11thシングルの活動をもってグループから卒業することを3月に発表し、今月18日には1st写真集『僕の記憶の中で』(光文社 2.200円)を発売した日向坂46の高本彩花。今回のインタビューでは、7月4日に開催される卒業セレモニーを控えた現在の心境のほか、卒業を意識し始めたきっかけやファン、後輩たちへのメッセージ、8年間のアイドル活動が与えてくれた自身の変化を明かした。

  • 日向坂46高本彩花 撮影:島本絵梨佳

卒業を控えた現在の心境「本当に寂しいです」

――卒業が近づいています。今はどんな心境で活動していますか?

卒業を決めてから発表するまでは、少し現実味がなかったんですが、発表をしてからは最後の活動や、日向坂46の高本彩花としてファンの皆さんとお話しする機会も「残り何回」とカウントダウンのように終わりに向かっている感覚があって、本当に卒業するんだという実感が日に日に湧いてきています。本当に寂しいです。卒業を決めたときには、こんな気持ちになるなんて想像もしていませんでした。ファンの方に寂しいと言われると寂しくなってしまうんです。やっぱりアイドルとしての私を応援するのが好きなファンの皆さんは、絶対に寂しいんだと実感しています。

――ファンの皆さんからはどんな言葉をかけてもらいましたか?

ファンの方が私への感謝を伝えてくれることが多くて。「あやちゃんのおかげで頑張れた」「あやちゃんに出会えたから人生が変わったよ」と言ってくれたり、私を応援するきっかけになったことをたくさん伝えてくれたりするんです。そういうことを聞くと、本当に寂しさを感じてしまうんですけど、でも卒業してからも大切なファンの皆さんとお話しする機会は作っていきたいと考えています! ファンの皆様は今、私が卒業した後にどうなっていくのか不安でいっぱいだと思いますが、お話しする機会は絶対に作るので、卒業してからも皆さんが応援してくれたらいいなと思ってます。

8年間のアイドル人生は「とにかく幸せだった」

――この話を聞けるだけでファンの方は安心しますね。改めて、けやき坂46そして日向坂46として過ごした8年間は高本さんにとってどんな時間でしたか?

本当に一日一日が貴重でキラキラしていました。楽しいこともあったし、しんどいこともあったし……いろいろ考えることや思うこともあったんですが、その全部が良い経験でした。アイドルでしか味わえないことを体験できたし、見ることができなかった景色を見ることができました。アイドルになれたことがとにかく幸せだったなと思います。

――アイドルになれたことでご自身にも変化はありましたか?

私がいちばん変わったと思うのは2020年。それまではネガティブだったんですけど、ステイホーム期間に自分のことを見つめ直す時間がたくさんできたのが大きかったです。

日向坂46はメッセージアプリがあるんですが、その中のボイスメッセージというコンテンツを始めてみたんです。今まで私は人に電話することすらも苦手だったし、「私の声なんて聞きたい人いないよ」と考えてしまっていたので、全く使ってなかったんです。でも、ステイホーム期間にメンバーのみんながいろんな工夫をしているなかで、「私も何かしてみたい」と思って。そうしたら、たくさんのファンの方に喜んでもらえたんです。

そのおかげで話すことへの恐怖心もどんどんなくなってきて、バラエティ番組の収録でも、以前は話せずに終わってしまったり、思い浮かんでも言わなかったりということもあったんですが、どんどん積極的に言えるようになったりと、ポジティブになれました。その期間を知っているファンの方は多分、私の変化に気が付いたと思うんですが、全てのことを明るく捉えられるようになって、それは自分の人生の中でも自分が変わる大きなきっかけになったし、アイドルとしても大きな出来事でした。

――ライブやイベントが開催できずにファンの方と会えない苦しい期間のなかで、殻を破ることができたと。ポジティブになれたことで変わったことはありましたか?

私の話で笑ってくれる人が増えたと思います(笑)。いまは楽観的に考えているので、思ったことを素直に言うようにしています!

卒業を意識したきっかけ、そして決断した理由とは

――卒業を発表したブログでは、2022年頃に卒業を考え始めたとおっしゃっていましたが、きっかけはあったんでしょうか?

大きなきっかけは東京ドーム公演です。ずっと東京ドームでライブをするということを目標に活動してきていたので、長年の夢が叶ったことにアイドルとしての達成感があったんです。ライブを終えた後に「やりきった」「悔いがない」と思ったことが、卒業を意識するきっかけになりました。

そこから「私が席を譲って誰かが活躍できるのだったら、そっちの方がいい」「グループがもっともっと大きくなって欲しい」と考えるようになって、みんなが何か1つのことに向かってがんばっていくなかで、どうしても客観的に見てしまう自分がいることに気付いたことで、そのときに卒業したほうがいいと思いました。

もちろん、卒業するまではグループの一員ですし、全力でみんなが目指す場所に向かって一緒に頑張っていきたいという気持ちを持って活動していました。ただ、これからのこと、第2の人生も考えなきゃいけない年齢ということもあって、卒業を決めました。日向坂46には頼もしい後輩たちもいるので、これからはファンの皆さんと一緒にテレビの前や客席から応援したいと思います。

――頼れる後輩メンバーの皆さんがいるからこそ、安心して巣立つことができますね。

特に三期生には、私も救われた部分がたくさんあります。三期生はコロナ禍に加入してくれたので、三期生だけのイベントができなかったりと、つらかった時期もあると思うんです。それでも、めげないで本当に本当にずっと全力でがんばっているところが私は大好きです。そんな4人を見て、私もがんばろうと背中を押してもらっていました。三期生は最強の4人が集まっているので、今までの気持ちをずっとなくさずに、そのままずっとずっと輝いていてほしい。

また、四期生が入ってきてくれたから、グループも新たな一歩を踏み出すことができて、熱い思いで夢に向かってがんばっています。先輩たちが持ってないものを持っている新しい風たちだと思いますし、四期生単独の番組もできて、これからも活躍が楽しみです。日向坂46をいい方向に連れていってくれるのは四期生だと思います。

――二期生の皆さんとはある意味、同期のような連帯感があるように感じます。

二期生のみんなは「一期さんがいたから」とリスペクトを持ってくれているんですけども、二期生が入ってくれたおかげで今があると言っても過言ではないくらいに存在の大きさに助けられてきました。二期生は努力の人たち。先輩・後輩関係なくやってほしいなと思います。二期生のことは同期のような感覚なので、今も十分強いですが、力強くたくましく、日向坂46を引っ張っていってほしいです。

――最後になりますが、これからの高本さんの活躍を楽しみにしているファンの方も多いと思います。今後どういった姿を見せていきたいですか?

モデルさんの仕事はこれからもしたいので、ファンの皆さんに喜んでもらえるようなことを絶えず発信していけるようにがんばりたいと思っています。

■高本彩花
1998年11月2日生まれ。神奈川県出身。2016年にけやき坂46の1期生としてグループに加入し、2019年に日向坂46としてデビュー。今年3月に11thシングルの活動をもってグループから卒業することを発表。7月4日にパシフィコ横浜で開催される「11th Single ひなた坂46 LIVE」で卒業セレモニーを行なう。6月18日に1st写真集『僕の記憶の中で』(光文社)を発売した。