値上げが続いた2023年でしたが、2024年に入ってからは比較的値上げも少なく、値上げも落ち着いたのかと思いきや、帝国データバンクによると、4月の食品値上げは2806品目となりました。値上げの主な原因は、原材料の高騰です。オリーブオイルや胡麻、海苔、カカオ豆など、猛暑や干ばつなど天候不順を要因とした不作により、これら原材料が値上がりしました。さらにこれらの多くは海外から輸入されるものが多く、1ドル150円前後の円安水準も輸入コストをさらに押し上げています。これら農作物は収穫までに時間がかかるため、今後しばらくは値上がりするでしょう。
オリーブオイルの替わりになるものは?
ここ数年で、どんどん値上がりしているオリーブオイル。恐らくここ数年で倍近い値段になったのではないでしょうか。エキストラバージンオリーブオイルのように味わい深く、独特の風味を楽しむものは、なかなか替えが見つからないでしょう。こだわりがあるなら、多少高くてもお気に入りのものを使いましょう。その方がストレスなく、無駄な買い物をしないからです。
また、最近ではオリーブオイルの棚に「オリーブポマスオイル」といった安価なオイルが売られていますが、これはオリーブオイルの搾りかすから溶剤抽出をして作られています。これら溶剤を除去した「精製オリーブポマスオイル」や、バージンオリーブオイルを加えて風味付けしたものがオリーブポマスオイルとして店頭に並んでいます。オリーブオイルとしてはグレードが低く、他の食用油と比較すると割高感があります。
代替品を検討しているのであれば、サラダ用なら、グレープシードオイルがおすすめです。オリーブオイルと比べると、すっきりとした味わいですが、不飽和脂肪酸であるオレイン酸、リノール酸、リノレン酸が含まれています。グレープシードオイルは、熱に弱いので炒めものには不向きです。
炒め油といった加熱用なら、サラダ油やこめ油が候補になるでしょう。その中でも、こめ油は酸化しにくく、揚げ物がカラッと揚がると人気です。また、サラダ油の値上がりで注目されている油でもあり、ふるさと納税の人気返礼品のひとつにもなっています。
4月の値上げは加工食品が最多
2024年4月の値上げは、ハム、ソーセージといった加工肉や、冷凍食品といった加工食品が2077品目を占めていました。次いで値上げが多かったものは、調味料で369品目、だし製品を中心に、トマトケチャップ、唐辛子など香辛料、他には酒類・飲料で、287品目、ウイスキーなどの洋酒、トマトジュース、インスタントコーヒーなどでした。
対策は多少手間はかかりますが、冷凍食品に関しては、野菜や肉といった原材料となる食材を購入して、自身で下味を付けてから冷凍するとよいでしょう。他にも、きんぴらごぼうやひじき煮といった水分が少ないお惣菜も冷凍することができます。お弁当用に、小分けして冷凍しておくと便利ですね。
ハムやソーセージといった加工肉は、お弁当の友でもありストックしておくと何かと便利な食品です。値上げとなれば、比較的安価に手に入る鶏むね肉を使った、鶏ハムを作って代用するのも一案でしょう。ベーコンを手作りするのはなかなか難しいので、豚バラスライスとマジックソルトで焼いてもいいでしょう。
もちろん、ハム・ソーセージに替えることができないものもありますが、問題ないものなら替えていくとよいでしょう。
調味料は、こだわりがなければプライベートブランド(PB)商品に切り替えると比較的安価に購入することができます。PBとはいえ、製造元は大手もしくはそれに近い企業であることがほとんどです。商品によっては、製造元が記載されていますので、チェックしてみるといいでしょう。
個人的な失敗談なのですが、安さにつられて買ったマヨネーズのような調味料が、びっくりするほど美味しくなくて泣く泣く処分したことがありました。親しみのあるメーカーのものを買った方が結局はムダがないでしょう。それらをお得に買うには、特売日や割引になる日を狙うと少しでも安く買うことができます。
買っておいた方がよいもの
6月の値上げ動向もチェックしておきましょう。
買っておいた方がよいと思うものは、海苔(大森屋、白子のり、ニコニコのりなど)、マスタード(キューピー)、チョコレート(明治)、みかんの缶詰類(はごろもフーズ)、オレンジジュース(キリンビバレッジ)、スナック菓子(カルビー、ハウス食品)です。この中では海苔あたりは5月中にストックと相談して買い足しておいてもいいかもしれませんね。
個人的には、キャベツの価格が早く落ち着いて欲しいと切に願っています。近所のスーパーでは、一時期1玉500円ほどになっており、もっぱら小松菜や水菜といった比較的安価な葉物野菜を購入しています。そして休眠プランターやプラカップ、ペットボトルも活用し、家庭菜園を強化し始めました。