当株を、期限が切れる前に買い直しています。 購入当時からかなり株価が上がっているので、買い直しだけで枠いっぱい使ってます。投信に興味ないので、つみたて投資枠は使っていません」(ゆずりは)といった声が寄せられた。