oricon MEは7月8日、「新NISA 証券会社/銀行 利用実態データ」を発表した。調査は2024年4月5日~15日と2024年4月5日~22日、証券会社/銀行で2024年1月1日から導入された新しいNISAの口座での資産運用や取引を行っている全国18~74歳までの利用者6,028名(証券会社3,247名 / 銀行2,781名)を対象にインターネットで行われた。

  • 新NISA 証券会社/銀行 利用実態データ

「新NISAで初めて口座開設した」利用者、証券会社は44.0%、銀行は49.2%

「口座開設の状況」について聴取したところ、「新NISAで初めて口座開設した」利用者の割合は証券会社では44.0%、銀行では49.2%となった。なお、2024年以前からNISA口座を開設していた人の割合を見ると、証券会社では「一般NISA」制度の利用者が39.0%と高い割合であることがわかった。

  • 口座開設の状況(「新NISA 証券会社 銀行」利用実態データ)

投資枠(つみたて投資枠 / 成長投資枠)の利用状況は?

「投資枠(つみたて投資枠 / 成長投資枠)の利用状況」について聴取したところ、証券会社銀行ともに「どちらも併用して運用」が過半数となった。ほとんどの年代で「どちらも併用して運用」が過半数となったが、証券会社の「60代以上」のみ「併用して運用」は43.0%に。「成長投資枠のみ運用」は42.7%と他の年代に比べて高くなっている。

  • 投資枠の利用状況(「新NISA 証券会社 銀行」利用実態データ)

担当者の対応有無、証券会社は「対応してもらったことはない」が最多

口座開設してから、担当者に対面・オンラインまたは電話・メール・チャットなどで、手続きや相談・問い合わせの対応をしてもらったなどの「担当者の対応有無」について聴取したところ、証券会社では「対応してもらったことはない」の割合が74.3%で最多に。銀行では、「営業担当者に対応してもらった」が51.6%で最も多く、次いで「口座開設の窓口担当者に対応してもらった」が24.6%と続いた。なお、「対応してもらったことはない」の割合は、証券会社と銀行では50pt(ポイント)の差が見られた。インターネット専業の証券や銀行なども増えているなか、証券会社の利用者は問い合わせ担当者や営業担当者と直接のやりとりが少ない一方で、銀行の利用者は、対応やサポート対応を受けている人が多いことがうかがえる。

  • 担当者の対応有無(「新NISA 証券会社 銀行」利用実態データ)

証券会社の検討時に参考にした情報、10・20代は「YouTube」が最多

「検討時に参考にした情報」では、証券会社銀行ともに「公式(各社)のホームページ」が最も多かったものの、証券会社の年代別「10・20代」では「YouTubeからの情報」が23.5%と最も多い結果となった。「60代以上」はほかの年代と比べて2番目と3番目に高い割合に違いが見られ、証券会社では「新聞広告・記事」、「テレビCM・番組」が続いている。

なお、「参考にしているYouTubeチャンネル」をあわせて聴取したところ、「両学長 リベラルアーツ大学」「節約オタクふゆこ」「BANK ACADEMY/バンクアカデミー」「【投資家】ぽんちよ」「たぱぞう投資大学」「馬渕磨理子の株式クラブ」「「お金の雑学」ゆっくり解説」「ライオン兄さんの米国株FIREが最強」「株の買い時を考えるチャンネル」「中田敦彦のYouTube大学-NAKATA UNIVERSITY」「コアラ先生の時事ネタ祭り」などのチャンネルが挙げられた。

  • 検討時に参考にした状況(「新NISA 証券会社 銀行」利用実態データ)

利用前に重視した点、銀行は「投資できる商品のわかりやすさ」が最多

「利用前に重視した点」について聴取したところ、証券会社は「投資できる商品の豊富さ」が42.4%、銀行は「投資できる商品のわかりやすさ」が32.7%でそれぞれ最多となった。なお、証券会社では「決済方法の豊富さ」や「ポイント還元率」、銀行では「問い合わせの際の担当者の対応力」も上位であることがわかった。

  • 利用前に重視した点(「新NISA 証券会社 銀行」利用実態データ)

成長投資枠の「取引頻度」は?

成長投資枠の「取引頻度」について集計したところ、証券会社では「1ヶ月に1回程度」の割合が32.1%で最も多く、「それ以下」が24.8%となった。一方、銀行では「それ以下」が39.1%で"3ヶ月以上ほったらかし"が最多に。次いで「1ヶ月に1回程度」が34.8%で続いている。証券会社・銀行ともに成長投資枠では利用傾向がほぼ二分していることがうかがえる。

  • 「成長投資枠」運用者の取引頻度(「新NISA 証券会社 銀行」利用実態データ)

つみたて投資枠の取引金額、証券会社・銀行ともに「1万円以上3万円未満」が最多

つみたて投資枠の「(毎月の)取引金額」について聴取したところ、証券会社・銀行ともに「1万円以上3万円未満」が最も多く、証券会社では「10万円(以上)」、銀行は「3万円以上5万円未満」がそれぞれ続く結果となった。

  • 「つみたて投資枠」運用者の取引金額(「新NISA 証券会社 銀行」利用実態データ)

つみたて投資枠 or 成長投資枠を運用していない理由は?

「つみたて投資枠」「成長投資枠」どちらか一方の投資枠について「取引・運用はしていない」と回答した証券会社銀行それぞれの利用者に「投資枠を運用していない理由」について聴取したところ、「資金不足」「貯蓄が足りないから」「単純に運用する元手がないため」「まだ商品の検討中。今後運用予定」「商品選択に迷っているから」「今現状子供達にお金がかかり運用したいがそこにお金を回せないため」「今は株高の印象があるのと、投資はあくまで余剰資金でとの考えがあるため」「成長投資枠での投資・運用を行うつもりであるが、年始から株価が高騰し、投資できていない。投資時期をうかがって、いずれ投資したい」などの回答が寄せられた。