映画『かくしごと』(公開中)の公開記念舞台挨拶が8日に都内で行われ、杏、中須翔真、奥田瑛二、関根光才監督が登壇した。
同作は、北國浩二氏による小説『嘘』(※嘘は正字)の映画化作。長年確執のあった父親の認知症の介護のため、田舎へ戻った主人公・千紗子(杏)は、ある日、事故で記憶を失った少年(中須)を助ける。少年に虐待の痕を見つけた千紗子は、少年を守るため、自分が母親だと嘘をつき、一緒に暮らし始め、疑似親子はやがて本物の親子のようになっていくが、幸せは長くは続かなかった。
■映画『かくしごと』公開記念舞台挨拶にキャスト陣登場
認知症の役を演じた奥田は「初めての役柄でしたので、どんな人生の男なのかということを自分で暗中模索しながら、まずは認知症の方がいらっしゃる施設に2箇所伺って友達になって、話をしてごはんをいただいて観察をさせていただいて。びっくりするようなことがたくさんあり、役と、お邪魔したところの人たちを咀嚼して、役を拵えて初日の現場に行きました」と振り返る。「現場に行く何日か前からうちのカミさん(安藤和津)が『えっ、もう役をやってるの?』というような。覚えていないんですけど、そんな状況で現場に通ってたというので、今日はちょっとかっこよくしてきました」と語った。
その姿に、中須も「すごい話しかけづらかったです。カメラが回ってない時でも気配があって」と近寄り難かった様子。奥田は「撮影中の出来事、ほとんど何も覚えていない。『おはよう』と言ってセリフは出してるんですけども、他に何を喋ったのか全く覚えていないし、覚えていないままうちに帰って寝る、また起きるというのがずっと続いてたので」と苦笑。「やっと公開されるんで、少しずつ紐解いて、 覚えてるのが1つだけありました。毎日縁側に座って、目の前の山を見てました。 その山、そして目の前を通りすぎる蝶々。それぐらいしか覚えてない」と会場を驚かせていた。