「ブドウ栽培によるにぎわいづくり」
ノウタス株式会社と大阪府高槻市は2024年6月3日に、市内農業の持続的発展と街のにぎわいづくりに関する連携協定を締結しました。調印式では濱田剛史(はまだ・たけし)高槻市長が「この取り組みが全国から注目され、本市の一大ブランドになることを期待しています」とコメント。
同社は「パープルM」と名付けた事業を通じて「オンラインぶどう狩り」や「ぶどうの粒売り」などのブドウに関するさまざまな取り組みを行ってきました。
高槻市は同社の代表取締役会長の髙橋明久(たかはし・あきひさ)さんと、パープルM事業管掌VPの村上信五(むらかみ・しんご)さんの出身地。昨年8月から同市と協議を重ねて、今回の協定締結に至りました。
村上さんは「地域の方などのご理解やご協力をいただいたうえで、町おこしイベントや近隣施設などとの連携も考えられると思っています。高槻市はアイデアの宝庫ですし、いろいろな可能性のある地域です」と話しました。
「農」に関わる人を増やす
生活の延長線上に「農」を
高槻市は、大阪からは電車で15分、京都からは12分とアクセスの良さも特徴の一つ。ノウタス高槻農園が新しく農園を開く高槻市樫田(かしだ)地区も「大阪駅、京都駅から1時間程度」と髙橋さん。「大阪、京都の方に、生活の延長線上にある農園として親しんでいただきたいです」と期待を込めました。
ノウタス高槻農園の社長を務める岡木宏之(おかき・ひろゆき)さんは農園の開設にあたり「行政の方、農協の方、地元の方々のご協力によってこの日を迎えられたことを大変うれしく思っております。皆さんと一緒に、地域の方や多くの方に楽しんでいただけるような農園作りをしていきますので、これからもよろしくお願いいたします」とあいさつしました。
プロジェクトを広げていく
「基本的に僕らだけでできることは本当に少ないんです」と話す髙橋さん。「私一人でできることも少ない。そこでブドウのエキスパートである岡木や、エンタメのエキスパートである村上、コンテンツ制作のエキスパートである 玉置など、それぞれの力が集まることで、このプロジェクトがあると思っています。今後は地域の方を始め、応援いただけるみなさんと一緒に農園を作っていきたいです」
“1本目”に植えられたデラウェア
同農園はもともと、地元農家によるブドウ農園でしたが、使われなくなったもの。まずは土壌の整備から始める必要があり、本格的な農園としてスタートするのは来年の予定です。
まずは開園・植樹式として、デラウェアの木が植えられました。「めちゃめちゃかわいくて。苗木を見たときに『このコだ』みたいな。実るのが楽しみです」(玉置さん)
「実は大阪はデラウェアの名産地。近年はシャインマスカット人気で大粒なぶどうが人気ですが、小粒なぶどうの魅力を発信することで、大阪のぶどう生産を盛り上げていきたいです。また、ノウタスが研究している新品種も、デラウェアのような気軽に親しんでいただけるぶどうの開発を目指しています。1本目をデラウェアにしたのはそういった思いが込められています」(髙橋さん)
「期待の大きさを強く感じた」
高槻市との連携協定の調印式、新農園の開園・植樹式の後、同社は高槻市農業協同組合(JAたかつき)へも訪問。意見交換などを行い、いよいよ本格的なスタートを切ることになりました。
「実りの多い時間でした。対面で話をすることで期待の大きさを改めて実感しました。まずは樫田地区でブドウを作っていることを多くの方に再認知していただきつつ、実がなるようになったら『今年の出来は?』と毎年気にしていただけるような農園に育てていければうれしいですね」(村上さん)
「高槻市、JAたかつきからの期待の大きさに身が引き締まる思いでした。協力いただけるお気持ちを聞いて、後押しされた思いです。多くの方に農業を体験いただき、味わっていただけるように一生懸命やっていきたいと思っています」(岡木さん)
「今回、地域の皆さんからは、私たちが思っていた以上に好意的に迎え入れていただいたと思っています。期待を裏切らないようにしたいですし、将来的には海外でTAKATSUKIといったら『ブドウの場所だね』と言われるような未来を作りたい。現在、並行して育種の取り組みを行っています。順調に進めば、そこでできた新たな品種を来年には植えていきたいですね」(髙橋さん)
既存品種のリブランディングや新品種の研究、生産、加工、流通販売に取り組む同社。この農園から、多くの人が「農」に触れることが期待されます。