テレビ朝日の“シン・時代劇ドラマ”『君とゆきて咲く~新選組青春録~』(毎週水曜24:15~※一部地域除く)第9話が19日に放送され、三浦涼介演じる芹沢鴨のラストシーンに絶賛の声が寄せられている。(本記事には、第9話のネタバレが含まれます)

  • 三浦涼介=テレビ朝日提供

■手塚治虫氏原作『君とゆきて咲く~新選組青春録~』

手塚治虫氏の隠れた名作『新選組』を初映像化する今作では、熱い友情で結ばれながらも、時代の波に翻弄され、やがて白刃を交えることになる2人の若き隊士、鎌切大作(前田拳太郎)と深草丘十郎(奥智哉)の姿、幕末という混沌の時代を閃光のごとく駆け抜け、はかなく散っていった新選組隊士たちの青春を2クール連続放送で描く。これまでの時代劇にはない流麗な“剣舞”も織り交ぜ、ニュースタイルの時代劇を創出する。第9話では、壬生浪士組に分裂の危機、そしてついに芹沢鴨(三浦涼介)に運命の瞬間が訪れることに。

■第9話では、芹沢鴨に運命の瞬間が

ご法度を破った末に間者=裏切り者として疑われ、隊士たちの前から姿を消した渋皮喜平(簡秀吉)。この一件は壬生浪士組内に大きな影を落とし、大作や丘十郎はそれぞれ、“何が正しくて何が間違っているのか”、“自分たちはこれからどう進むべきなのか”と思い悩み、眠れない夜を過ごす。そんな中、幹部の亀裂が決定的なものに。かねてから傍若無人なふるまいで、幹部たちの反感を買っていた頭取・芹沢。最近では会津藩主・松平容保(味方良介)との謁見にも現れず、見かねた局長・近藤勇(高野洸)は謁見に参加してほしいと苦言を呈すが、芹沢は突然「土方を斬れ。できねぇなら俺は抜ける」と言い始める。「何を言ってるんですか」と驚く近藤に、「俺は常にお前を疑う。土方は何があってもお前を信じる。それはお前にとって毒になる。いつかお前はあいつの求める正しさにがんじがらめになって溺れる」と説明する芹沢。「自分と土方歳三(阪本奨悟)のどちらかを選べ」と“運命の選択”を迫るのだった。

芹沢はさらなる暴走へとひた走り、会津藩御用達の豪商・鵺野義正(渡辺いっけい)の屋敷に火を放つ。「博打、うちに行ってくらぁ」と壬生浪士組に帰ると、一同が刀を構えて待っていた。「ずいぶん派手な出迎えじゃねぇか、嫌いじゃないぜ」と意に介さない様子を見せる芹沢だが、「鬼と呼ばれても近藤さんを高みまで連れて行く」と決意をかためていた土方に「脅しのために火を放ったと。理由は我らを裏切る軍用金を得るため」と言われると、すべての行動が明るみになっていることを理解。「近藤はどうした。そうかこれが答えか」と、近藤は自分ではなく土方を選んだことも悟り「やるか土方」と応戦する姿勢を見せる。そして、同じ羽織を身にまとう者同士の切り合いが始まる。追い詰められた芹沢は切腹を迫られるが、「武士の誇り? くそくらえだよ」「てめえらの正しさのために、邪魔になるもんはこれから全部斬っていくんだろう。薄っぺらい誠だな、笑わせてくれるぜ。そんなもののために死ぬなんざ俺はごめんだ」と言い放ったのちに、「地獄で待ってるぜお前ら」と語りかける。最後は土方が手を下し、それが芹沢の最後の言葉となった。

そんな光景を、呆然と見つめる丘十郎たち。丘十郎は、「何が正しくて何が間違っているのか、俺たちはこれからどこへいくのか、何もわからない。ただ父さんの言葉が聞こえてくる『だめだ、そちらに行っては』」と父親の言葉を反芻しながら、震える手を一人、握りしめるのだった。

■三浦涼介が演じきった芹沢鴨のラストに絶賛の声

壬生浪士組の分裂、そして芹沢の失脚が描かれたシリアスな展開にSNSでは、「衝撃すぎた」「自分の涙で溺れるかと思った」「あまりにもほんとにしんどい展開すぎる」「終始苦しかったな…」との声が上がった。

芹沢を演じた三浦は、『仮面ライダーオーズ/OOO』(10~11年)のアンク/泉信吾役で強烈な存在感を放ち、近年では舞台『呪術廻戦』(22~24年)で五条悟を演じるなど数々の話題作で実力を発揮する俳優。出演発表時には、三浦自身「この芹沢鴨という役が、僕の新たなターニングポイントになる予感がしています」と並々ならぬ意気込みを語っていた。

そんな三浦が喜怒哀楽すべての表情を使い分けて演じきった芹沢の壮絶なラストには、「芹沢鴨を三浦涼介さんが演じた意味がよく分かる回だった」「芹沢鴨役が三浦涼介である理由だろ」「芹沢鴨の最期すごかった…三浦さんすごいね…」と、改めてキャスティングに納得の声が。「最期まで色気あってかっこよかった」「芹沢さんの迫力ありすぎて」「最期は壮絶でしたが、それと同時にすごく美しかった」「すごく人間らしくて愛らしかった」「芹沢さんの最期、見事でした」「怖いぐらい美しい」と、続々と絶賛の声が寄せられている。さらに、「芹沢は単純な悪役ではなく、彼なりの信念とか正しさがあって…と言いたい」「方向性の違いはあれど 壬生浪士組(新選組)の事を未来を見据えて考えていた人」「芹沢さんも間違ってはいない、近藤さんも土方さんも間違っていない」と、芹沢、そして近藤や土方の思いを汲み取る投稿も多数見られた。

第9話は、現在TVerで配信中。

来週、6月26日放送の第10話では、芹沢の最期に大きなショックを受けた丘十郎が、剣を握ると手が震えて力が入らなくなってしまう。苦悩する丘十郎を、大作は複雑な思いで見つめる。

【編集部MEMO】
頭取・芹沢鴨(三浦涼介)を粛清した壬生浪士組は局長・近藤勇(高野洸)、副長・土方歳三(阪本奨悟)が束ねることとなり、同時に会津藩主・松平容保(味方良介)から“新選組”という新たな隊名を拝命する。しかし、芹沢の最期に大きなショックを受けた深草丘十郎(奥智哉)は、剣を握ると手が震えて力が入らなくなってしまう。“自然体”の境地を意識すればするほど、亡き父・七也(戸次重幸)が死の間際、自分を止めるべく言い遺した、「丘十郎…そちらに行ってはいけない…」という言葉が頭によみがえるようになったのだ。苦悩する丘十郎を、鎌切大作(前田拳太郎)は複雑な思いで見つめて…。