ブロードウェイミュージカル『ハネムーン・イン・ベガス』の公開ゲネプロ&取材会が8日、東京・池袋の東京建物 Brillia HALLで行われ、アイドルグループ・Hey! Say! JUMPの伊野尾慧、松田るか、岸祐二、霧矢大夢、小山ゆうな氏(演出)が登壇。一同が伊野尾の魅力を語った。
■伊野尾慧、ミュージカル詐欺訴えるも「騙されて良かった」
まずは今作の見どころについて、演出の小山氏は「伊野尾さんが初めてのミュージカルということでいろんなナンバーで、いろんなシーンで、いろんな伊野尾さんの姿が見られますので、楽しんでもらえたら」とメッセージ。伊野尾は「舞台は9年ぶりで、ミュージカルは初めて。日々が新しい発見です。僕のいろんな姿を見せられたらいいなと思ってますけど、本当にたくさんのキャラクターがでてくるので、そこも楽しんでもらえたら」と語った。松田は「笑うことで免疫が上がるとプロデューサーさんも言っていたので、免疫力を上げられるような舞台に」と目標を掲げる。岸は「慧くんの魅力を目一杯引き出せたらと思っています。アンサンブルの皆さんのダンスや早替え、あと、上口耕平の大活躍をぜひ見ていただきたい。……名前を出せって言われたので(笑)」と上口の名前を挙げつつ「私もいろんなジャンルを歌っているので見ていただけたら」と話した。伊野尾演じるジャックの母親を演じる霧矢は、「叱りつけているシーンが多いんですけど、しっかり母の愛を伝えられたら」と役どころへの意気込みを語った。
伊野尾はミュージカル初挑戦について「33歳で新しいことに挑戦するのは緊張感があって。普段はHey! Say! JUMPで歌わせていただいていますが、力強いメンバーがいて、7人に支えられながら歌っているので全然(ミュージカルとは)違います。だから最初は、うーん、大丈夫かなって」と最初は不安に感じていたことを明かす。また、マネージャーからは曲数が少ないから大丈夫だよと言われていたが、香盤表をミュージカル経験メンバー・高木雄也に見せたところ「伊野尾くん、めちゃくちゃ曲数多いよ!」と驚かれ、その一連の流れを“ミュージカル詐欺”とメディアで冗談交じりに訴えていたことも説明。初日を前日に迎えた今の心境を、「今思えば、騙されてよかった」と語り、晴れやかな笑顔を見せた。
■“素直さ”が魅力と褒められるも「全然素直じゃないよね、俺!?」
ジャックの恋人役・ベッツィを演じる松田に、「伊野尾さんの素直さがすごくジャックに良い作用を与えてるなって。ジャックは嘘が一個もなくて、常に100%。伊野尾さんの素直さが乗ることで、ジャックの魅力が増幅されていると感じます」と魅力を語られた伊野尾は、記者陣に「全然素直じゃないよね、俺!?」と照れ隠しのように問いかける。しかし松田に「皆さんの意見を絶対に聞くし、分からないことがあったときも『ここ分からなくて』『ここってどうかな』『あれってどうかな』っていろんな人に聞きに行っていて、素直だなって」と解説されると、今度は「“素直”って書いてください」とアピールした。岸にも「俺がるかちゃんと稽古のことについて話してるのを横目で見て、『今、何話してたんですか?』って興味津々で入ってくる」と素直エピソードを追加され、「ミュージカル1年生なので、ただただ皆さんのお話をしっかり聞いているだけです」と恐縮していた。霧矢も「こんなに素直な33歳がいるのかなっていうくらい。まっすぐに受け止めて返してくれる。役としては突き放して、脅すようなことばかり言うんですけど、愛情のかけ甲斐があります」とニッコリ。
■演出・小山ゆうな氏「大所帯のセンターが合っている」
また伊野尾は、「このお話を頂いたとき、わがままを言わせてもらって、発声や歌の練習を、“少し”早めで始めました」と打ち明けるも、小山氏に「“大分”です」と訂正され「ハードル上がっちゃうじゃないですか!」と焦る。小山氏に「お稽古が終わったあとも、自分からやりたいと手を上げて、誰よりも遅くまで稽古場に残って、音楽監督に見てもらいながら歌の稽古をしています」と明かされ、伊野尾は「皆、びっくりするほど歌上手なんですもん! 放課後、毎日居残らせていただきました。学校みたいな生活で」と振り返った。
そして記者から「小山さんから見て、“ミュージカル俳優”としての、伊野尾さんはいかがでしょうか」と仰々しい質問を受け、思わず笑みをこぼす小山氏。伊野尾は「笑っちゃってるじゃないですか!まだ幕が開いてないから分かんないですよね?」と指摘するが、小山氏は「もともとオーラも輝きもお持ちですが、お芝居も歌もどんどん上手になっていって。何よりコミュニケーション能力がめちゃくちゃ高くて、皆が『伊野尾くんのために何ができるだろう』と考えているくらい、伊野尾さんは皆とコミュニケーションを取っているので、ミュージカルという大所帯のセンターが合っているなと思います」と、伊野尾の座長ぶりに太鼓判を押した。
■ゲネプロ写真
■伊野尾慧主演『ハネムーン・イン・ベガス』
同作は1992年にアンドリュー・バーグマンが監督・脚本を担当し、ニコラス・ケイジとサラ・ジェシカ・パーカーの出演で公開された映画『ハネムーン・イン・ベガス』のミュージカル化。脚本は映画版の同作を監督したアンドリュー・バーグマンが担当し、2015年にはロブ・マクルーア主演で ブロードウェイでも上演された。ラスベガスとハワイを舞台に、主人公・ジャックとジャックの彼女・ベッツィの結婚までのドタバタな恋愛騒動を描くコメディミュージカル 作品となる。 演出は、第25回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞した今最も注目を集める演出家、小山ゆうな氏が手掛ける。
主演の伊野尾が演じるのは、結婚に対して極度の恐怖心を抱く平凡な男ジャック・シンガー。2015年に上演された舞台『カラフト伯父さん』以来、9年ぶりの舞台出演で、初めてのミュージカルに挑む。ジャックの恋人 ベッツィ・ノーラン役に松田るか、ラスベガスの富豪トミー・コーマン役に岸 祐二が決定。ジャックの味方となるバディ・ロッキーとロイ・ベーコンの2役を上口耕平、トミーの部下 ジョニー・サンドイッチを小柳友、ジャックを誘惑するハワイの女マヒを青野紗穂、ジャックの母ビー・シンガーを霧矢大夢が演じる。
東京公演は東京建物 Brillia HALLにて2024年4月9日~29日、大阪公演SkyシアターMBSにて2024年5月6日~19日。