ハロー! プロジェクトのアイドルグループ・Juice=Juiceのコンサート『Juice=Juice Concert Tour 2024 1=LINE 植村あかり卒業スペシャル』が14日に東京・日本武道館で開催された。

  • 植村あかり

■3代目リーダー・植村あかり卒業コンサート

本公演は、4月20日にスタートし、全9会場12日程23公演を開催した『Juice=Juice Concert Tour 2024 1=LINE』の千秋楽で、オリジナルメンバーで3代目リーダー・植村あかりの卒業コンサート。11,000人のファンが会場に駆けつけ、CSテレ朝チャンネル1で生中継、全国47都道府県の映画館でライブビューイングが実施された。植村は、1998年12月30日生まれの25歳。2013年2月25日に結成されたJuice=Juiceのメンバーに選ばれ、2013年9月11日、シングル「ロマンスの途中/私が言う前に抱きしめなきゃね(MEMORIAL EDIT)/五月雨美女がさ乱れる(MEMORIAL EDIT)」でメジャーデビューを果たした。2021年11月には、3代目リーダーに就任している。そんな植村のお気に入りの楽曲は、2014年3月19日に発売された3rdシングル収録の「アレコレしたい!」。本公演にも、11年の経験を活かし、グループの魅力を凝縮したコンサートにするため、「アレコレしたい!」をテーマに、自ら衣装や演出に“アレコレ”アイデアを出し、制作に携わったという。

■植村のお気に入り楽曲「アレコレしたい!」を含むメドレーも

公演は、Juice=Juiceの始まりの楽曲といえる「私が言う前に抱きしめなきゃね」で幕を開け、3曲を歌い上げると、植村が会場に向かって「We are Juice=Juice!」とクールにあいさつ。「皆さん、楽しいですか? ステージに立った瞬間からあたたかくて笑顔になりました」と優しい笑顔で語った。さらに、Juice=Juiceとして武道館に立つのが初めてだという川嶋美楓は「皆さんの熱気がすごくて、楽しみな気持ちでいっぱいです」とニッコリ。4代目リーダー就任が決まっている段原瑠々は、「Juice=Juice ファミリー(Juice=Juiceのファンネーム)も“1-LINE”になって楽しんで」と公演名にかけて呼びかけた。そしてメジャーデビュー曲「ロマンスの途中」を皮切りに、「好きって言ってよ」「イジワルしないで抱きしめてよ」など人気曲を立て続けに披露。「天まで登れ!」からスタートする6曲のメドレーは、植村お気に入りの「アレコレしたい!」で締めくくられた。「Fiesta! Fiesta!」、「『ひとりで生きられそう』って それってねぇ、褒めているの?」などの代表曲で会場を熱く盛り上げると、「GIRLS BE AMBITIOUS」、「Magic of Love」で会場と一体となり、本編は終了。

■植村あかり、あいさつの手紙はほぼ白紙

アンコールでは、植村のニックネームである“あーりー”コールとメンバーカラーの緑色のペンライトの海の中、植村が一人、メンバーカラーの緑を取り入れたマーメイドラインのドレスで登場。そして「Brilliance of memories」で伸びやかで真っ直ぐな歌声を披露した。そして「“初めてを経験中”ということで甘やかしてもらえたら」と、楽曲になぞらえ前置きすると、手紙を読み始めた。「あまり私らしくないかなと思ったんですけど、お手紙を書いてきたので、私の話し口調でお届けできたら」と語りかけると、大きな拍手が。

「まずは皆さん、楽しかったですか? 私もその楽しい瞬間を大切にしながら、気がついたら11年が経っていました。それが短いか長いかで言えばどちらとも取れないような期間をここで過ごさせていただいたなと思います。大阪で、関西の研修生としてダンスレッスンを始めてから14年目。これまたびっくりなんですけど、その後にハロプロ研修生として東京に足を運ぶことになり、決まった道のりなのに何度も乗り換えに間違い、迷子になり、たくさんの方に導いていただきました。その時の私を見て、この子がJuice=Juiceのリーダーになるとは誰も予想できなかったんじゃないかなと思います」と道のりを振り返る植村。「そんな私のへなちょこな人生にJuice=Juiceという新しい道をくださったつんくさん含め、関係者の皆さん、お友達、家族、Juice=Juiceファミリー、メンバーの皆……」と読み上げると涙。「Juice=Juiceにしかなしえなかっただろうなと思うような経験を、大切なメンバーと、Juice=Juiceファミリーの皆とさせていただいたことは、私の中で一生の宝物です」と感謝を語った。

そしてメンバーについては「“ライブにはネガティブなものを持ってこない”ことをお約束にステージを楽しんでいたのですが、Juice=Juiceのメンバーは、言葉で伝えずとも、率先して笑顔でいてくれました」と話し、「ヘナチョコ人生だった1人のアイドルが変われたのも、Juice=Juiceになったことがきっかけだったと思います。つんく♂さんがとても強い歌詞を書いてくださるから、見ているうちに、自然に強くたくましくあれたのかなと思います。Juice=Juiceの強さ、自由さはすべてそこから来たものだと思います」と、Juice=Juiceの楽曲の魅力を語った。

そして「11年を過ごしてきて、いろんなことを味わってきたけど、酸いも甘いも噛み締めてきたけど……最後に残るのは幸せな気持ちしかなかったです。私にJuice=Juiceという希望の道を与えてくれてありがとう。私の名前のあかりの由来は、明るい道をたどって、いつまでも明るく照らせるようにという意味で。Juice=Juiceにならなかったら、この由来をこんなに噛みしめることはなかったと思います」とグループ名、自分の名前の由来についてコメント。「最初にコンプレックスだった笑顔を好きになったきっかけは、Juice=Juiceファミリー。この武器を、皆さんの笑顔に還元出来たらと思っています。愛してくれて、見つけてくれてあーりーがとう」ここまで読むと、なんと持っていた手紙には「あーりーがとう」しか書いていなかったことが判明し、会場はどよめきが起こった。

■メンバーからも植村にメッセージ

メンバーと「続いていくSTORY」、「Wonderful World」を歌うと、一人ひとりからあいさつが。川嶋は「植村さんと過ごした時間は忘れないし、これからの活動の支えに、植村さんがいてくれたら」と感謝。遠藤彩加里は、泣きながら、震える声で「とても楽しかったです」と伝えた。石山咲良も涙しながら「植村さんはこれから自由にいろんなところに行かれると思うんですけど、たまにはしっかり、背中を押してください。いつも押してもらってるんですけど、いつも以上にドンと押してください」と頼む。

江端妃咲は「最初に“えば”って呼んでくださった先輩なんですよ、多分。それがうれしかったし、植村さんが私のことをいじってくださらなかったら、悪ガキキャラは成立してなかった」と振り返る。入江里咲は、「植村さんが今までJuice=Juiceにくれたものって本当にたくさんいっぱいあるんですけど、こうして指輪をいただいちゃって。本当にサプライズなんですよ。お手紙を読まれて、準備をしてるときに指輪が置いてあって、『植村さんの手作りなんだよ』って。最後まで愛を感じました」と、植村のサプライズプレゼントを明かした。有澤一華は音楽で悩み、壁にぶつかっていたときに「大丈夫だよ一華、自分の信じる音楽をやっていいんだよ、とステージで、ライブで助けてくれて、音楽を信じることができた」と助けられた思い出を語る。

3年あたためてきた話があるという松永里愛は、「名古屋の地下に楽屋があるタイプの会場で、植村さんと1時間半、真っ暗闇のなかで二人きりで話し込んだんです。そのとき、コロナ禍真っ只中で、皆さんの声も聞けないし、私たちの熱量も分からない、ライブの楽しみがわからなくなったって言っちゃったんですよ。植村さんはちょっとだけ悲しそうな顔して、そっか、思っちゃったかって言ってくれて。でも今日、日本武道館でライブの楽しみを感じることができてうれしい。私にはJuice=Juiceしかないから、どうやって恩返ししていこうかなって……でも、パフォーマンスでもっと大きな景色を見せていきたい」と熱く語った。工藤由愛は、「植村さんには、結局手のひらで転がされて叶わない。私も陽気な感じで、植村さんみたいに明るくできるように頑張ります。いっぱい笑顔にするので!」と笑顔いっぱいのメッセージを送る。

井上玲音は、2020年12月のクリスマスイベント植村が言われたことを忘れられないと振り返り、「その言葉で、仲間意識がすごく爆発しちゃって。素敵なグループ、素敵な仲間たちだなって」と目を細めた。そして段原は「オリジナルメンバーさんの後ろで踊っているときに感じた無敵感。本当にかっこよくて、ずっとずっと憧れで、こんなかっこいい人たちがいるんだって感動しました」と先輩であるオリジナルメンバーへのリスペクトを見せ、「これからも変わらず、ずっと後輩たちと進んでいけたらと思います」と次のリーダーとしてあいさつした。

そして植村は「初代リーダーが、いつのJuice=Juiceも最高だと言ってくれることを胸にこれからも刻んで。そしてライブはずっと大事にしてきたものなので、これからもたくさん、皆と楽しい空間をつくってほしいと思います。近くから、Juice=Juiceファミリーとして応援しています。これからもJuice=Juiceを皆でつないでいきましょうねー! 3代目リーダー、植村あかりでした。あーりーがとうございました!」と語った。

最後の曲「Goal~明日はあっちだよ~」を歌い上げ、すべての楽曲が終了して捌けたあとも、あーりーコールが止まらず、「そっか、今日私卒業するんだ」とマイペースに噛み締めながら、再びステージに帰ってきた植村。メンバーを呼び、「一つの夢だったからうれしい」と、客席と写真・動画撮影を楽しんだ。

■Juice=Juice Concert Tour 2024 1=LINE 植村あかり卒業スペシャル セットリスト

  • 1.私が言う前に抱きしめなきゃね(MEMORIAL EDIT)
  • 2.Borderline
  • 3.トウキョウ・ブラー
  • 4.ロマンスの途中
  • 5.好きって言ってよ
  • 6.イジワルしないで抱きしめてよ
  • 7.おあいこ
  • 8.ポツリと
  • 9.愛・愛・傘
  • 10.銀色のテレパシー
  • 11.FUNKY FLUSHIN'
  • 12.メドレー(天まで登れ!、五月雨美女がさ乱れる(MEMORIAL EDIT)、伊達じゃないよ うちの人生は、CHOICE & CHANCE、大人の事情、チクタク 私の旬、アレコレしたい!
  • 13.ナイモノラブ
  • 14.プライド・ブライト
  • 15.Fiesta! Fiesta!
  • 16.「ひとりで生きられそう」って それってねぇ、褒めているの?
  • 17.GIRLS BE AMBITIOUS
  • 18.Magic of Love
  • 19.Brilliance of memories
  • 20.続いていくSTORY
  • 21.Wonderful World
  • 22.Goal~明日はあっちだよ~