国際メディアコンクール「ニューヨーク・フェスティバル2024」が日本時間17日に発表され、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション からだに記す女たち ~女体書道を願うわけ~』がドキュメンタリー・The Arts(芸術)部門で銀賞、『最期を選ぶ ~安楽死のない国で 私たちは~』がドキュメンタリー・Human Rights(人権)部門で銅賞を受賞した。
『ザ・ノンフィクション からだに記す女たち ~女体書道を願うわけ~』は、女性たちの希望する言葉や詩を彼女たちの肌に書や墨絵で描き、アート作品として写真に収める書家・小林覚氏の“女体書道”に密着。人生を切り開こうともがく女性たちの姿を追った作品だ。
『ザ・ノンフィクション』はニューヨーク・フェスティバルで、『父を殺した母へ~無理心中から17年目の旅~』(2019年・銅賞)、『おじさん、ありがとう~ショウとタクマと熱血和尚~』(2020年・銀賞、国連グローバル・コミュニケーション<UNDGC>賞銅賞)、『花子と先生の18年~人生を変えた犬~』(2021年・銅賞)、『ボクと父ちゃんの記憶~家族の思い出 別れの時~』『あの日妹を殺されて~罪を憎む男が選んだ道~』(2022年・各銅賞)、『東京デリバリー物語 ~スマホと自転車とホームレス~』(2024年・銅賞)に続きと、6年連続での受賞となった。
『最期を選ぶ ~安楽死のない国で 私たちは~』は、“安楽死”をテーマとしたドキュメンタリー。スイスでの安楽死を望む人々がその瞬間を迎えるまでにカメラを向けて“最期を選ぶ”ことの意味を世に問いかけた。これまで「第32回FNSドキュメンタリー大賞」で優秀賞を、フランス・パリで開催された日本ドキュメンタリー映像祭「Un petit air du Japon2024」で最優秀賞にあたるエクランドール賞を受賞している。
さらに、フジテレビ作品からは『地球最後の秘境 南極大陸 観測隊が見た神秘の世界』<ドキュメンタリー・Environment & Ecology(環境・エコロジー)部門>と、『ザ・ノンフィクション 私が踊り続けるわけ~56歳のストリッパー物語~』<ドキュメンタリー・Community Portraits(地域の肖像)部門>の2番組が入賞を果たした。
コメントは、以下の通り。
■『ザ・ノンフィクション からだに記す女たち ~女体書道を願うわけ~』西村陽次郎チーフプロデューサー
「日本国内でもほとんど知られていない“女体書道”の世界。“『ザ・ノンフィクション』ならば・・・”と、初めてメディアの取材が許された作品が、国際的にも高い評価を受けたことを嬉しく思います。この受賞が“女体書道”が広く世界に知られるきっかけになることを願っています。番組としても6年連続の受賞と輝かしい記録となり、これからも日本発の世界に通じる魅力的なドキュメンタリーを制作していきたいと思います」
■『最期を選ぶ ~安楽死のない国で 私たちは~』山本将寛ディレクター
「自分の死に対する考えや、死にゆく姿をカメラの前で見せることはとても勇気のいることです。“命懸け”で取材を受けてくれた方々の思いを絶対に無下(むげ)にはしないという思いで作った番組がこのような形で評価されたことは光栄です。自分の尊厳のために“最期を選ぼう”とする人々を通して、『生きる』ということ、そして“最期を選ぶ”という選択肢について考えるきっかけになっていれば幸いです」
【編集部MEMO】
マイナビニュースの取材に、『からだに記す女たち ~女体書道を願うわけ~』の高橋麻樹ディレクターは「私がインタビューすると、まるで物語の主人公であるかのように、ご自身のことをめちゃくちゃ話してくれるんです。自分の思いや家族に言えないことなど、抱えているものがどんどん出てきて、こちらが“そこまで聞いてないのに”というところまで、赤裸々にしゃべってくれました」とコメント。『最期を選ぶ ~安楽死のない国で 私たちは~』山本将寛ディレクターは「最初は、安楽死を希望する人たちの気持ちや、制度への考え方など、分からないことだらけだったのですが、取材を進めていくことで、まず死にたいと望む人たちは“生か死か”という二元論ではなく、いい生き方をしたいから、その手段として死があると考えているのだと知りました」と語っている。
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