日本ロレアルは4月8日、2024年度事業戦略説明会を開催しました。説明会には、同社代表取締役社長のジャン-ピエール・シャリトン氏をはじめ、リュクス事業本部 本部長のオリヴィエ・ラッシュ氏など主要ブランドのリーダーが登壇。進化する日本市場のマーケティングやさらなる発展に向けた戦略説明を行いました。
コロナ前後のニーズを捉え、売り上げは過去25年間で最高額に
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説明会には、同社代表取締役社長のジャン-ピエール・シャリトン氏(中央)や主要ブランドのリーダーが登壇
1909年に設立したロレアルグループは、世界150カ国以上で事業を展開する世界最大の化粧品会社です。37のインターナショナルブランドを展開し、2023年は411.8億ユーロと最高売り上げを達成し、81.4億ユーロの経常利益を生み出しました。日本においても1963年から事業を開始し、2024年3月時点で18のブランドを取り扱っています。
「日本はロレアルグループにとって大変重要なマーケットで、インスピレーションの源泉です」と話した同社代表取締役社長のジャン-ピエール・シャリトン氏。市場規模はアメリカ、中国に次いで日本は世界第3位、スキンケアにおいては中国に続いて第2位に位置すると言います。
「2023年の日本市場はコロナ前の2019年と比べても12%を超え、売り上げも+9%に伸び、このようなダイナミックな市場で競争できることを楽しく思っている。また、オンラインの構成比においては、コロナ前の2019年は10%に対し、(現在は)20%まで伸び、消費者はビューティーをオンラインとオフラインの両方で楽しんでいる」と日本市場の傾向についてシャリトン氏は語りました。
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日本ロレアル 代表取締役社長 ジャン-ピエール・シャリトン氏
日本のビューティー市場においては、コロナ前後で「Eコマースの成長」「内面を含めた総合的な美しさ」「皮膚科学に基づくダーマコスメの伸長」「自分にとってのビューティーを探す本質の追求」「メイクアップの回復」「フレグランスの成長」という6つの変化があったのだそう。
実際にラグジュアリーブランドを擁するリュクス事業部では、過去20年間で最も成長を遂げ、昨対比はタカミやメゾン マルジェラが大きく寄与したことで、Aesop(イソップ)統合前にも関わらず+20%もの伸長があったといいます。中でもコロナ禍で急成長を果たしたのがフレグランスでした。
フレグランスは過去数年で2倍に躍進
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コロナ禍でフレグランスは急成長を果たしました
同社ロレアルリュクス事業本部長 オリヴィエ・ラッシュ氏によると「若い男女によるギフト需要により、フレグランス(の売り上げ)は過去数年で2倍に伸びた。コロナ禍の巣ごもりで、良い香りによって、気分高めることがきっかけになった。事業成長の50%をメゾン マルジェラ、40%をイヴ・サンローラン・ボーテが貢献。そこに昨年デビューしたプラダビューティが加わったことにより、フレグランスビジネスは3倍まで拡大することに成功した」と加速の要因を述べました。
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日本ロレアル ロレアルリュクス事業本部長 オリヴィエ・ラッシュ氏
そのほかにもリュクス市場においては、コロナ禍でのオンライン購入の加速、楽天やZOZOCOSMEといった新規顧客獲得のためのプラットフォームなどオムニチャネル化がD2Cの新境地を切り開いたと言います。
また、昨今のリュクス市場では、クチュール・ファッションブランドに対する消費意欲が高まり、シェア率は22%までを占めているのだそう。「アルマーニやヴァレンティノといったファッションプランドがある中で、日本のパワフルなブランドビューティーに強力な革新をもたらすプラダと“クチュールミニクラッチ”や“ラブシャインリップ”などで躍進を続けるイヴ・サンローランの2ブランドが成長の鍵となる」とメイクアップイノベーションへのこだわりをラッシュ氏は話しました。
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リュクス事業部が擁するラグジュアリーブランド
コロナ後の市場の変化に対してシャリトン氏は「まずはラグジュアリーとマス向けのメイクアップ、イヴ・サンローラン・ボーテやメゾン マルジェラ、今年導入したプラダビューティなどのフレグランスの分野を強化。また、総合的な美しさではAesopが加わったことで成長を成し遂げたいと考えている」と今後の展望を述べました。
さらに、SDGsの課題においては「DE＆Iでは、若い女性が科学分野において活躍できるよう支援、LGBTQ+イベント“東京レインボープライドパレード”への参加、男性の育児休暇の取得などに取り組んできた。日本というポテンシャルの高い市場で成功を収めるため、ビューティーマーケットで日本を輝かせ、そして世界に影響を及ぼしていきたい」と意気込みを語りました。
