サントリー「翠ジンソーダ缶」から、同ブランド初の限定商品「翠ジンソーダ缶<柚子搾り>」(350ml缶/税別182円)が6月18日に登場した。無色透明で切れ味の鋭い風味の翠ジンソーダは、爽やかさ・清々しさの印象が強い。そこに柚子が加わることでどう変わるのか? さっそく試してみたい。

  • 「翠ジンソーダ缶」と焼き鳥の食べ合わせを試す

広がりを見せる「サントリージン 翠(SUI)」

2020年に発売された「サントリージン 翠(SUI)」は、コロナ過での家飲み需要も手伝って、発売以来、メーカーの想定を超えて売れ続けている。2022年には翠(SUI)のおいしさを気軽に味わえる「翠ジンソーダ缶」が発売され、こちらも瞬く間に定番商品に。いまではコンビニなどでいつでも気軽に購入することができる。

そんなジンの魅力を広めることになった「翠ジンソーダ缶」が、同ブランド初の限定商品を6月18日から販売している。それが「翠ジンソーダ缶<柚子搾り>」だ。アルコール度数は5%で、350ml缶と500ml缶がラインアップされている。

  • 限定商品「翠ジンソーダ缶」350ml。希望小売価格は182円(税別)

「翠ジンソーダ缶<柚子搾り>」の特徴は、なんといっても柚子原料酒(蒸溜酒・浸透酒)と柚子果汁を加えたことだろう。翠(SUI)の魅力は、ジンの伝統的なボタニカル(草根木皮)8種をベースに、3種の和素材(柚子・緑茶・生姜)を追加することで生まれている。今回の限定商品はここに柚子の香りや甘みが加えた商品だ。

各社からさまざまなフレーバーのRTD(READY TO DRINK/ふたを開けてすぐ飲めるアルコール飲料)が発売される中、「翠ジンソーダ缶<柚子搾り>」はどのような個性を持っているのだろうか。さっそく試してみよう!

「翠ジンソーダ缶」と「翠ジンソーダ缶<柚子搾り>」を比較

まずはオリジナルの「翠ジンソーダ缶」と「翠ジンソーダ缶<柚子搾り>」をそのまま飲み比べてみたい。

オリジナルの「翠ジンソーダ缶」は、安定のおいしさだ。ともすれば伝統的なボタニカルの風味が強調され、苦手な日本人も多いジンだが、柚子・緑茶・生姜という和素材を加えることで馴染みやすく、爽やかさを感じやすい味を実現している。アルコール度数が7%になるまでソーダを加えられているのも理由の一つだろう。

一方、「翠ジンソーダ缶<柚子搾り>」は、プルタブを開けた瞬間から柚子の香りが強く立つ。見た目は「翠ジンソーダ缶」同様、無色透明だ。

その味わいは、「翠ジンソーダ缶」よりもさらにマイルドで、ジン独特の"ボタニカルの角"がきれいに取れている印象だ。アルコール度数は「翠ジンソーダ缶」より低い5%なので、まさに「翠ジンソーダ缶」に柚子原料酒を加えた形なのだろう。ほのかな甘みは、原材料に含まれている糖類と酸味料だろうか。とにかく飲みやすく、ジン特有の風味が苦手な人でも意識せずにグイグイいけてしまうかもしれない。

一言で言って、「翠ジンソーダ缶<柚子搾り>」は万人受けする印象だ。甘すぎないやさしい甘味は人工的な感じを受けることなく自然で、この味が嫌いな人はなかなかいないのではないだろうか。

  • 「翠ジンソーダ缶」もオリジナルと変わらず無色透明

ぼんじりと翠ジンソーダを合わせる

次に、居酒屋メニューの大定番である焼き鳥と合わせてみよう。今回用意したのは、ぼんじりのタレと塩ダレ、そして七味唐辛子をまぶした手羽先だ。

まずはタレぼんじりからスタート。甘い鳥の脂と濃厚なタレの相性がバツグンなタレぼんじりは、その分クドくなりがちだ。「翠ジンソーダ缶」はこの脂と甘さをスッキリと洗い流してくれる。一方、「翠ジンソーダ缶<柚子搾り>」は洗い流すだけでなく、タレと柚子が相乗効果も生んでくれるようだ。

これは甲乙つけがたい……。口の中をさっぱりさせて次にいけるという点では「翠ジンソーダ缶」だが、「翠ジンソーダ缶<柚子搾り>」はタレぼんじりのウマさを引き立ててくれる。食事の前半であれば「翠ジンソーダ缶<柚子搾り>」、後半であれば「翠ジンソーダ缶」だろうか。

  • 「翠ジンソーダ缶」とぼんじりのタレの食べ合わせ

続いて、塩ダレぼんじりとの食べ合わせを試す。こちらも甲乙つけがたいが、「翠ジンソーダ缶」だと若干淡泊な印象を受け、物足りなさが残る。一方「翠ジンソーダ缶<柚子搾り>」は相乗効果が素晴らしい。塩ダレの塩辛さと「翠ジンソーダ缶<柚子搾り>」のほのかな甘みと柚子の風味がお互いを引き立ててくれる。個人的には、この食べ合わせでは「翠ジンソーダ缶<柚子搾り>」を推したい。

  • 「翠ジンソーダ缶」とぼんじりの塩タレの食べ合わせ

七味がけ手羽先と翠ジンソーダを合わせる

最後に、七味唐辛子をかけて焼いた手羽先と合わせてみたい。

和素材を加えた翠(SUI)は、もともとこういった日本の香辛料とすこぶる相性が良い。それは「翠ジンソーダ缶」でも変わらず、七味とソーダが合わさった清々しさが、手羽先の脂を洗い流し、いくらでも食べられる食べ合わせになっている。

一方で、「翠ジンソーダ缶<柚子搾り>」は、若干手羽先の脂に負けるというか、甘みと合わさってクドさを感じる。柚子の風味自体は良いのだが、たっぷりの脂だと糖類が邪魔に感じる。一方で七味と柚子の風味の相性は良く、これを好む方は決して少なくなさそうだ。個人的には「翠ジンソーダ缶」を選ぶが、どちらもウマいことにはまったく変わりがない。

  • 「翠ジンソーダ缶」と手羽先の七味がけの食べ合わせ

ぜひ定番商品にしてほしい「ちょっとした傑作」

筆者は日ごろ、商品の良さを伝えるスタンスでレビューを行っており、逆に絶賛することもあまりしないようにしている。だが「翠ジンソーダ缶<柚子搾り>」は、正直に「ちょっとした傑作」だと感じてしまった。

翠ジンソーダの柚子割りはもともと定番の飲み方なのだが、柚子そのものではなく柚子原料酒を加えることで、酸味よりもやさしい風味を感じやすくなっている。甘味も程よく、非常にバランスが良い。ジンが苦手な人が感じやすいジュニパーベリーの風味をうまくカドだけ和らげており、だれもが飲みやすい味と感じるのではないだろうか。

今回は限定商品として販売された「翠ジンソーダ缶<柚子搾り>」だが、個人的にこれは定番商品にしても良いと感じる。それくらい万人受けする商品だと思う。「翠ジンソーダ缶<柚子搾り>」を皮切りに、生姜割り、煎茶割りといった他の定番の飲み方も、「翠ジンソーダ缶」で実現を願いたい。

  • 「サントリージン 翠(SUI)」のさらなる広がりに期待したい