大谷翔平、”メジャー全球場ホームラン”の快挙も!? データでみる「得意…

メジャーリーグ 最新情報
 

今シーズンのメジャーリーグは
初回登録は2週間無料トライアル実施中![PR]
 
 今年6月にMLB全球場での出場を果たした大谷翔平選手。ロサンゼルス・ドジャース移籍により、MLB全球場でのホームラン達成への期待も高まっている。今回は、大谷選手の球場別の打撃成績に着目し、ホーム/ロード別、地区別、エリア別の傾向や得意/不得意球場の存在につき分析する。各数字は現地時間2024年6月16日終了時点のものとする。
 

 
 昨季まで在籍したロサンゼルス・エンゼルスで前人未到の記録を打ち立てた大谷翔平選手。ナショナル・リーグに属するロサンゼルス・ドジャースに移籍した今季、達成への期待が高まっている記録のひとつがMLB全球場での本塁打だ。
 
 2023年の対戦フォーマット変更に伴い、2年に1度は必ずどこかの本拠地球場で試合を行うようになり、各球場での出場機会が増加。そして、今年6月4日のPNCパークでのピッツバーグ・パイレーツ戦で、MLB全本拠地球場での出場を果たした。
 
 その大谷選手の本拠地球場別成績をみると、移籍後もホームでの強さが際立っている一方で、苦手な球場や地区、ホームとロードでの成績に差があるチームも浮かび上がってきた。
 





新本拠地での大谷は“鬼に金棒”?

 
 大谷翔平選手はホームゲームに強い選手だ。今年2024年にエンゼルスタジアムを本拠地とするエンゼルスからドジャースに移籍したが、本拠地がドジャー・スタジアムになって以降、ホームでの強さがより顕著になった。
 
 通算ではホームの成績がロードに比べ打率で約8厘、OPSで約7分5厘上回っているが、2024年に限れば、その差が打率で2分9厘、OPSで約1割7分に拡大した。
 
 本塁打1本あたりの打数(AB/HR)は、通算でホームの方が4.7ポイント小さいが、2024年はその差が8.3ポイントに広がっている。
 
 なお、下記数字は、ホーム扱いとなった2024年のソウルでの1試合の結果も含んでいる。
 

 

 
 現本拠地のドジャー・スタジアムに関して、エンゼルスの一員として出場していた2023年までと2024年の成績を比較・合算すると以下のようになる。大谷選手は、エンゼルス時代もドジャー・スタジアムを得意としていたのだ。
 

 
 ・ロード(~2023年)
 打率.357  OPS1.136 AB/HR=28.0
 ・ホーム(2024年)
 打率.328  OPS1.084  AB/HR=11.2
 ・通算
 打率.333  OPS1.093  AB/HR=12.5





得意な球場、苦手な球場は?
 
 2024年6月16日時点では、ドジャースの選手として出場したエンゼルスタジアムでの試合はまだない。
 
 デビュー以来の大谷選手の打率やOPSにつき、球場別の上位・下位を示した。


 

 

 得意球場としてリグレー・フィールド、レンジャース・ボールパーク、カウフマン・スタジアムなどが、苦手球場としてローンデポ・パーク、グレート・アメリカン・ボール・パーク、ヤンキー・スタジアム、Tモバイル・パーク、ペトコ・パーク、ミニッツメイド・パークが挙げられる。過去の打数の少ない球場を除けば、打率・OPSとも、ヤンキー・スタジアムの数値が最も低い。
 
 なお、上記表では、2024年でのソウル開催など本来の本拠地以外での開催、2023年に行われた第5回WBC(ワールドベースボールクラシック)日本代表としてのローンデポ・パークでの成績は含まれていない。
 
 AB/HR(本塁打1本あたりの打数)は、シカゴ・ホワイトソックスの本拠地であるギャランティード・レート・フィールド(10.2)、カウフマン・スタジアム(10.5)、レンジャース・ボールパーク(11.0)が小さくなっている。ドジャー・スタジアム(12.5)やエンゼルスタジアム(12.6)の数値も小さい部類に入る。
 
 苦手とする本拠地球場のチームに関しホーム・ロード別の対戦成績を調べると、ニューヨーク・ヤンキース(ヤンキー・スタジアム)、シアトル・マリナーズ(Tモバイル・パーク)に関して、ホームでの対戦成績がロードでのそれを上回る傾向が明らかになった。
 
 特にヤンキース戦に関してホームとロードでの違いに大きな差がある。両チームに関しても、ドジャー・スタジアムを本拠地とした対戦はない。
 
 対ヤンキース戦
 ・ホーム:打率.344 OPS1.413 AB/HR6.4
 ・ロード:打率.136 OPS.612 AB/HR14.8

 対マリナーズ戦
 ・ホーム:打率. 293 OPS.984 AB/HR15.8
 ・ロード:打率.184 OPS.658 AB/HR19.0
 
 ロードでの試合を苦手とするサンディエゴ・パドレス戦、ヒューストン・アストロズ戦に関しては、上記のような顕著な差異はみられなかった。






広いアメリカならでは…

 以降では、大谷選手の球場別の成績につき、各チームの本拠地球場が所在するリーグ・地区、試合が開催された球場が属するアメリカ・カナダ本土の4つの時間帯別に整理した。
 
 両リーグの西地区や太平洋時間に関しては、ロードでの試合の成績も取り出した。本拠地球場のあるエリアの時間帯は、中地区では東部・中部の2つ、西地区では両リーグ合わせて中部・山岳部・太平洋の3つに分かれる。


 

 
 両リーグ中地区や中部時間での本拠地で好成績を残す一方、アメリカンリーグ東地区や東部時間での成績が低くなっている。
 
 ロサンゼルス都市圏のチームを本拠地としてきた大谷選手には東海岸への移動が影響しているか、アメリカンリーグ東地区のレベルの高さがも背景にありそうだ。
 
 両リーグ西地区や太平洋時間でのロードでの成績が大きく低下している点も特徴である。シアトルに所在するTモバイル・パークの成績が低いこと、ロサンゼルスとシアトルの距離は飛行機で1,500㎞以上あることから、ここでも移動の影響は否定できない。
 
 今後のドジャースのスケジュールをみると、ロードでのヤンキース、マリナーズ戦は来年以降になる。今年は、7月下旬にロードでのアストロズ戦やパドレス戦、9月中旬にロードでのマイアミ・マーリンズ戦がある。
 
 東部時間でのロードの試合として、マーリンズ戦に加えフィラデルフィア・フィリーズ、デトロイト・タイガース、アトランタ・ブレーブス戦を残している。こうした試合でどのような結果を出すのか。これらのうち2球場では、大谷選手はまだホームランを打ったことがないだけに、今後の初本塁打に期待が高まる。



 
【関連記事】




 


 

 
【了】