国土交通省は、高松琴平電気鉄道(ことでん)などから申請のあった鉄道事業再構築実施計画について、国土交通大臣が6月27日付で認定を行ったと発表した。
申請者は高松琴平電気鉄道のほか、香川県と沿線の3市4町。高松琴平電気鉄道はこれまで通り第一種鉄道事業者として運行と鉄道施設の保守管理を担い、香川県と沿線3市4町は新駅設置や複線化、安全輸送設備更新など利用者利便の確保に向けた取組みに対し、財政的支援を実施する事業構造に変更する内容となっている。
自治体のおもな支援内容として、太田~仏生山間の新駅整備と複線化、省エネ性能の高い新造車両の導入が盛り込まれた。事業費は、新駅整備に7億9,000万円、複線化に9億8,000万円、新造車両の導入と安全輸送設備の更新に72億円。これらの事業の一部について、社会資本整備総合交付金を活用する予定だという。その他、高松市・綾川町在住の70歳以上の住民を対象とした高齢者割引と電車・バスの乗継割引を行い、これによる減収相当額を高松市などが支援することとした。
これらの取組みにより、年間利用者数が2023年度の747万人から2028年度は830万人に増え、営業損益も2023年度の1億1,800万円から2028年度は1億3,900万円に増えると見込んでいる。