左から下野紘、梶裕貴。

堀越耕平原作によるTVアニメ「僕のヒーローアカデミア」のイベント「『僕のヒーローアカデミア』7期 轟焦凍vs荼毘 リアルタイム上映イベント」が、本日6月22日に東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された。イベントには轟焦凍役の梶裕貴、荼毘役の下野紘が登壇。焦凍と荼毘の直接対決を描く第146話をテレビの放送時間に合わせて上映し、その前後で梶と下野のトークが行われた。

上映前トーク:下野紘「誰よりも荼毘の味方だと思った」

焦凍と、実の兄・燈矢である敵<ヴィラン>の荼毘が直接対決を迎える第146話「二つの赫灼」。「いよいよこの日が来たね」と緊張気味の下野と梶は、「梶くんとガチでケンカするのはこれが初めてかな(笑)」「プライベートではあったかもしれないけど(笑)」と冗談を飛ばし合い緊張をほぐそうとする。上映前のトークでは、焦凍と荼毘が初めて対面した林間合宿のエピソードをはじめ、これまでの2人の関係を振り返っていった。

初対面のシーンを収録する頃は、荼毘が焦凍の兄であることはもちろん知らなかったという下野。「哀しいなあ 轟焦凍」のセリフについて「焦凍だけフルネームで呼んでいるのはなんで?ってずっと気にかかっていました」と振り返る。荼毘が燈矢であることを明かす第124話「ダビダンス」にはひときわ思い入れがあったようで、収録前から何回も原作を読みセリフを読み上げていたという。「いろんな意味で、融合している部分はたくさんあった」「(自分は)誰よりも荼毘の味方だと思った」と、すっかり荼毘の気持ちに入り込んでいたと語った。

一方の梶は第124話を「ここから焦凍の新たな苦しみが始まった印象深い回」と話す。「下野さんから声優人生を懸けているくらいの圧を感じました。それに負けないようにっていうのが大きかった」と、下野の並々ならぬ思いは梶も感じ取っていたという。またエンデヴァーや轟家が過去と向き合う第130話「火の不始末」の話題では、焦凍の成長を感じたと話す梶。「彼にしかなれないヒーロー像が具体的になってきて、それにあと一歩のところまで来ている」と、長く演じてきたからこその感慨を述べた。

まもなく第146話を鑑賞する観客に向けて梶は、「下野さんの気合がすごくて。一発目のテストから全力だったから、僕はその2日後に朗読劇を控えてたんですが、燃え尽きる覚悟でやりました」と思いを伝える。下野も「声優として、役者として、命を削って演じた回。とにかく、観てください」と語りかけた。

上映後トーク:梶裕貴「いつか轟家オンリーイベントを開催したい!」

上映を終え、再び大きな拍手で迎えられた2人。下野は「すごい気持ちで今ここに立ってます」と嘆息し、「どうしても荼毘の気持ちにシンクロしてしまう」と改めて感想を述べる。第146話で“荼毘”になる前の燈矢を演じた下野は「荼毘じゃなくて燈矢してしゃべるってどういう感じか、ものすごく考えました」と述懐。白石涼子が演じた幼少期の燈矢を参考にしつつも、悩みながら演技を作っていたことを明かした。

「幼い頃の焦凍にとって、燈矢はどういう存在だったのかな」と疑問を口にする梶。下野が「焦凍も何かひとつ間違ったら、燈矢と同じ方向性に進んでいた可能性があったんじゃないか」と話すと、梶も「雄英高校に入っていなかったら、緑谷と会ってなかったら、こうなってたかもしれない」と両者の近しさについて述べる。第146話終盤では、ぶつかり合う焦凍と燈矢が幼い頃の姿で描写されるが、その場面も踏まえ「焦凍は燈矢を無意識的に好いてたところがあったんじゃないか」と推測する梶。下野も「推測だけど」と前置きし、「焦凍も燈矢も兄弟喧嘩をしたことがない。もしこの2人が同じくらいの歳で、小さい頃に喧嘩ができていたら、また違った未来があったのかな」と、焦凍と燈矢それぞれの歩んだ道のりについて思いを馳せた。

激しいバトルシーンのアフレコについても改めて語り合う2人。下野は「後ろのこと(仕事)は考えず、死ぬ気でやらなきゃなって思ってた」と当時の胸中を述べる。また梶には「こちらの熱に対してそれ以上のものをぶつけてくる人」とリスペクトを伝えつつ、「ごめんね、無理させたなあって(笑)」と謝ってみせた。一方の梶は「僕は“死ねないな”って思った」と語り、「焦凍は“死んで止める”っていう選択肢はないだろうなと。だから自分自身も冷静でいられた」と振り返った。また梶が「いつか轟家オンリーイベントを開催したい」という野望を口にする場面も。「それぞれ1人ずつ親父に対してコメントを言っていくとか、お母さんが1人ずつぎゅっとしてくれるとか。泣いちゃうよそんなの!」と夢を膨らませた。

イベントの終盤には8月2日に公開を控える映画「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト」の話題も。映画に登場するオリジナルキャラクターで、宮野真守演じるジュリオ・ガンディーニについて梶は「いろんなスタッフの癖(へき)が詰め合わせのキャラクター」とほのめかす。さらに「宮野真守(という存在)も“癖”の1つ。これ癖、これ癖、っていうのを数えたら十数個あったので、必ずどれか刺さるはず」とキャラクターの魅力を熱弁した。

なおトークパートは生配信も行われ、期間限定でアーカイブが公開中。イベントの中では6月29日放送の第147話「EXTRAS」に向けて、エンデヴァーとホークスがオール・フォー・ワンに立ち向かう新たなビジュアルも公開された。

「僕のヒーローアカデミア」第7期

読売テレビ・日本テレビ系全国29局ネット:毎週土曜日17:30~

スタッフ

原作:堀越耕平(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
総監督:長崎健司
監督:中山奈緒美
シリーズ構成・脚本:黒田洋介
キャラクターデザイン:馬越嘉彦、小田嶋瞳
音楽:林ゆうき
アニメーション制作:ボンズ

キャスト

緑谷出久:山下大輝
爆豪勝己:岡本信彦
麗日お茶子:佐倉綾音
飯田天哉:石川界人
轟焦凍:梶裕貴
死柄木弔:内山昂輝
荼毘(轟燈矢):下野紘
トガヒミコ:福圓美里
スターアンドストライプ:朴ろ美
オールマイト:三宅健太
オール・フォー・ワン:大塚明夫

(c)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会