不動産投資サービスINVASEを運営するMFSは23日、不動産投資アプリINVASE Proの新機能として「不動産の時価がいつでも分かり」「適正価格で売却できる」サービスをリリースした。

  • MFSが、不動産の時価や純資産がわかるサービスをリリースした

■安全に不動産投資できる環境へ

INVASEは、不動産投資を「買う」「見直す」「売る」「学ぶ」ことができる総合不動産投資サービス。不動産投資ローンの借り入れ可能額を判定する「バウチャー」サービス、不動産投資ローンの借り換え先金融機関を紹介する「借り換え」サービス、保有物件の「売却」サービスなどを用意する。非対面のオンラインサービスが支持され、不動産投資を副業とするサラリーマン投資家を中心に利用者が広がりをみせる。

  • 不動産投資サイトのINVASE。サービス開始は2018年10月。同社では3万人を超える利用者の登録実績があるとうたう

不動産投資アプリINVASE Proでは、2023年10月より必要自己資金で物件を探せるサービスを提供してきた。そして今回、投資した不動産の時価がいつでも分かり、売りたい時に適正な価格で売却できる新たなサービスを追加する。類似の不動産投資サービスを調査した同社によれば、日本初のサービスとのこと(2024年4月現在)。

  • 不動産投資アプリINVASE Pro

そもそも不動産価格は、年間賃料と利回り(キャップレート)で決定する。そのため収益物件の時価を把握するには、不動産査定サイトを利用するのが一般的。その場合は、複数の不動産会社から査定額を提示してもらう必要がある。

  • 不動産価格の決まり方

しかし本アプリでは、MFSが独自に開発したAIと不動産リスク指標であるPスコアを活用して時価を提示する。ローンを借りて投資している場合は、ローン残高も自動的に計算し、不動産を売却してローンを完済した場合の純資産を表示する。なお対象エリアは、東京23区、横浜市・川崎市の区分マンション限定となっている。

  • AIを利用して適正賃料を求める

  • 利回り(キャップレート)分析

MFS代表取締役CEOの中山田明氏は「不動産は2つと同じものがなく、公に開示された取引情報もないため、価格が不透明です。そのため購入した不動産をいつ、どのように売れば良いのか分からず、不動産投資に二の足を踏む人も多いのが実情です。一方で不動産は、それを担保に多額のローンを借りることができるため、少ない自己資金で大きな資産が築ける魅力的な投資対象でもあります。INVASE Proでは、保有資産の時価情報を提供することで個人が抱える価格への不安感を取り除き、安全な不動産投資ができる環境を提供します」と説明する。

説明会ではデモも披露された。物件名で検索するとデータベースから照会され、所在地、最寄り駅などの必要な情報が自動入力される。あとは専有面積、賃貸中か否か、所在階などの情報を入力。するとAIが自動で計算した賃料(月額)が入力される。そこで、その物件をいつ、いくらで買ったのか、ローンの情報も含めて入力。すべての入力を終えると資産詳細に登録され、AIが分析した「価格分析」、また「売却計画」の欄には、売却価格、諸費用、ローン残高、純資産などが表示される。アプリでは、X年後にいくらで売れた場合にどうなるか、といったシミュレーションも行える。

  • アプリの利用イメージ

なお収益物件だけでなく、自宅も査定できる。同じ操作画面から物件名で検索。賃貸状況のところで自宅利用にチェックを入れると、AIが判断した賃料が自動入力される。現在は自宅として利用している人も、もし人に貸したらいくらの賃料がもらえるのか、ここで試算できる。

中山田氏は「新たな機能の実装により、投資家同士を結びつける新しいマンション取引プラットフォームとしてビジネスモデルを進化させることができました。MFSではINVASE Proの資産評価機能を通じて不動産価格の透明性を高め、より多くの個人投資家がいつでも適正な価格で不動産をしていけるような、円滑に取引ができる世界をつくっていきたいと考えています」とまとめた。

  • 今後、投資家が安心して不動産投資の世界に入っていけるようなサービスにしていく