年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、1961年3月生まれの男性が現時点でもらえる年金について、専門家が解説します。

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。

今回は、1961年3月生まれの男性が現時点でもらえる年金についてです。

◆Q:1961年3月生まれの男性。63歳現在、もらえる年金はありますか?

「1961年3月生まれの63歳の男性です。現時点でもらえる年金はありますか?」(K)

◆A:63歳の現時点でもらえる年金はありません。1961年3月生まれの男性は、厚生年金の加入期間1年以上あるなどの受給要件を満たしていれば、64歳から特別支給の老齢厚生年金が受け取れます

63歳の現時点でもらえる年金はありませんが、65歳になると、受給要件を満たしていれば、老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)を受給できます。ただし、老齢年金には繰上げ受給という60歳~65歳になるまでの間に早めて受け取れる制度もあります。その場合、老齢年金額が65歳で受け取り開始するよりも減額されるなどのデメリットもあります。

また、生年月日や厚生年金の加入期間1年以上あるなどの要件を満たす場合、60代前半で特別支給の老齢厚生年金をもらえることがあります。

相談者は1961年3月生まれの男性とのこと、受給要件を満たしていれば、64歳から特別支給の老齢厚生年金が受け取れます。もし特別支給の老齢厚生年金の受給権がある場合は、64歳になる3カ月前に、緑色のA4封筒で必要な年金請求書が届きます。届いた年金請求書に必要事項を記入して、64歳の誕生日の前日以降に添付書類と一緒に年金事務所に提出すると、特別支給の老齢厚生年金を受け取れます。

特別支給の老齢厚生年金の受給要件とは以下となります。

・男性:昭和36年4月1日以前生まれ

・女性:昭和41年4月1日以前生まれ

・老齢基礎年金の受給資格期間(10年)がある

・厚生年金保険等に1年以上加入していたことがある

・生年月日に応じた受給開始年齢に達している

特別支給の老齢厚生年金の生年月日に応じた受給開始年齢は、日本年金機構のホームページで確認できます。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。

文=All About 編集部